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過去ログ HEROSその5
2006/8/5 HEROS KID欠場。ミドル級トーナメント カード決定
さてさて、無事に(?)KID欠場も発表され、ミドル級のカードも決定。
http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html
なんつうかねえ、別に看板通り「人類最強」とか「世界最強」とか、決まらなくてもいいわけですよ。どうせ世界中の選手集められるわけじゃなし。
でもね、トーナメントやる以上は『HEROS最強』は決めてもらわなければならない。これじゃ三位決定戦ですよ。宇野や高谷にはKIDを破る要素があるし、所も須藤となら噛み合うと思ってただけにね……。
宇野 薫 vs. ブラックマンバ
所 英男 vs. イヴァン・メンジヴァー
高谷裕之 vs. J.Z. カルバン
安廣一哉 vs. ハニ・ヤヒーラ
ブラック・マンバは、ローセンよりも総合慣れしてるし、実はハンセン並みの当て勘がある選手だとしたら面白い。ちょっと期待し過ぎか? 宇野の固いところは今回も充分、有効に働くと思うんだが。
メンジヴァーは前回はいまいちいいところが見えなかったが……。今回で実力が見えるのか? 人気投票一位は結構なことだが、所はやはり出てはいけない選手だろう。今年は二つのKO負けと一つの一本負けを喫し、心身のダメージも計りしれないのではないか。あせりの出る時期だと思うし、チャンスを無駄にしたくないだろうが、ここは休んでほしかった。投票したファンは善意でやっているのだろうが、正直、見識を疑いたい。今回、また深刻なダメージを受けるような負け方をしたら?
高谷VSカルバンは純粋に楽しみなカードで、ちょっとほっとしたな。スタンドでもパウンドでも面白そうだ。高谷も丸一年棒に振ったわけだが、ここらで上を狙ってほしい。
安廣の総合転向自体は、個人的には賛成。このトーナメントのエントリーには反対だけど、MAXでは佐藤、TATSJIの台頭を抑えるどころかHAYATOにまで負けた。テクニック的にも限界が見えている。身体能力の高さや勝負度胸の良さを生かせる方へいってほしい。しかしヤヒーラとは……。デビュー戦は綺麗に眠らされそうだ。
ライトヘビーと2本立てだから、辛うじて生きながらえた感じの大会。いや、ほんとに桜庭がいなければどうなってたんだろうね。ただ、KID離脱も桜庭の存在が影を落としている可能性もあるが……。いい意味で捉えると、自分が抜けてもダメージが小さくてすむというところか?
まあしょぼいカードだが、あとは内容に期待したい。前回もなんだかんだ言って試合内容はいいものもあった。とはいえ、4秒殺のKID先生がいないのは、そちらの意味でも大きな痛手だが……。
さてさて、無事に(?)KID欠場も発表され、ミドル級のカードも決定。
http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html
なんつうかねえ、別に看板通り「人類最強」とか「世界最強」とか、決まらなくてもいいわけですよ。どうせ世界中の選手集められるわけじゃなし。
でもね、トーナメントやる以上は『HEROS最強』は決めてもらわなければならない。これじゃ三位決定戦ですよ。宇野や高谷にはKIDを破る要素があるし、所も須藤となら噛み合うと思ってただけにね……。
宇野 薫 vs. ブラックマンバ
所 英男 vs. イヴァン・メンジヴァー
高谷裕之 vs. J.Z. カルバン
安廣一哉 vs. ハニ・ヤヒーラ
ブラック・マンバは、ローセンよりも総合慣れしてるし、実はハンセン並みの当て勘がある選手だとしたら面白い。ちょっと期待し過ぎか? 宇野の固いところは今回も充分、有効に働くと思うんだが。
メンジヴァーは前回はいまいちいいところが見えなかったが……。今回で実力が見えるのか? 人気投票一位は結構なことだが、所はやはり出てはいけない選手だろう。今年は二つのKO負けと一つの一本負けを喫し、心身のダメージも計りしれないのではないか。あせりの出る時期だと思うし、チャンスを無駄にしたくないだろうが、ここは休んでほしかった。投票したファンは善意でやっているのだろうが、正直、見識を疑いたい。今回、また深刻なダメージを受けるような負け方をしたら?
高谷VSカルバンは純粋に楽しみなカードで、ちょっとほっとしたな。スタンドでもパウンドでも面白そうだ。高谷も丸一年棒に振ったわけだが、ここらで上を狙ってほしい。
安廣の総合転向自体は、個人的には賛成。このトーナメントのエントリーには反対だけど、MAXでは佐藤、TATSJIの台頭を抑えるどころかHAYATOにまで負けた。テクニック的にも限界が見えている。身体能力の高さや勝負度胸の良さを生かせる方へいってほしい。しかしヤヒーラとは……。デビュー戦は綺麗に眠らされそうだ。
ライトヘビーと2本立てだから、辛うじて生きながらえた感じの大会。いや、ほんとに桜庭がいなければどうなってたんだろうね。ただ、KID離脱も桜庭の存在が影を落としている可能性もあるが……。いい意味で捉えると、自分が抜けてもダメージが小さくてすむというところか?
まあしょぼいカードだが、あとは内容に期待したい。前回もなんだかんだ言って試合内容はいいものもあった。とはいえ、4秒殺のKID先生がいないのは、そちらの意味でも大きな痛手だが……。
2006/8/5HERO'S KID欠場? ライトヘビー級カード決定
地滑り、バブル崩壊。2大メジャーの地盤沈下は、とどまるところを知らないかのように思える。
http://gbring.com/sokuho/news/2006_07/0720_heros.htm
Xは金泰泳……これで驚く人間がいるのだろうか。立ち技の選手であったのはもちろんのこと、もう数年に渡って現役を退いた選手。BJペンと比べるまでもなく、まともな総合の選手とは言いがたい。
これで一回戦は、完全に桜庭、秋山の顔見せマッチとなることが決定した。
だが、それ以上に、HEROSには大きな危機が迫っている。
本来、このブログではプロモート側から公式発表されたニュースのみ取り上げてきたが、今回はあえてそれを曲げてみたい。
山本KIDがレスリングに転向……。先の格闘技通信でも取り上げられた内容だが、KID自身がブログでもレスリングへの専念を発言した。現時点では、その記事は削除されている。KIDの勇み足か、あるいは故意に行ったことか。
現役チャンピオンの離脱……このダメージは計りしれない。人気はもちろんのこと、実力的にも今がピークにあることは間違いない。その王者が、あっけなく離れてしまうのだ。様々な要因が絡み合ってのことだろうが、大まかに言ってこれだけの要因があるのではないか。
まずは現在の格闘技に対するネガティブなイメージだ。暴力団云々という直接的なことよりも、むしろPRIDEの「地上波放送打ち切り」による「下火」な印象。K-1にも一時の視聴率を取る勢いはない。これはPRIDEだけではなく、格闘技というジャンルの全体的な問題である。今後、ますますこの空気は加速していくと思われる。
本来、対抗するパイであるHEROSはここで踏んばって、業界の盟主となればいいのだが、そのための戦略としてあるのは何か……?
そこで最大の問題である、イベントの少数選手への依存が浮上してくる。MAXを例に取ればわかりやすいだろう。エース魔裟斗の道程を思えばいい。開催1年目、思わぬ挫折を喫するも、2年目で見事に優勝を飾った。だが、その後4年、MAXは未だに魔裟斗のイベントと呼ばれ続け、その間魔裟斗は、王座陥落、怪我による棄権、そしてついに今年は若き王者に完敗を喫した。実力によるもの……そう言ってしまうのは簡単だ。だが、毎年毎年カリスマとして過酷なトーナメントに投入され、磨耗していく姿に危機感を覚えていた人間は多いのではないか。サワー戦は僅差の敗北だった。ワンマッチならわからないし、まだ来年もある……だが、来年以降にもっと無惨な結果が待っていないと誰が言えるだろう。魔裟斗は敗者として引退するか、それとも勝ち目の薄い闘いに疲れ果てた身体を引きずって挑み続けるかの岐路に立たされている。
KIDは、HEROSの初代王者として、新たなカリスマとして、その魔裟斗の姿に自分を重ねたのではあるまいか。希望していた防衛戦形式は取られず、8月、10月、そして大晦日の3連戦。今年勝てても負けても、来年以降も同じ事が繰り返され、全てに出場する事を、勝つ事を求められる。魔裟斗のたどった道を歩くことの危険さに、彼が「引き合わない」ものをおぼえたとしても不思議ではない。
PRIDEライト級の王者となった五味も、モチベーションの上がらぬまま年一発目のワンマッチに駆り出され、無惨な敗北を喫した。KIDはHEROS最初の興行は回避したが、内心意欲のわかないものを感じていたのではないか。連戦による疲労で本来の力が発揮出来ないことを、恐れたのではないか。
このまま続ければ「使い潰される」。ならば身体的にピークな内に「転職」しておこうと考えた。傾いた他イベントへの移籍などではなく、リスクもあるが成功すれば莫大な利益と名声を生む「オリンピック」の世界へと……。
復帰と欠場を繰り返す須藤元気、今年二度のKO負けを喫しまさに使い潰されようとしている所のことを考えても、HEROSの先行きに暗雲が立ちこめているのは否定できない。
話は戻って、再び格闘技界のネガティブなイメージが浮上してくる。KIDのレスリング転向は、総合格闘技というスポーツ自体の敗北だ。総合の王者であり続けることよりも重要な概念が存在する、という証明である。日本の格闘技界が、柔道、レスリング、ボクシング、メジャースポーツの再就職先となってきた事実は、それを裏付ける結果にしかならなかった。
今、総合格闘技で王者になり、「上位概念」であるレスリングに転向しようとするKIDを、「ジャンルへの愛がない」と非難する者がいるかもしれない。だが、その総合格闘技をプロデュースするイベント側に、そんなジャンルへの愛や誇りがあったか。名ばかりの他競技選手を参戦させ、俳優やタレントのお遊びで汚し続けるばかりではないか。
残念ながら、KID自身の意志を尊重するという以上の問題として、私は彼の行動を支持せざるを得ない。桜庭移籍はどっちでもよいことだった。魔裟斗が引退するとして、それも仕方のないことだろう。だが、この問題は違う。これは日本における格闘技というジャンル自体が、深刻な危機を迎えていることを意味する。
もはや、誰にも止められない。
2006/8/5 HEROS ライトヘビー級、ミドル級トーナメント出場者発表
トーナメント参戦を渋っていたらしい桜庭も、参戦決定。
http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html
適正体重で桜庭が、キャリアの劣る面々に対して、どのような闘いをするか、要注目。
大会概要の発表という感じで、ミドル級もこういう面子になるのはわかってたわけだから、特別な驚きはない。カード発表が待たれるところである。大山はてっきり落選、日本人はそれでも永田さんとか四人ぐらいは入れてくるかと思ってたので、そこらへんが引っかかったぐらいか。あとはニュートンって、ブランク長いんじゃなかったか? 桜庭VSグレイシーのレトロ感溢れる対決か、あるいは大晦日流れたのを受けて秋山VSグレイシーと言うのはありかなあ。
ミドル級は元気の出場が微妙、去年は負傷を押して神懸かり的な一本勝ちを炸裂させたが、さすがに今年はそうもいかないだろうし、ここは休んで大晦日復帰を目指してはいかがかな。出場→怪我→出場→怪我というサイクルが近年続いているのは、やはりどこか無理している面があるのではないか。
そうなると日本人がKIDと宇野しか残らないが、レベル的にもまったく妥当かな。今、KID対五味以上に一番見たいカードは高谷VSマッハなんだが、これは無理かなあ(無理に決まってるって!)。
カード発表はMAXの後だそうですよ。更なるサプライズはあるのか?
桜庭HERO'S移籍
http://gbring.com/sokuho/news/2006_05/0504_heros_02.htm
正式決定おめ〜。え? おめでたくないですか? まあ正直、まだなんとも言えませんねえ。しかし別にファンでもない私が、今日は仕事が手につかんぐらいでしたから、ファンの人はショックだろうなあ。
今日の記事は、無差別級GPの予想をやる予定だったのですが、もうどうでも良くなりましたよ。明日、大阪ドームに来るファンは、素直に盛り上がれるんだろうか? 私はぜんぜんそんな気分じゃないです。もともと盛り上がれるカードじゃなかったので、別にいいんですけど。と言うか、明日盛り上がってる人は単なるミーハーで、コアなファンは半ばお通夜じゃないでしょうか。怖い怖い。
桜庭の苦悩と自由意志を強調する谷川P。そして、その谷川PのもとでKとPの友好を築きたいと言う桜庭。今回の会見で、DSEは完全に先手を打たれた。
今までのDSEなら、かつてヒョードルが契約問題でもめた時のように、「まだ若者」「人格が未熟」「金に目がくらんだ」と切り捨てるか、あるいはグッドリッジやヒーリングが契約切れした時のように「もうトップから外れた」「最強を決めるリングにはついていけない」と、実力不足を強調するかしたところだ。
だが、谷川、桜庭ともに榊原社長にもすでに話は通っていると、この会見で言ってしまった。ここで桜庭を上記のような内容で非難しては、完全に悪役に回ってしまう。猪木さんならどうせわけのわからないことしか言わないし、「去る者は追わず!」で片付ければいいが、今回はそうもいかない。
だいたい、上記のヒョードルやヒーリングの件は、国内メディアとつながりを持たない外国人選手だから言えた事で、国内でいくらでもマスコミの飛びつく桜庭に爆弾発言を許さないためには、もはや「気持ち良く送り出します」と言って事態の収拾を図るしかないのではないか。
しかしこんな日が来るとは、夢にも思わなかったなあ。
2006/5/3 HERO'S 試合感想
2006/5/3 HERO'S 試合感想
悪夢、波乱、衝撃。
野心、欲望、夢。
幾多の思いの絡み合ったリングにその日刻まれたものは。
<第8試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
秋山成勲(フリー)
永田克彦(TEAM Kings・新日本プロレス)
秋山と友達らしいみのもんたが放送席。応援解説もここに極まれりで、永田は負けるために出てきたようなムードが早くも漂う。打撃なら一日の長がある秋山、ということで、大晦日は体重差でレミギウスを封じ込めた永田が、圧力に押されて何も出来ない。やはりこれは低視聴率だったことへの制裁マッチだったのだろうか?
フィニッシュはバックスピンで、サンドバッグ永田さんは陥落。メダリストやらなんやらと年末はあれだけ持ち上げてもらっていた男が、かくも早き落日を迎えるのか。作られたヒーローは、プロテクトがないといかに脆いか。これもまたリアリズムであるなあ。秋山の「左肩に日の丸」とか言って右肩の韓国国旗を綺麗にスルーしたアナウンサーや、喜色満面のみのもんた、今日勝ったもう一人の作られたヒーローの落日は、いつの日か。レスリング最高は嫌みにしか聞こえないぞ。誰かこいつに鉄槌を下せ!
とはいえ、今日の試合は今までの秋山の試合で一番面白かったのは確かですが……。
<第6試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
所 英男(日本/リバーサルジム)
ブラックマンバ(インド/フリー)
今日最大のサプライズは、本当に突然やってきた。
え〜、 大晦日の観戦記 で書いた、SRS席に一人で来ていた、女性の話。所ファンであるらしかった彼女、そのマイペースな観戦ぶりで、オレに強い印象を残していた。
その所さんの試合が始まる直前、カメラはリングサイドに座っていたみのもんたを映し出す。が、なぜかその後ろに、見覚えのある顔が……。
ああ〜!? 大晦日のあの彼女が、またSRS席、しかも最前列、みのもんたの後ろに陣取っているう〜っ!
うそ〜、信じられん、なんかネタみたいですがホントの話。録画しながら見てたのに、思わず巻き戻して確かめそうになったよ。今日もまた所選手の応援ですか?
その驚きも冷めやらぬまま、試合開始。フェイントからタックルに行った所に、マンバの膝が直撃〜! 昔はタックルに膝を合わせるってのは大変な技術みたいに言われてましたが、今や当然のようにつかいこなされ、なおかつ効果的な技術になってきたなあ。
作られたヒーローに続き、去年誕生した本物のヒーローまでが陥落。これが、これがリアリズムですな。さて、先の試合ではみのもんたのはしゃぎようを見せられて辟易したのだが、今回、試合前は所を応援している様子だったみのは、試合が終わった直後、残念そうでも驚いているようでも悲しんでいるようでもなく、白けたような表情を浮かべていた。その表情から感じられたのは、「あ〜あ、俺が応援してやったのにぶざまに負けて……白けるなあ」とでも言いたそうな、冷めた感情だった。前から嫌いだったが、ますます嫌いになったな。こいつは格闘技のスポーツ性も、選手がそれに賭ける思いも何もわかっておらず、単に殴り合いの見せ物としてしか捉えておらず、選手も闘鶏の鶏と同じぐらいにしか考えていないのだろう。おまえは秋山が負けてもそんな顔をしたの? 後ろの所ファンの彼女、オレの代わりに一発殴っちゃって下さいよ。昨年、みのもんたを擁する紅白に視聴率で敗れたのに対し、そのみのを取り込んで今年の逆転を計るTBSとFEGのなりふりかまわぬ手法には頭が下がるが、格闘技ファンはそんなものを決して認めない、ということを一言もの申しておこう。
そして、所ファンの彼女、惨敗はショックでしょうが、勝負です。結果は仕方ありません。力を出し切れず負けた所選手が一番つらいはずです。こうして負けた時、傷付いた時に支えてあげられるのが、本当のファンだと思います。これからも、あきらめずに所選手をずっと応援してあげて下さい。
<第7試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
須藤が極めきれなかった男、ローセン登場、ということだが、ここでまたも宇野がその安定度を見せつける。上を取って常に動き続けてブレイクを許さず、1ラウンドは確実にローセンのスタミナを奪う。2ラウンドも同じ展開かと思ったが、ローセンの疲れは明らか、対する宇野はまだまだ余力充分。着実にバックを取ってスリーパーで決着。
うーん、やはり宇野強いね。が、ローセンは今回クロスガードまで進歩して、とても二戦目とは思えない。今後も頑張って下さい。一方で曙みたいなのもいるわけで……なんか絶望的なまで違いを感じるね。
桜庭和志、HERO'Sのリングに登場!
いや〜これ一個で記事にしてもいいぐらいの大事件でしょう。裏切りのタイガーマスク。復讐のリングス。あのテーマ曲がさいたまに鳴り響く事は、もう二度とないのか。高田道場離脱の真相。
マスクでお茶を濁してましたが、これは「桜庭節」で済む問題ではないだろう。先日、道場離脱もPRIDE継続参戦を明言したDSEもそうだし、FEGも桜庭の8月参戦は決定的なことなのかコメントしてほしい。なにより、桜庭自身が真意と今後をはっきり言うべき。
個人的には、これは選手の自由に帰結する問題で、桜庭がHERO'Sに移籍すると選択したなら、それは仕方のないことだろうと思う。
今日のサプライズ二つ目でした……。
<第1試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
アントニオ・シウバ(ブラジル/FIGHT CO.)
トム・エリクソン(アメリカ/フリー)
うわあ、ほんとにゴリラだよ。足の大きさもぜひネタにしてほしかったところだが……。
エリクソンがテイクダウンされて何も出来ずに殴られ続ける! また拳もでかいよ。これはサップもシルム勢(そういや今回出なかったね……)も確実に殺されるね。
<第2試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
曙(日本/チームヨコヅナ)
ドン・フライ(米国/フリー)
やっぱり曙はK−1ルール向きだよね。なぜならブレイクが早いから……。ドン・フライよ、脇の下をくぐって逃げんかい! 肉を押し付けて休む曙に殺意。「組まずに打ち合うべきですね」と、血の気の多いファンなら怒鳴ってるところを、やんわりと真っ当に指摘したゲスト解説の須藤元気選手は、やはり大人だった。すべては一つです、ありがとうございました!
足払いですっころんだ曙は、フライのフロントチョークであえなくタップ。一回、ここで立ち上がろうとするのをちょっと待って転ばす、以下繰り返す、という戦法を誰かに取ってみてほしいなあ。オレの仮説では、曙は一旦倒れたら、ブレイクがかかるまで二度と起き上がれないと思うんだけど。
<第4試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
上山龍紀(日本/TEAM Kings)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)
オファーが昨日だったので、全然練習できなかった。次からは三ヶ月前に言ってよね……というヤヒーラのコメント。まったく、真っ当な選手を腐らすなっての。ダイジェストだが、なんとなく寝技がすごそうなのはわかった。次に期待します。
<第5試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
門馬秀貴(日本/和術慧舟會A−3)
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)
『痩せる男』っていうスティーブン・キングの小説を思い出しましたな。激やせ男が、プチヒョードルのようなパウンドでめった打ち! おいおい、HEROSにしちゃ止めるのが遅いね。減量が無駄になったのが、なんか切ないね。
<第9試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
山本“KID”徳郁(KILLER BEE)
宮田和幸(フリー)
この試合の煽りもかなり時間取ったけど、それでも9試合中の8試合は放送か。今回はなかなか派手な大会になって良かったなあ……と思ってたが、最後の最後で巨大な打ち上げ花火が!
開始早々、KIDの二段飛び膝蹴りで宮田失神〜! 試合時間4秒〜! KID恐るべし。マジに神がかってきた。いやほんと、はやくペケーニョ、メレンデス、シャオリン、ヤヒーラをぶつけようよ。勝っても負けてもすごいことになるって。
ふ〜、しかし今日のHEROSはなんか切なかったね……。去年は単にHERO誕生と浮かれ騒いでいれば良かったが、今日はかつてヒーローと呼ばれた選手たちが、その栄光を打ち砕かれ散って行く様を見せつけられた。生き残るのは、やはり圧倒的な「力」なのか。
桜庭のことも含めて、今まで何となくついでに見ていた感じのHERO'Sが、色々な意味で要注目なイベントに浮上した、特別な一日でした。
2006/5/3 HERO'S 最終決定カード
またまた土壇場でカード変更! 怪我人多いなあ。
直前すぎて頭もまとまらないし、今回は予想は割愛。簡単な感想だけ下記に。
<第9試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
山本“KID”徳郁(KILLER BEE)
宮田和幸(フリー)
<第8試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
秋山成勲(フリー)
永田克彦(TEAM Kings・新日本プロレス)
<第7試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
<第6試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
所 英男(日本/リバーサルジム)
ブラックマンバ(インド/フリー)
<第5試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
門馬秀貴(日本/和術慧舟會A−3)
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)
<第4試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
上山龍紀(日本/TEAM Kings)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)
<第3試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
中原太陽(日本/和術慧舟會GODS)
アイヴァン・メンジバー(カナダ/トリスタージム)
<第2試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
曙(日本/チームヨコヅナ)
ドン・フライ(米国/フリー)
<第1試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
アントニオ・シウバ(ブラジル/FIGHT CO.)
トム・エリクソン(アメリカ/フリー)
<オープニングファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
WAKASHOYO(日本/Team Paon)
浜中和宏(日本/フリー)
期待していたメレンデスが欠場で、代わりは……ハニ・ヤヒーラ! 見たかった選手であることは間違いないし、体格や寝技のスキルなど考えたらメレンデス以上かもしれない。代役としてはすごい……が……だったら最初から出せよ!
ペケーニョ
メレンデス
ヤヒーラ
……三人とも出ていれば、誰も文句のつけようのないトーナメントになっていたのは間違いないのだが……。
去年は大した駒も揃わないうちから、日本人ばかり並べているイメージが強かった。今年は駒が揃ってきているのに全然生かしきれず、結果としてクオリティは昨年並みという感じ。
ヘビー級もアントニオ・シウバという、初めて本当に期待感の持てる強豪が登場したのは素直に喜ばしいが、腐らせないでほしい。実力を引き出すようなマッチメイクは難しいにしろ、サップか曙でも血祭りにさせ、スターダムにのしあげてほしいものである。
しかし、なんかHERO'Sの話をしだすと、試合よりもイベント論になっちゃうんですね〜。強さを競うというよりも、勝った選手を売り出すシステムにしかなってないからかね。
2006/5/3 HEROS 一部カード決定。ゴタゴタについてゴタゴタ考える。
いやはや、PRIDEも遅いが、こっちも随分遅かったねえ。
しかし、
http://www.so-net.ne.jp/hero-s/01herosnews/20060418/20060418.html
はっはっは、これはひどい。ノゲイラ弟とは笑わせてくれる。ホジェリオならまだしも……(笑)。身長が179センチもあるよ〜とか、どうでもいいことばかり気になってしまうな。外国人強豪のペケーニョとシャオリンが欠場で、一気にレベルが低下した感じ……ま、そうでもないか、メレンデズが出るなら……。ペケーニョの防衛戦の相手は誰になってしまうのだろう。修斗ファンの方は御愁傷様です。
修斗ランカーがかなりの人数になってきたのは、やはり当然の流れなんであろう。単純に実力者が集まっているということもあるし、海外からも選手を呼ぶコネクションが確立されていて、呼びやすいというのもあるだろうし……。横取りするのにはもってこいというか。
プロモーション同士仲良くして、お互いの利益になるようにやれたらいいんだろうが、そういう「友好関係」が仮に出来たとしても、別のきな臭い部分が出てくるだけのような気がするんだがね。結局は一人の選手の身は一つしかないし、ほんとにワン&オンリーな存在であるスターは、プロモーションの都合で振り回されることを嫌うだろう。彼は今月はこっちに出てもらうんで、次の興行ではそっちで防衛戦やってもらいます……なんていう「談合」が自分の知らないところで進んで、示し合わせたようなオファーが来たら、いい気持ちはすまい。
自興行できっちりとしたタイトル挑戦への流れやベルトの権威を作ってきた興行主が、選手に「ギャラいいしテレビにも映るし」という理由でそっぽを向かれてはたまったものではないだろうが、実質王者が生活できないのではどうしようもない。だからといって、メジャーに選手を「売って」それを補うようではおしまいだ。
興行主には興行主の、選手には選手の都合や価値観があるわけで、それらが全て立つということはありえない。が、そんなことはいい試合を見ることだけが楽しみな格闘技ファンには、本来どうでもいい、関係ないことでもある。
理想論だが、こういうゴタゴタをなくすためには、結局は透明性を上げていくしかないのではないか。各興行のファイトマネー、契約の現状、そういったものがあまりに見えなさ過ぎる。選手という「個人事業主」がイベントを選ぶのが本来の姿なのだから、HEROSを選ぼうが修斗を選ぼうが武士道を選ぼうが、それは選手の自由である。先に修斗の青木選手が、「金積まれたけど、自分は修斗一本で行きます」という内容のことを言って、ファンに喝采を浴びた。私も、この発言はかっこいいと思った。ただ、それは「修斗」というプロモーションを選んだからかっこいいと思ったのではない。公衆の面前で、「これが自分の生き方である」ということを自分で堂々と示したことが、かっこいいと思ったのである。まったく逆で、魔裟斗が「2000人ぐらいしか見てくれないところで、ちまちまやりたくありませんね」と言った。内容は逆だが、自分のポリシーを言葉にしたということでは、実はまったく同じだ。
プロモーションが条件を提示し、選手がそれを選ぶ。本来、契約関係というのはシンプルなもののはずなのだ。この場合の条件とは、単に金銭のみでなく、イベントの価値観やルールのことも含まれる。選手は自分のポリシーに従って魅力のあるところへ行く。
そう思う選手は、もっとはっきり言ってしまっていいと思う。「ギャラがいいからHEROSに出る」、と。マスコミは推定ファイトマネーや契約更改の状況などをバンバン書き立ててしまえばいい。HEROSにせよ武士道にせよ、「うちはギャラもいいし、強い選手が集まって、いい試合を提供できる」と堂々と言い切ってしまえばいい。あとは、選手の自主性の問題なのだ。
結局、ギャラで負けてるぐらいで選手を取られるようなイベントには、先がない。金銭以上の価値観を提示できていないということだ。同じくメジャー興行も「ギャラいいんで来ました」とばかり言われていては、あまりに寂しい。やはり金銭以上のポリシーがなければ、いつか廃れ、飽きられた時に自壊の道を歩むだろう。
修斗には青木のような王者がいて、魔裟斗は「K−1愛」を自ら標榜している。願わくば、そういった選手が増えていってほしいものである。だが、同時に生活のかかった選手の選択も尊重すべきだ。
現状は、あまりにも選手の「意志」が見えてこない。インタビューに答える選手からも、五味のような一部を除いて、目先の試合の話題のような、当たり障りのない内容がもれるばかりだ。イベント自体に語るべき内容がないせいと、金で選手を抱え込む体質、そしてそれらを選んだ選手のポリシーのなさ、それらに触れないマスコミの及び腰の姿勢……すべてが原因だろう。
いやあ、長々と書きましたね。自分でも、段々何が言いたいのかわかんなくなってきましたよ。難解な文章になってませんかね。
長文読みたくない人のために、簡単にまとめます。
「だからペケーニョは、結局HEROSと修斗のどっちにほんとは出たいんだ!? はっきり言え! そしてその理由を述べよ! ギャラとかが理由でも別にいいから! マスコミはそういうことをはっきり聞いて、記事にしろ! 興行は選手を契約で抱え込むんじゃなくて、自主的に選んでもらえる企業努力をするように!」
よろしく。
話は戻りますが、これでもヘビー他の試合はまだ全然決まっていないし、宇野の相手も未定か……。実は宇野の相手以外決まっていて、二回にわけて発表するつもりかもしれないが……。ローセンはどうしたんだろう。
ブラック・マンバは微妙に実力の読めないところがあり、所危うし、と煽るのもまあありかな。
まだまだ期待の持てるカードはないですねえ。今回も顔見せ程度で、次回以降に期待ということになるのかな。
2006/5/3 HEROS ミドル級トーナメント開幕戦決定!
ついにライトヘビー級のトーナメントが開幕する。一回戦から秋山VS永田とはなかなか頑張ってる……じゃねえよ!
予定されていたライトヘビーはあっさりと流れ、昨年と同じくミドル級のトーナメントが開催されることになった。さすがHEROS、このグダグダ感、場当たり感はマネできない。救いは、シードになるKID、須藤の二人がそれなりの実績を去年残してくれていることか。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20060410-00000036-spnavi-spo.html
ただ、ミドル級はトーナメント開幕と銘打ってはいるが、今大会でベスト8を選出する査定試合を行う予定だったはず。それが一回戦と名前が変わっただけで、実質的に内容は同じと見ていいだろう。そうなると、やはりライトヘビーがぽしゃったのは痛い。おまけに曙も出るし……。相手はシルム三兄弟の誰かか?
KIDも今年初戦は宮田ということで、先の試合を見る限り、苦戦もあるのではないか。宮田もルールへの適応に苦しんできたが、打撃で沈められたことはないだけに、逆に恐怖心なく挑んでくるかもしれない。
海外勢も、楽しみなメンツが揃ったし、昨年の所VSペケーニョのような好試合があることに期待である。
『HEROS』2006年ミドル/ライトヘビー級トーナメント開催決定!
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/column/200603/at00008505.html
ようやく決まった、という感じ。これできっちり上を目指す道筋ができて、今後の試合ももう少し楽しめるようになるといいなあ。
それにしても階級の呼び名がPRIDEとまったく違ってて、頭が混乱しそうである。PRIDEはミドル級がまずおかしいし、HEROSも85でライトヘビーって……? 協力しろとは言わないけど、せめてここらへんは国際標準みたいなものができていかないとねえ。
あまりトーナメントばかり乱発するのもどうかと思う面もあるのだが、それでも重みのないワンマッチを組むよりはいいだろう。KIDという王者を軸にタイトルマッチ路線、というのも考えられたが、他の選手を挑戦者として誰もが納得するポジションに仕立て上げるのは何興行も費やさねばならないし、それはまだ認知度の低い新興イベントにはきついだろう。てっとりばやく盛り上げるには、やはりトーナメントだなあ。
選手層の厚いミドル級で、8人のトーナメントというのは物足りない気もするが、去年もキックボクサーやらを無理矢理つめこんだことを考えれば、これぐらいがちょうどいいような気もする。シャオリンなど海外の強豪が噂通り入ってくれば質も向上する。準決勝、決勝を一日でやるようだが、一回戦でKID、須藤、宇野、所の二人ぐらいが消えれば個人的には盛り上がりそうだ。
軸も何もないライトヘビーも、やっぱりトーナメント。じっくり育ててもらってきた秋山にも、ついに正念場が巡って来た。BJペンが出てくれれば、これもクオリティは保証されるし、言い方は悪いが、海のものとも山のものともつかぬメンバー8人でいきなりやったら、予想も何もつかないで緊迫感が生まれそうだ。
まあそう期待しているわけでもないが、普通に試合を楽しめるイベントになってくれたらいいなあ。
不満は、決勝を大晦日にやらないことかな。これはHEROS自体の問題ではなく、大晦日の試合が顔見せ興行になって空洞化するのがイヤなので。代わりにヘビー級のトーナメントって……ぜんぜん代わりにならないって! ヘビーはバンナもまだまだだし、ヒーリングも絶不調。サップやら曙を放り込んでもまともな試合はできないだろう。噂通りジャクソンとアレキサンダーでも来れば話は別だが……。
カード発表はMAXの後でしょうね。とりあえずは静観ということで……。
2006/3/15 HEROS開幕戦 試合感想
今日は夜まで仕事で、帰宅後のビデオ観戦となりました。
むむ……こないだの停電で時計が狂っていたか、再生したらいきなり宮田が勝っているぞ……? 一本勝ちとは、らしくないなあ(笑)。
予想と同じ順番で、ざっと。
▼HERO'Sルール 88kg契約 5分2R延長1R
秋山成勲(日本/フリー)
VS
石澤常光(日本/TEAM JAPAN)
石澤は執拗にタックルを狙うが、秋山がことごとく切り、組み止める。やはりイブラヒム対策といえば当然タックル中心だろうから、今回の相手変更は秋山にとってはやりやすくなっただけだったのか。タックルを切ってパンチの連打を浴びせる展開が続き、石澤は早くも攻め手なしの印象。打撃では決めきれなかった秋山だが、大外刈りから袖車で決着。
もろに準備不足と実力差が出た感じで、秋山圧勝。
▼HERO'Sルール 72kg契約 5分2R延長1R
須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
また後で記事にするが、オーレ・ローセンは四月のMAX開幕戦でドラゴ戦が決定した。総合とはいえ、ここでミソをつけていたらイヤな感じだったのだが……。
カンフー着で試合をする須藤。柔道着着てる人もいれば、女子もTシャツを着てたりするわけだ。そういう意味では別にかまわないし、ショーアップも良かろう。トリッキーな動きは出だしだけで、今回の須藤は露骨に一本狙い。だが、二度の足関節をローセンが俊敏に外し、下になってもクロスガードが固く攻めさせない。さらに驚異的な腰の強さで立ち上がり、スタンドを狙う。須藤も勝負に徹して密着し、距離を空けようとしない。ローセンはゼロ距離から膝を飛ばして攻めるが、これもかなり切れている。
上着を脱いでの2ラウンド中盤まで、須藤が攻め続けたが、ローセンは決定的な場面もことごとく凌ぐ。逆にフットスタンプからのパウンドが直撃し、須藤失速! いや〜これはハラハラしたよ。須藤もKID戦の悪夢が蘇ったんではないか。この攻めが効いたか延長。
さすがのローセンも疲れたか、あとは須藤の寝技を凌ぎ続けるだけの展開に。ポジションは幾度も完璧な状態を取り続けた須藤だったが、極められず。序盤で膝を痛めたらしいが、程度の差こそあれ、負傷した状態で宮田と高谷は仕留めたことを考えると、言い訳にはならないだろう。余裕こいてカンフーで来て、結果は判定。しょっぱいが、練習してなかったわけでも試合自体手を抜いたわけでもないだろうし、まあ仕方ないだろう。怪我を治してまた頑張れば良い。そう言えば前田はえらくほめてたが、今回もフィッシングでいけば、一本取れてたんじゃないか。
しかしローセンすごい。タックルがもう少し切れれば、あとはショートのパンチだけでかなりやれるんじゃないか。HEROS向きかも。で、今回の実績?をもってMAX殴り込みだ。須藤にガンガン膝を飛ばすシーンで煽りのいいネタもできた。選手を消費気味だった素人の総合起用に、珍しく芽が出たケース。狙ってた、予想できていたならすごいが、たぶん偶然(笑)。
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
VS
リッチ・クレメンテ(USA/チーム・ブードゥー)
テレビでは全然わからなかったが、計量オーバーのクレメンテは最初から一点減点だったそうだ。試合は須藤が巧者ぶりを見せつけ、危なげない攻めを展開。クレメンテも打撃を当てバックを取り、前評判通りの実力を見せるが、宇野には一歩及ばずか。しかし2ラウンドの内容で宇野が押していたのは明らかで、判定にもまったく文句はないのだが、終了時におたがいダメージなしスタミナも充分だったのがちょっとひっかかった。3ラウンド制のK−1と同じで、もう少し続きが、完全決着が見たかった。3ラウンドあればなあ。
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
所 英男(リバーサル)
VS
池田祥規(極真会館)
速攻で三角絞めを炸裂させ、所が秒殺勝利〜! いやいや、露骨にスキルの違いが出たなあ。波状攻撃を持ち味とする所さんなんだから、それをことごとく潰すか外せる相手じゃないと、「攻防」は見れない。しかし珍しくタップせずに「落ちる」とこまでいったわけだが、失禁とかしてないのか、ちょっと気になってしまったよ。大丈夫なものなんですかね?
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
ジェロム・レ・バンナ(Le Banner X tream Team)
VS
ジミー・アンブリッツ(USA/トッド・メディーナ・フリースタイルファイトチーム)
気になってた術後の経過とか、まったくわからんまま試合開始。しかしアナウンサーがチラと触れたバンナのコメント、「左で決める」からして、相当左に自信を持っている……つまり治っている……と見ていいのかな?
アンブリッツはどういう選手かと思ったが、上を取ったはいいが攻め手を欠き強打で沈められる、秋山、カラエフでもお馴染みのお決まりパターンに。ブレイクでスタンドに戻るHEROSルールの恩恵を一番受けているのは、バンナかも。
その他、マヌーフは大山を流血に追い込んでTKO。よくあんだけ打撃を出せるな。次はぜひ秋山対マヌーフでお願いします。見られなくて残念ですが、宮田も強くなってたようで良かった良かった。これは「育てた」と言っていいんではないかな。ヒーリングはグッドリッジに辛勝だそうで……悪い流れは断ち切れてないのかもしれませんが、気を取り直して頑張って下さい。
マヌーフ、ローセンという新星が出て来たのはめでたいなあ。ヘビーが相変わらずだけど。視聴率はいまいちだったようですが、逆に会場は埋まってたようだし、KID中心にシビアなマッチメイクをしていけば、またいい流れが作れるでしょう。今年もそつなく大晦日につなげられたらおなぐさみ。
2006/3/15 HERO'S 7カード決定。秋山VSイブラヒム。
残り一ヶ月というところで、HERO'Sのカードが発表された。
▼HERO'Sルール 95kg契約 5分2R延長1R
秋山成勲(フリー)
VS
カラム・イブラヒム(フリー/アテネ五輪レスリング金メダリスト)
▼HERO'Sルール 72kg契約 5分2R延長1R
須藤元気(ビバリーヒルズ柔術クラブ)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク)
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宇野薫(和術慧舟會東京本部)
VS
リッチ・クレメンティ(チーム・ブードゥー)
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宮田和幸(フリー)
VS
イヴァン・メンジヴァー(トリスタージム)
▼HERO'Sルール 75kg契約 5分2R延長1R
國奥麒樹真(フリー)
VS
アントニオ・マッキ(ボディーショップ)
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
山本宜久(フリー)
VS
キム・ミンス(フリー)
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
大山峻護(フリー)
VS
メルビン・マンホーフ(オランダ)
……うーん、まあ顔ぶれだけ見てたら、PRIDEには全然かなわんけど、悪いメンツじゃないとは思うんですよ。ただ、結局今年一年をどういうコンセプトでやっていくのかわからんから、単にワンマッチが並んでも面白みを感じない。
谷川Pの発言から出て来た予想の一つとして、
ヘビー級or85キロ級でのトーナメント。
KIDを主軸にした70キロ級でのタイトル戦線、防衛戦。
この二つを軸にする興行が考えられた。が、85キロ級の主軸になるはずの秋山と、95キロのイブラヒムのいきなりの激突。たぶんメイン。キャリアの浅さを突かれて藤田に一発で沈められたイブラヒムのポテンシャルを今度こそ見たい、そんな気持ちもないではないが、上記の内容が軸になるのなら、まったく組む必要のないカード。
なんでもかんでもトーナメントにせず、ワンマッチ大会も時には組んでほしい。が、主軸となるカードがないなら、須藤みたくプロテクトされてる選手もいずれ強豪とやる羽目になるトーナメントの方が、先を考えると緊迫感が出る。
……まあはやいとこ、どの階級でトーナメントやって大晦日につなげるのか決めてくれないと、「勝ちましたね、だからなに?」ということになってしまう。去年の70キロ級以外の階級は全部そんな感じだったし……。
日本対世界、というコンセプトはどこでもやってるし、手あかがついてはいるが別に嫌いではない。ぬるく楽しむ分にはいいけど、仮にも地上波でやるメジャーイベントなんだから、きっちりと盛り上げてほしいものである。
KID、須藤、宇野、所を血祭りに上げるような新顔、強豪が出てこないかなあ……。MAXだってクラウスやブアカーオが魔裟斗を叩きのめしたから盛り上がってるわけでね。「神の子、王座陥落!」てな見出しが、今年中に新聞に踊るのを見たいですね。KIDが嫌いなわけじゃないけど、予定調和の崩壊はいつだって見てみたい。これは五味も同じです。
アンケートでポン! 須藤VS山本KID
会社に、格闘技を大晦日に限った話ではなく、地上波なら欠かさず見ている人間が何人かいる。上司、同僚、アルバイト。ヒマな時は格闘技の話をしたりしているのだが、今回、そういう人間をつかまえてアンケートを取ってみた。
今回のお題は、須藤元気と山本KID、どちらが勝つかということである。
結果からいこう。12人の意見を集積し、須藤が8人、KIDが4人であった。意外にも須藤が圧勝である。理由をざっと並べてみよう。
須藤派
「知性が違うね。頭を使って勝つよ」(30代女性)
「うーん、まあ体格差で」(30代男性)
「KIDって神の子とか言って、調子乗ってるでしょ〜? 僕は嫌いですね」(20代男性)
KID派
「格が違いますよ〜! 神がかってますもん! 映画出てる奴に負けませんよ!」(20代女性)
「いや、好きなんで」(10代男性)
「打撃で。一発で決めるな」(40代男性)
などなど。まあ、あまり細かい分析はない。むしろ、キャラクターや人間性の評価で勝敗までが予想されてしまっている。やっぱり須藤の優等生的キャラクターの方が、人気があるということかなあ。別にだからどうということはないが。
しかし、こうやってわいわいと大勢で楽しむ分には、このカードが最適である。知名度、キャラクター、勝負論、すべての面でバランスの取れた好カードだ。五味とマッハは知らない人間が多すぎるし、吉田と小川では女性が食い付いてくれない(笑)。ボビーと曙はオレが話題にしたくない。
ちなみに、私の予想も須藤である。須藤はなにせ、五味と練習しているのだ。あの圧力を肌で感じていれば、KIDのプレッシャーにも驚くまい。対するKIDは練習相手と言えば後輩ばかりだ。わずかな差だろうが、これが響くと思われる。
1ラウンド終盤、打ち合いから須藤の放ったバックブローを、神懸かり的な見切りでかわしたKIDが強烈な右を撃ち込む! 完璧ではないものの顔面を捉えられ、横転する須藤。そこに襲いかかりパウンドを落とすKID。が、その拳を手繰り脚を絡め、須藤逆転の三角絞め! KIDたまらずタップ……!
……という展開になったら最高だなあ。たぶん会場では見えないと思うけど(爆)。と言いつつも、実際は「神の子の右が入った〜! 須藤元気、ピクリとも動けず!」ということになるかも!?
2005/12/31「Dynamite!!」 魔裟斗緊急参戦。所VSホイス。
うーん、昨日、所とホイスについて書かなくて良かったな。二度手間になるところだった。普通なら、わあ二日続けてネタができたよ、と思ってもよさそうなものだが、全然そんな気がしない。これは発表されたカードのしょぼさ、無理矢理感ももちろんあるが、この大晦日直前のムードの異常さに、段々嫌気がさしてきた面もある。
水を差すような内容になるので、今回はトラックバックはいたしません。お付き合いさせていただいているブログの皆様の記事は参考にさせていただいてますが、悪しからず。
K−1、PRIDEともに続々とカードが発表され、関連する話題も続々と出てきて、プロモーションも加速の一途。盛り上がってきた……と言ってしまって、本当にいいのだろうか? 両陣営ともにカードを小出しにして、細々と話題の延命を計ってるだけじゃないか? 試合当日まであと8日だが、この時点でまだ決定していない、ようやく発表されたカードがあるというのは、やはり異常だ。選手がベストの状態であるわけがない。結果、スターには噛ませ犬があてがわれ、勝負論で見れば価値の低いカードが続々と組まれる。
仮に、今から実力者同士のビッグカードが決定しても(魔裟斗VSサワーでもノゲイラVS藤田でもいい)、コンディションも作戦も万全でない者同士で闘って、どういう結果が出てもそれははっきりした勝負の結果と言えるのか。また、直前まで交渉して結局流れたとして、サワーやノゲイラにそれまで相手もわからぬまま練習させて、「ダメでした」と言うのは、失礼千万な行為ではないか。こんな大会直前までグダグダとやられて、面白いわけがない。マスコミや、一過性の情報を摂取して喜べる人間は満足なのだろうが。
K−1で言えば、東京ドームが終わった一週間以内に全カードが出揃う。これぐらいが理想だろう。カードが完全に決定している中で、戦略として小出しにしていくのは許容できるが、ブッキングにもたついているだけというのは、みっともないことこの上ない。PRIDEももっと速くてもいいぐらいだろう。カードはさっと揃え、矢沢永吉や高田のパフォーマンスみたいなお遊び企画は後で出せばいい。
結局のところ、どちらでもベストバウトになるのは、準備期間のきっちり取れたKIDVS須藤、五味VSマッハということになるような気がしてならない。
まあそうは言ってもせっかくだから、決定したカードの感想。
▼K-1ルール 72kg契約 3分3R延長1R
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)
VS
大東旭(日本/チーム・クラウド)
魔裟斗選手、欠場者続出の危機的状況に登場、ということである。が、秋山VSホイスが流れたのは痛かろうが、角田やホンマンが欠場して、カード編成にいったいどんな影響があったの? というのがまず不思議だ。魔裟斗の侠気自体は高く評価したいし、生え抜き選手としての「大東は舐めてる」と言う発言には素直にうなずけるものがある。だが、出場を見送ったはずの選手と、K−1での実績ゼロの元ボクサーのカードには、辛口にならざるを得ない。
▼HERO'Sルール 5分3R
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)
VS
大山峻護(日本/フリー)
こういう体重差のある試合ばかり組まれる大山だが、なんとなく「裏」美濃輪という感じがするなあ。でっかい選手に足関節で勝つ……というパフォーマンスの狙いは同じなんじゃないか。ただ、陰にこもった悲壮感の漂う大山には、美濃輪のスター性がないため、雑魚をあてがってはもらえず逆に自らが噛ませ犬にされる……。悲しいな。しかし、ミルコ、グレコに続きアーツのパンチで昇天できるという経験は、バンナぐらいしかしたことないぞ。頑張って下さい(何を)。
▼HERO'Sルール 5分3R
中尾芳広(日本/フリー)
VS
ヒース・ヒーリング(USA/ゴールデングローリージム)
おお、なんか普通すぎるカードだが、だからこそPRIDEと比べちゃうね。しょぼいね(笑)。とはいえ、総合無敗の中尾と、今でも普通に強豪であるヒーリングの試合だから、内容には期待できるかもしれない。もし中尾が勝てば、今まで未知数だった実力がついに証明されることにもなるな。対して、ヒーリングが横井戦のごとく激勝すれば、早くもHEROSヘビー級の熱は消えかねないが……。
▼HERO'S特別ルール 10分2R
ホイス・グレイシー(ブラジル/ホイス・グレイシー柔術アカデミー)
VS
所英男(日本/リバーサルジム)
ホイスの今現在の体重は、80キロ前後というところらしい。まあ12キロ差ぐらいか? ヘビーじゃないんだから、こんな体重差で組んだら駄目だろ。お互い、別の相手を見据えて調整してきたわけだが、このカード変更がどう影響するか? 所が動き回って盛り上げ、判定(あるのか?)をかっさらって、「所、ライアー!」とかなんとか言ってHEROSにホイス参戦とか、そういうベタな流れを期待。
▼HERO'Sルール・75キロ契約 5分2R延長1R
永田克彦(日本/新日本プロレス)
VS
レミギウス・モリカビュチス(リトアニア/リングスリトアニア)
これはちょっと異種格闘技戦のノリになってきたなあ。永田選手の根性がレミ−ガのラッシュにひたすら試される展開になりそう。これも所の時からだけど体重差あるな。レミーガも寝技がざるなのを露呈しただけに、大きい相手にどこまでやれるんだろうか。
▼HERO'Sルール 5分3R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
アラン・カラエフ(ロシア/リングスロシア)
K−1ルールが見たいと言い続けて来たが、結局、K−1ヘビー級と言うのはフジテレビのコンテンツなわけだな。他局じゃ二試合もやるのが限界なわけですよ。だから、しょぼいのが目に見えた総合の試合を幾つも組むことになる。これが仮にPRIDEがTBSでやることになったら、総合ルールは三試合ぐらいで、詳細も不明の立ち技やら寝技やらの試合を延々とやり続けることになるんでしょうね。
しかしよりによってカラエフねえ……。グッドリッジかサップのどっちかに勝ってたら、多少は期待感があったんだが。ここはバンナVSグレコのオープンフィンガー対決が見たかったなあ。
あと一試合ありそうですが、オープニングファイトも含めてどうなるかな?
2005/12/31 「Dynamite!!」 所VS永田克彦決定。魔裟斗欠場
正直ボブ・サップ戦が決定してしまうのではないかとハラハラしていたが、無事に所の相手は永田克彦に決定した。新興イベントHEROSのエース候補と、来年以降参戦する期待のニューカマーの対決。体重差はあるが、キャリアを考えたら大きな差には結びつかないであろうとも考えられ、不気味なまでに釣り合ったカードである。
とりあえず、変なカードにならなくて、ほっとした。
近頃、発表されるK−1のカードを見て「大晦日らしくない」「Dynamite!!らしくない」とする意見をよく目にするが、かつて国立競技場で開催された 「Dynamite!!」 のカードは、当時のファンが訴求する最高のカードを提供しようというコンセプトのもとに組まれたはずで、今年の 「Dynamite!!」 は駒が少ないなりにそれを実現しようという気持ちが見て取れる。原点に帰りつつあると言っていい。
それゆえに、正統派カード群には、「曙VSボビー」を上回る熱気を生み出すことを期待したい。「曙VSサップ」に始まった視聴率優先のモンスター路線は、昨年は魔裟斗VSKIDのムードに飲まれた。ブタやタレントは格闘技に必要ない、ということを、今年はさらにはっきりと見せつけて欲しいものだ。
期待された魔裟斗とサワーの一戦は、魔裟斗の欠場によって流れることに。この試合は、2月の日本代表戦で組まれるかな?
曙VSボビー決定!
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/headlines/20051108-00000023-spnavi-spo.html
……………………………。
まあ、あえてプラス思考で捉えるならば、ボビーVS○○、曙VS○○の2カードが組まれるよりは、これ一個で片付いていいなあ……。
これでボビーが勝ったら、相撲はもとよりプロレスの威信まで地に落ちますねえ。ただ、お茶の間の人は当然ボビー勝利を期待するでしょう。対してコアな格闘技ファンは、経験が長く技術の高い方を応援したがるもんですけど、曙ではねえ……。
せめて第0試合でお願いしたいなあ……。
地滑り、バブル崩壊。2大メジャーの地盤沈下は、とどまるところを知らないかのように思える。
http://gbring.com/sokuho/news/2006_07/0720_heros.htm
Xは金泰泳……これで驚く人間がいるのだろうか。立ち技の選手であったのはもちろんのこと、もう数年に渡って現役を退いた選手。BJペンと比べるまでもなく、まともな総合の選手とは言いがたい。
これで一回戦は、完全に桜庭、秋山の顔見せマッチとなることが決定した。
だが、それ以上に、HEROSには大きな危機が迫っている。
本来、このブログではプロモート側から公式発表されたニュースのみ取り上げてきたが、今回はあえてそれを曲げてみたい。
山本KIDがレスリングに転向……。先の格闘技通信でも取り上げられた内容だが、KID自身がブログでもレスリングへの専念を発言した。現時点では、その記事は削除されている。KIDの勇み足か、あるいは故意に行ったことか。
現役チャンピオンの離脱……このダメージは計りしれない。人気はもちろんのこと、実力的にも今がピークにあることは間違いない。その王者が、あっけなく離れてしまうのだ。様々な要因が絡み合ってのことだろうが、大まかに言ってこれだけの要因があるのではないか。
まずは現在の格闘技に対するネガティブなイメージだ。暴力団云々という直接的なことよりも、むしろPRIDEの「地上波放送打ち切り」による「下火」な印象。K-1にも一時の視聴率を取る勢いはない。これはPRIDEだけではなく、格闘技というジャンルの全体的な問題である。今後、ますますこの空気は加速していくと思われる。
本来、対抗するパイであるHEROSはここで踏んばって、業界の盟主となればいいのだが、そのための戦略としてあるのは何か……?
そこで最大の問題である、イベントの少数選手への依存が浮上してくる。MAXを例に取ればわかりやすいだろう。エース魔裟斗の道程を思えばいい。開催1年目、思わぬ挫折を喫するも、2年目で見事に優勝を飾った。だが、その後4年、MAXは未だに魔裟斗のイベントと呼ばれ続け、その間魔裟斗は、王座陥落、怪我による棄権、そしてついに今年は若き王者に完敗を喫した。実力によるもの……そう言ってしまうのは簡単だ。だが、毎年毎年カリスマとして過酷なトーナメントに投入され、磨耗していく姿に危機感を覚えていた人間は多いのではないか。サワー戦は僅差の敗北だった。ワンマッチならわからないし、まだ来年もある……だが、来年以降にもっと無惨な結果が待っていないと誰が言えるだろう。魔裟斗は敗者として引退するか、それとも勝ち目の薄い闘いに疲れ果てた身体を引きずって挑み続けるかの岐路に立たされている。
KIDは、HEROSの初代王者として、新たなカリスマとして、その魔裟斗の姿に自分を重ねたのではあるまいか。希望していた防衛戦形式は取られず、8月、10月、そして大晦日の3連戦。今年勝てても負けても、来年以降も同じ事が繰り返され、全てに出場する事を、勝つ事を求められる。魔裟斗のたどった道を歩くことの危険さに、彼が「引き合わない」ものをおぼえたとしても不思議ではない。
PRIDEライト級の王者となった五味も、モチベーションの上がらぬまま年一発目のワンマッチに駆り出され、無惨な敗北を喫した。KIDはHEROS最初の興行は回避したが、内心意欲のわかないものを感じていたのではないか。連戦による疲労で本来の力が発揮出来ないことを、恐れたのではないか。
このまま続ければ「使い潰される」。ならば身体的にピークな内に「転職」しておこうと考えた。傾いた他イベントへの移籍などではなく、リスクもあるが成功すれば莫大な利益と名声を生む「オリンピック」の世界へと……。
復帰と欠場を繰り返す須藤元気、今年二度のKO負けを喫しまさに使い潰されようとしている所のことを考えても、HEROSの先行きに暗雲が立ちこめているのは否定できない。
話は戻って、再び格闘技界のネガティブなイメージが浮上してくる。KIDのレスリング転向は、総合格闘技というスポーツ自体の敗北だ。総合の王者であり続けることよりも重要な概念が存在する、という証明である。日本の格闘技界が、柔道、レスリング、ボクシング、メジャースポーツの再就職先となってきた事実は、それを裏付ける結果にしかならなかった。
今、総合格闘技で王者になり、「上位概念」であるレスリングに転向しようとするKIDを、「ジャンルへの愛がない」と非難する者がいるかもしれない。だが、その総合格闘技をプロデュースするイベント側に、そんなジャンルへの愛や誇りがあったか。名ばかりの他競技選手を参戦させ、俳優やタレントのお遊びで汚し続けるばかりではないか。
残念ながら、KID自身の意志を尊重するという以上の問題として、私は彼の行動を支持せざるを得ない。桜庭移籍はどっちでもよいことだった。魔裟斗が引退するとして、それも仕方のないことだろう。だが、この問題は違う。これは日本における格闘技というジャンル自体が、深刻な危機を迎えていることを意味する。
もはや、誰にも止められない。
2006/8/5 HEROS ライトヘビー級、ミドル級トーナメント出場者発表
トーナメント参戦を渋っていたらしい桜庭も、参戦決定。
http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html
適正体重で桜庭が、キャリアの劣る面々に対して、どのような闘いをするか、要注目。
大会概要の発表という感じで、ミドル級もこういう面子になるのはわかってたわけだから、特別な驚きはない。カード発表が待たれるところである。大山はてっきり落選、日本人はそれでも永田さんとか四人ぐらいは入れてくるかと思ってたので、そこらへんが引っかかったぐらいか。あとはニュートンって、ブランク長いんじゃなかったか? 桜庭VSグレイシーのレトロ感溢れる対決か、あるいは大晦日流れたのを受けて秋山VSグレイシーと言うのはありかなあ。
ミドル級は元気の出場が微妙、去年は負傷を押して神懸かり的な一本勝ちを炸裂させたが、さすがに今年はそうもいかないだろうし、ここは休んで大晦日復帰を目指してはいかがかな。出場→怪我→出場→怪我というサイクルが近年続いているのは、やはりどこか無理している面があるのではないか。
そうなると日本人がKIDと宇野しか残らないが、レベル的にもまったく妥当かな。今、KID対五味以上に一番見たいカードは高谷VSマッハなんだが、これは無理かなあ(無理に決まってるって!)。
カード発表はMAXの後だそうですよ。更なるサプライズはあるのか?
桜庭HERO'S移籍
http://gbring.com/sokuho/news/2006_05/0504_heros_02.htm
正式決定おめ〜。え? おめでたくないですか? まあ正直、まだなんとも言えませんねえ。しかし別にファンでもない私が、今日は仕事が手につかんぐらいでしたから、ファンの人はショックだろうなあ。
今日の記事は、無差別級GPの予想をやる予定だったのですが、もうどうでも良くなりましたよ。明日、大阪ドームに来るファンは、素直に盛り上がれるんだろうか? 私はぜんぜんそんな気分じゃないです。もともと盛り上がれるカードじゃなかったので、別にいいんですけど。と言うか、明日盛り上がってる人は単なるミーハーで、コアなファンは半ばお通夜じゃないでしょうか。怖い怖い。
桜庭の苦悩と自由意志を強調する谷川P。そして、その谷川PのもとでKとPの友好を築きたいと言う桜庭。今回の会見で、DSEは完全に先手を打たれた。
今までのDSEなら、かつてヒョードルが契約問題でもめた時のように、「まだ若者」「人格が未熟」「金に目がくらんだ」と切り捨てるか、あるいはグッドリッジやヒーリングが契約切れした時のように「もうトップから外れた」「最強を決めるリングにはついていけない」と、実力不足を強調するかしたところだ。
だが、谷川、桜庭ともに榊原社長にもすでに話は通っていると、この会見で言ってしまった。ここで桜庭を上記のような内容で非難しては、完全に悪役に回ってしまう。猪木さんならどうせわけのわからないことしか言わないし、「去る者は追わず!」で片付ければいいが、今回はそうもいかない。
だいたい、上記のヒョードルやヒーリングの件は、国内メディアとつながりを持たない外国人選手だから言えた事で、国内でいくらでもマスコミの飛びつく桜庭に爆弾発言を許さないためには、もはや「気持ち良く送り出します」と言って事態の収拾を図るしかないのではないか。
しかしこんな日が来るとは、夢にも思わなかったなあ。
2006/5/3 HERO'S 試合感想
2006/5/3 HERO'S 試合感想
悪夢、波乱、衝撃。
野心、欲望、夢。
幾多の思いの絡み合ったリングにその日刻まれたものは。
<第8試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
秋山成勲(フリー)
永田克彦(TEAM Kings・新日本プロレス)
秋山と友達らしいみのもんたが放送席。応援解説もここに極まれりで、永田は負けるために出てきたようなムードが早くも漂う。打撃なら一日の長がある秋山、ということで、大晦日は体重差でレミギウスを封じ込めた永田が、圧力に押されて何も出来ない。やはりこれは低視聴率だったことへの制裁マッチだったのだろうか?
フィニッシュはバックスピンで、サンドバッグ永田さんは陥落。メダリストやらなんやらと年末はあれだけ持ち上げてもらっていた男が、かくも早き落日を迎えるのか。作られたヒーローは、プロテクトがないといかに脆いか。これもまたリアリズムであるなあ。秋山の「左肩に日の丸」とか言って右肩の韓国国旗を綺麗にスルーしたアナウンサーや、喜色満面のみのもんた、今日勝ったもう一人の作られたヒーローの落日は、いつの日か。レスリング最高は嫌みにしか聞こえないぞ。誰かこいつに鉄槌を下せ!
とはいえ、今日の試合は今までの秋山の試合で一番面白かったのは確かですが……。
<第6試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
所 英男(日本/リバーサルジム)
ブラックマンバ(インド/フリー)
今日最大のサプライズは、本当に突然やってきた。
え〜、 大晦日の観戦記 で書いた、SRS席に一人で来ていた、女性の話。所ファンであるらしかった彼女、そのマイペースな観戦ぶりで、オレに強い印象を残していた。
その所さんの試合が始まる直前、カメラはリングサイドに座っていたみのもんたを映し出す。が、なぜかその後ろに、見覚えのある顔が……。
ああ〜!? 大晦日のあの彼女が、またSRS席、しかも最前列、みのもんたの後ろに陣取っているう〜っ!
うそ〜、信じられん、なんかネタみたいですがホントの話。録画しながら見てたのに、思わず巻き戻して確かめそうになったよ。今日もまた所選手の応援ですか?
その驚きも冷めやらぬまま、試合開始。フェイントからタックルに行った所に、マンバの膝が直撃〜! 昔はタックルに膝を合わせるってのは大変な技術みたいに言われてましたが、今や当然のようにつかいこなされ、なおかつ効果的な技術になってきたなあ。
作られたヒーローに続き、去年誕生した本物のヒーローまでが陥落。これが、これがリアリズムですな。さて、先の試合ではみのもんたのはしゃぎようを見せられて辟易したのだが、今回、試合前は所を応援している様子だったみのは、試合が終わった直後、残念そうでも驚いているようでも悲しんでいるようでもなく、白けたような表情を浮かべていた。その表情から感じられたのは、「あ〜あ、俺が応援してやったのにぶざまに負けて……白けるなあ」とでも言いたそうな、冷めた感情だった。前から嫌いだったが、ますます嫌いになったな。こいつは格闘技のスポーツ性も、選手がそれに賭ける思いも何もわかっておらず、単に殴り合いの見せ物としてしか捉えておらず、選手も闘鶏の鶏と同じぐらいにしか考えていないのだろう。おまえは秋山が負けてもそんな顔をしたの? 後ろの所ファンの彼女、オレの代わりに一発殴っちゃって下さいよ。昨年、みのもんたを擁する紅白に視聴率で敗れたのに対し、そのみのを取り込んで今年の逆転を計るTBSとFEGのなりふりかまわぬ手法には頭が下がるが、格闘技ファンはそんなものを決して認めない、ということを一言もの申しておこう。
そして、所ファンの彼女、惨敗はショックでしょうが、勝負です。結果は仕方ありません。力を出し切れず負けた所選手が一番つらいはずです。こうして負けた時、傷付いた時に支えてあげられるのが、本当のファンだと思います。これからも、あきらめずに所選手をずっと応援してあげて下さい。
<第7試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
須藤が極めきれなかった男、ローセン登場、ということだが、ここでまたも宇野がその安定度を見せつける。上を取って常に動き続けてブレイクを許さず、1ラウンドは確実にローセンのスタミナを奪う。2ラウンドも同じ展開かと思ったが、ローセンの疲れは明らか、対する宇野はまだまだ余力充分。着実にバックを取ってスリーパーで決着。
うーん、やはり宇野強いね。が、ローセンは今回クロスガードまで進歩して、とても二戦目とは思えない。今後も頑張って下さい。一方で曙みたいなのもいるわけで……なんか絶望的なまで違いを感じるね。
桜庭和志、HERO'Sのリングに登場!
いや〜これ一個で記事にしてもいいぐらいの大事件でしょう。裏切りのタイガーマスク。復讐のリングス。あのテーマ曲がさいたまに鳴り響く事は、もう二度とないのか。高田道場離脱の真相。
マスクでお茶を濁してましたが、これは「桜庭節」で済む問題ではないだろう。先日、道場離脱もPRIDE継続参戦を明言したDSEもそうだし、FEGも桜庭の8月参戦は決定的なことなのかコメントしてほしい。なにより、桜庭自身が真意と今後をはっきり言うべき。
個人的には、これは選手の自由に帰結する問題で、桜庭がHERO'Sに移籍すると選択したなら、それは仕方のないことだろうと思う。
今日のサプライズ二つ目でした……。
<第1試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
アントニオ・シウバ(ブラジル/FIGHT CO.)
トム・エリクソン(アメリカ/フリー)
うわあ、ほんとにゴリラだよ。足の大きさもぜひネタにしてほしかったところだが……。
エリクソンがテイクダウンされて何も出来ずに殴られ続ける! また拳もでかいよ。これはサップもシルム勢(そういや今回出なかったね……)も確実に殺されるね。
<第2試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
曙(日本/チームヨコヅナ)
ドン・フライ(米国/フリー)
やっぱり曙はK−1ルール向きだよね。なぜならブレイクが早いから……。ドン・フライよ、脇の下をくぐって逃げんかい! 肉を押し付けて休む曙に殺意。「組まずに打ち合うべきですね」と、血の気の多いファンなら怒鳴ってるところを、やんわりと真っ当に指摘したゲスト解説の須藤元気選手は、やはり大人だった。すべては一つです、ありがとうございました!
足払いですっころんだ曙は、フライのフロントチョークであえなくタップ。一回、ここで立ち上がろうとするのをちょっと待って転ばす、以下繰り返す、という戦法を誰かに取ってみてほしいなあ。オレの仮説では、曙は一旦倒れたら、ブレイクがかかるまで二度と起き上がれないと思うんだけど。
<第4試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
上山龍紀(日本/TEAM Kings)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)
オファーが昨日だったので、全然練習できなかった。次からは三ヶ月前に言ってよね……というヤヒーラのコメント。まったく、真っ当な選手を腐らすなっての。ダイジェストだが、なんとなく寝技がすごそうなのはわかった。次に期待します。
<第5試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
門馬秀貴(日本/和術慧舟會A−3)
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)
『痩せる男』っていうスティーブン・キングの小説を思い出しましたな。激やせ男が、プチヒョードルのようなパウンドでめった打ち! おいおい、HEROSにしちゃ止めるのが遅いね。減量が無駄になったのが、なんか切ないね。
<第9試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
山本“KID”徳郁(KILLER BEE)
宮田和幸(フリー)
この試合の煽りもかなり時間取ったけど、それでも9試合中の8試合は放送か。今回はなかなか派手な大会になって良かったなあ……と思ってたが、最後の最後で巨大な打ち上げ花火が!
開始早々、KIDの二段飛び膝蹴りで宮田失神〜! 試合時間4秒〜! KID恐るべし。マジに神がかってきた。いやほんと、はやくペケーニョ、メレンデス、シャオリン、ヤヒーラをぶつけようよ。勝っても負けてもすごいことになるって。
ふ〜、しかし今日のHEROSはなんか切なかったね……。去年は単にHERO誕生と浮かれ騒いでいれば良かったが、今日はかつてヒーローと呼ばれた選手たちが、その栄光を打ち砕かれ散って行く様を見せつけられた。生き残るのは、やはり圧倒的な「力」なのか。
桜庭のことも含めて、今まで何となくついでに見ていた感じのHERO'Sが、色々な意味で要注目なイベントに浮上した、特別な一日でした。
2006/5/3 HERO'S 最終決定カード
またまた土壇場でカード変更! 怪我人多いなあ。
直前すぎて頭もまとまらないし、今回は予想は割愛。簡単な感想だけ下記に。
<第9試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
山本“KID”徳郁(KILLER BEE)
宮田和幸(フリー)
<第8試合 HERO’Sルール 5分2R 延長1R>
秋山成勲(フリー)
永田克彦(TEAM Kings・新日本プロレス)
<第7試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
<第6試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
所 英男(日本/リバーサルジム)
ブラックマンバ(インド/フリー)
<第5試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
門馬秀貴(日本/和術慧舟會A−3)
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)
<第4試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
上山龍紀(日本/TEAM Kings)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術)
<第3試合 ミドル級世界最強王者決定トーナメント HERO’Sルール/5分2R延長1R>
中原太陽(日本/和術慧舟會GODS)
アイヴァン・メンジバー(カナダ/トリスタージム)
<第2試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
曙(日本/チームヨコヅナ)
ドン・フライ(米国/フリー)
<第1試合 スーパーファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
アントニオ・シウバ(ブラジル/FIGHT CO.)
トム・エリクソン(アメリカ/フリー)
<オープニングファイト HERO’Sルール/5分2R 延長1R>
WAKASHOYO(日本/Team Paon)
浜中和宏(日本/フリー)
期待していたメレンデスが欠場で、代わりは……ハニ・ヤヒーラ! 見たかった選手であることは間違いないし、体格や寝技のスキルなど考えたらメレンデス以上かもしれない。代役としてはすごい……が……だったら最初から出せよ!
ペケーニョ
メレンデス
ヤヒーラ
……三人とも出ていれば、誰も文句のつけようのないトーナメントになっていたのは間違いないのだが……。
去年は大した駒も揃わないうちから、日本人ばかり並べているイメージが強かった。今年は駒が揃ってきているのに全然生かしきれず、結果としてクオリティは昨年並みという感じ。
ヘビー級もアントニオ・シウバという、初めて本当に期待感の持てる強豪が登場したのは素直に喜ばしいが、腐らせないでほしい。実力を引き出すようなマッチメイクは難しいにしろ、サップか曙でも血祭りにさせ、スターダムにのしあげてほしいものである。
しかし、なんかHERO'Sの話をしだすと、試合よりもイベント論になっちゃうんですね〜。強さを競うというよりも、勝った選手を売り出すシステムにしかなってないからかね。
2006/5/3 HEROS 一部カード決定。ゴタゴタについてゴタゴタ考える。
いやはや、PRIDEも遅いが、こっちも随分遅かったねえ。
しかし、
http://www.so-net.ne.jp/hero-s/01herosnews/20060418/20060418.html
はっはっは、これはひどい。ノゲイラ弟とは笑わせてくれる。ホジェリオならまだしも……(笑)。身長が179センチもあるよ〜とか、どうでもいいことばかり気になってしまうな。外国人強豪のペケーニョとシャオリンが欠場で、一気にレベルが低下した感じ……ま、そうでもないか、メレンデズが出るなら……。ペケーニョの防衛戦の相手は誰になってしまうのだろう。修斗ファンの方は御愁傷様です。
修斗ランカーがかなりの人数になってきたのは、やはり当然の流れなんであろう。単純に実力者が集まっているということもあるし、海外からも選手を呼ぶコネクションが確立されていて、呼びやすいというのもあるだろうし……。横取りするのにはもってこいというか。
プロモーション同士仲良くして、お互いの利益になるようにやれたらいいんだろうが、そういう「友好関係」が仮に出来たとしても、別のきな臭い部分が出てくるだけのような気がするんだがね。結局は一人の選手の身は一つしかないし、ほんとにワン&オンリーな存在であるスターは、プロモーションの都合で振り回されることを嫌うだろう。彼は今月はこっちに出てもらうんで、次の興行ではそっちで防衛戦やってもらいます……なんていう「談合」が自分の知らないところで進んで、示し合わせたようなオファーが来たら、いい気持ちはすまい。
自興行できっちりとしたタイトル挑戦への流れやベルトの権威を作ってきた興行主が、選手に「ギャラいいしテレビにも映るし」という理由でそっぽを向かれてはたまったものではないだろうが、実質王者が生活できないのではどうしようもない。だからといって、メジャーに選手を「売って」それを補うようではおしまいだ。
興行主には興行主の、選手には選手の都合や価値観があるわけで、それらが全て立つということはありえない。が、そんなことはいい試合を見ることだけが楽しみな格闘技ファンには、本来どうでもいい、関係ないことでもある。
理想論だが、こういうゴタゴタをなくすためには、結局は透明性を上げていくしかないのではないか。各興行のファイトマネー、契約の現状、そういったものがあまりに見えなさ過ぎる。選手という「個人事業主」がイベントを選ぶのが本来の姿なのだから、HEROSを選ぼうが修斗を選ぼうが武士道を選ぼうが、それは選手の自由である。先に修斗の青木選手が、「金積まれたけど、自分は修斗一本で行きます」という内容のことを言って、ファンに喝采を浴びた。私も、この発言はかっこいいと思った。ただ、それは「修斗」というプロモーションを選んだからかっこいいと思ったのではない。公衆の面前で、「これが自分の生き方である」ということを自分で堂々と示したことが、かっこいいと思ったのである。まったく逆で、魔裟斗が「2000人ぐらいしか見てくれないところで、ちまちまやりたくありませんね」と言った。内容は逆だが、自分のポリシーを言葉にしたということでは、実はまったく同じだ。
プロモーションが条件を提示し、選手がそれを選ぶ。本来、契約関係というのはシンプルなもののはずなのだ。この場合の条件とは、単に金銭のみでなく、イベントの価値観やルールのことも含まれる。選手は自分のポリシーに従って魅力のあるところへ行く。
そう思う選手は、もっとはっきり言ってしまっていいと思う。「ギャラがいいからHEROSに出る」、と。マスコミは推定ファイトマネーや契約更改の状況などをバンバン書き立ててしまえばいい。HEROSにせよ武士道にせよ、「うちはギャラもいいし、強い選手が集まって、いい試合を提供できる」と堂々と言い切ってしまえばいい。あとは、選手の自主性の問題なのだ。
結局、ギャラで負けてるぐらいで選手を取られるようなイベントには、先がない。金銭以上の価値観を提示できていないということだ。同じくメジャー興行も「ギャラいいんで来ました」とばかり言われていては、あまりに寂しい。やはり金銭以上のポリシーがなければ、いつか廃れ、飽きられた時に自壊の道を歩むだろう。
修斗には青木のような王者がいて、魔裟斗は「K−1愛」を自ら標榜している。願わくば、そういった選手が増えていってほしいものである。だが、同時に生活のかかった選手の選択も尊重すべきだ。
現状は、あまりにも選手の「意志」が見えてこない。インタビューに答える選手からも、五味のような一部を除いて、目先の試合の話題のような、当たり障りのない内容がもれるばかりだ。イベント自体に語るべき内容がないせいと、金で選手を抱え込む体質、そしてそれらを選んだ選手のポリシーのなさ、それらに触れないマスコミの及び腰の姿勢……すべてが原因だろう。
いやあ、長々と書きましたね。自分でも、段々何が言いたいのかわかんなくなってきましたよ。難解な文章になってませんかね。
長文読みたくない人のために、簡単にまとめます。
「だからペケーニョは、結局HEROSと修斗のどっちにほんとは出たいんだ!? はっきり言え! そしてその理由を述べよ! ギャラとかが理由でも別にいいから! マスコミはそういうことをはっきり聞いて、記事にしろ! 興行は選手を契約で抱え込むんじゃなくて、自主的に選んでもらえる企業努力をするように!」
よろしく。
話は戻りますが、これでもヘビー他の試合はまだ全然決まっていないし、宇野の相手も未定か……。実は宇野の相手以外決まっていて、二回にわけて発表するつもりかもしれないが……。ローセンはどうしたんだろう。
ブラック・マンバは微妙に実力の読めないところがあり、所危うし、と煽るのもまあありかな。
まだまだ期待の持てるカードはないですねえ。今回も顔見せ程度で、次回以降に期待ということになるのかな。
2006/5/3 HEROS ミドル級トーナメント開幕戦決定!
ついにライトヘビー級のトーナメントが開幕する。一回戦から秋山VS永田とはなかなか頑張ってる……じゃねえよ!
予定されていたライトヘビーはあっさりと流れ、昨年と同じくミドル級のトーナメントが開催されることになった。さすがHEROS、このグダグダ感、場当たり感はマネできない。救いは、シードになるKID、須藤の二人がそれなりの実績を去年残してくれていることか。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20060410-00000036-spnavi-spo.html
ただ、ミドル級はトーナメント開幕と銘打ってはいるが、今大会でベスト8を選出する査定試合を行う予定だったはず。それが一回戦と名前が変わっただけで、実質的に内容は同じと見ていいだろう。そうなると、やはりライトヘビーがぽしゃったのは痛い。おまけに曙も出るし……。相手はシルム三兄弟の誰かか?
KIDも今年初戦は宮田ということで、先の試合を見る限り、苦戦もあるのではないか。宮田もルールへの適応に苦しんできたが、打撃で沈められたことはないだけに、逆に恐怖心なく挑んでくるかもしれない。
海外勢も、楽しみなメンツが揃ったし、昨年の所VSペケーニョのような好試合があることに期待である。
『HEROS』2006年ミドル/ライトヘビー級トーナメント開催決定!
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/column/200603/at00008505.html
ようやく決まった、という感じ。これできっちり上を目指す道筋ができて、今後の試合ももう少し楽しめるようになるといいなあ。
それにしても階級の呼び名がPRIDEとまったく違ってて、頭が混乱しそうである。PRIDEはミドル級がまずおかしいし、HEROSも85でライトヘビーって……? 協力しろとは言わないけど、せめてここらへんは国際標準みたいなものができていかないとねえ。
あまりトーナメントばかり乱発するのもどうかと思う面もあるのだが、それでも重みのないワンマッチを組むよりはいいだろう。KIDという王者を軸にタイトルマッチ路線、というのも考えられたが、他の選手を挑戦者として誰もが納得するポジションに仕立て上げるのは何興行も費やさねばならないし、それはまだ認知度の低い新興イベントにはきついだろう。てっとりばやく盛り上げるには、やはりトーナメントだなあ。
選手層の厚いミドル級で、8人のトーナメントというのは物足りない気もするが、去年もキックボクサーやらを無理矢理つめこんだことを考えれば、これぐらいがちょうどいいような気もする。シャオリンなど海外の強豪が噂通り入ってくれば質も向上する。準決勝、決勝を一日でやるようだが、一回戦でKID、須藤、宇野、所の二人ぐらいが消えれば個人的には盛り上がりそうだ。
軸も何もないライトヘビーも、やっぱりトーナメント。じっくり育ててもらってきた秋山にも、ついに正念場が巡って来た。BJペンが出てくれれば、これもクオリティは保証されるし、言い方は悪いが、海のものとも山のものともつかぬメンバー8人でいきなりやったら、予想も何もつかないで緊迫感が生まれそうだ。
まあそう期待しているわけでもないが、普通に試合を楽しめるイベントになってくれたらいいなあ。
不満は、決勝を大晦日にやらないことかな。これはHEROS自体の問題ではなく、大晦日の試合が顔見せ興行になって空洞化するのがイヤなので。代わりにヘビー級のトーナメントって……ぜんぜん代わりにならないって! ヘビーはバンナもまだまだだし、ヒーリングも絶不調。サップやら曙を放り込んでもまともな試合はできないだろう。噂通りジャクソンとアレキサンダーでも来れば話は別だが……。
カード発表はMAXの後でしょうね。とりあえずは静観ということで……。
2006/3/15 HEROS開幕戦 試合感想
今日は夜まで仕事で、帰宅後のビデオ観戦となりました。
むむ……こないだの停電で時計が狂っていたか、再生したらいきなり宮田が勝っているぞ……? 一本勝ちとは、らしくないなあ(笑)。
予想と同じ順番で、ざっと。
▼HERO'Sルール 88kg契約 5分2R延長1R
秋山成勲(日本/フリー)
VS
石澤常光(日本/TEAM JAPAN)
石澤は執拗にタックルを狙うが、秋山がことごとく切り、組み止める。やはりイブラヒム対策といえば当然タックル中心だろうから、今回の相手変更は秋山にとってはやりやすくなっただけだったのか。タックルを切ってパンチの連打を浴びせる展開が続き、石澤は早くも攻め手なしの印象。打撃では決めきれなかった秋山だが、大外刈りから袖車で決着。
もろに準備不足と実力差が出た感じで、秋山圧勝。
▼HERO'Sルール 72kg契約 5分2R延長1R
須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)
また後で記事にするが、オーレ・ローセンは四月のMAX開幕戦でドラゴ戦が決定した。総合とはいえ、ここでミソをつけていたらイヤな感じだったのだが……。
カンフー着で試合をする須藤。柔道着着てる人もいれば、女子もTシャツを着てたりするわけだ。そういう意味では別にかまわないし、ショーアップも良かろう。トリッキーな動きは出だしだけで、今回の須藤は露骨に一本狙い。だが、二度の足関節をローセンが俊敏に外し、下になってもクロスガードが固く攻めさせない。さらに驚異的な腰の強さで立ち上がり、スタンドを狙う。須藤も勝負に徹して密着し、距離を空けようとしない。ローセンはゼロ距離から膝を飛ばして攻めるが、これもかなり切れている。
上着を脱いでの2ラウンド中盤まで、須藤が攻め続けたが、ローセンは決定的な場面もことごとく凌ぐ。逆にフットスタンプからのパウンドが直撃し、須藤失速! いや〜これはハラハラしたよ。須藤もKID戦の悪夢が蘇ったんではないか。この攻めが効いたか延長。
さすがのローセンも疲れたか、あとは須藤の寝技を凌ぎ続けるだけの展開に。ポジションは幾度も完璧な状態を取り続けた須藤だったが、極められず。序盤で膝を痛めたらしいが、程度の差こそあれ、負傷した状態で宮田と高谷は仕留めたことを考えると、言い訳にはならないだろう。余裕こいてカンフーで来て、結果は判定。しょっぱいが、練習してなかったわけでも試合自体手を抜いたわけでもないだろうし、まあ仕方ないだろう。怪我を治してまた頑張れば良い。そう言えば前田はえらくほめてたが、今回もフィッシングでいけば、一本取れてたんじゃないか。
しかしローセンすごい。タックルがもう少し切れれば、あとはショートのパンチだけでかなりやれるんじゃないか。HEROS向きかも。で、今回の実績?をもってMAX殴り込みだ。須藤にガンガン膝を飛ばすシーンで煽りのいいネタもできた。選手を消費気味だった素人の総合起用に、珍しく芽が出たケース。狙ってた、予想できていたならすごいが、たぶん偶然(笑)。
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
VS
リッチ・クレメンテ(USA/チーム・ブードゥー)
テレビでは全然わからなかったが、計量オーバーのクレメンテは最初から一点減点だったそうだ。試合は須藤が巧者ぶりを見せつけ、危なげない攻めを展開。クレメンテも打撃を当てバックを取り、前評判通りの実力を見せるが、宇野には一歩及ばずか。しかし2ラウンドの内容で宇野が押していたのは明らかで、判定にもまったく文句はないのだが、終了時におたがいダメージなしスタミナも充分だったのがちょっとひっかかった。3ラウンド制のK−1と同じで、もう少し続きが、完全決着が見たかった。3ラウンドあればなあ。
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
所 英男(リバーサル)
VS
池田祥規(極真会館)
速攻で三角絞めを炸裂させ、所が秒殺勝利〜! いやいや、露骨にスキルの違いが出たなあ。波状攻撃を持ち味とする所さんなんだから、それをことごとく潰すか外せる相手じゃないと、「攻防」は見れない。しかし珍しくタップせずに「落ちる」とこまでいったわけだが、失禁とかしてないのか、ちょっと気になってしまったよ。大丈夫なものなんですかね?
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
ジェロム・レ・バンナ(Le Banner X tream Team)
VS
ジミー・アンブリッツ(USA/トッド・メディーナ・フリースタイルファイトチーム)
気になってた術後の経過とか、まったくわからんまま試合開始。しかしアナウンサーがチラと触れたバンナのコメント、「左で決める」からして、相当左に自信を持っている……つまり治っている……と見ていいのかな?
アンブリッツはどういう選手かと思ったが、上を取ったはいいが攻め手を欠き強打で沈められる、秋山、カラエフでもお馴染みのお決まりパターンに。ブレイクでスタンドに戻るHEROSルールの恩恵を一番受けているのは、バンナかも。
その他、マヌーフは大山を流血に追い込んでTKO。よくあんだけ打撃を出せるな。次はぜひ秋山対マヌーフでお願いします。見られなくて残念ですが、宮田も強くなってたようで良かった良かった。これは「育てた」と言っていいんではないかな。ヒーリングはグッドリッジに辛勝だそうで……悪い流れは断ち切れてないのかもしれませんが、気を取り直して頑張って下さい。
マヌーフ、ローセンという新星が出て来たのはめでたいなあ。ヘビーが相変わらずだけど。視聴率はいまいちだったようですが、逆に会場は埋まってたようだし、KID中心にシビアなマッチメイクをしていけば、またいい流れが作れるでしょう。今年もそつなく大晦日につなげられたらおなぐさみ。
2006/3/15 HERO'S 7カード決定。秋山VSイブラヒム。
残り一ヶ月というところで、HERO'Sのカードが発表された。
▼HERO'Sルール 95kg契約 5分2R延長1R
秋山成勲(フリー)
VS
カラム・イブラヒム(フリー/アテネ五輪レスリング金メダリスト)
▼HERO'Sルール 72kg契約 5分2R延長1R
須藤元気(ビバリーヒルズ柔術クラブ)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク)
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宇野薫(和術慧舟會東京本部)
VS
リッチ・クレメンティ(チーム・ブードゥー)
▼HERO'Sルール 70kg契約 5分2R延長1R
宮田和幸(フリー)
VS
イヴァン・メンジヴァー(トリスタージム)
▼HERO'Sルール 75kg契約 5分2R延長1R
國奥麒樹真(フリー)
VS
アントニオ・マッキ(ボディーショップ)
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
山本宜久(フリー)
VS
キム・ミンス(フリー)
▼HERO'Sルール 5分2R延長1R
大山峻護(フリー)
VS
メルビン・マンホーフ(オランダ)
……うーん、まあ顔ぶれだけ見てたら、PRIDEには全然かなわんけど、悪いメンツじゃないとは思うんですよ。ただ、結局今年一年をどういうコンセプトでやっていくのかわからんから、単にワンマッチが並んでも面白みを感じない。
谷川Pの発言から出て来た予想の一つとして、
ヘビー級or85キロ級でのトーナメント。
KIDを主軸にした70キロ級でのタイトル戦線、防衛戦。
この二つを軸にする興行が考えられた。が、85キロ級の主軸になるはずの秋山と、95キロのイブラヒムのいきなりの激突。たぶんメイン。キャリアの浅さを突かれて藤田に一発で沈められたイブラヒムのポテンシャルを今度こそ見たい、そんな気持ちもないではないが、上記の内容が軸になるのなら、まったく組む必要のないカード。
なんでもかんでもトーナメントにせず、ワンマッチ大会も時には組んでほしい。が、主軸となるカードがないなら、須藤みたくプロテクトされてる選手もいずれ強豪とやる羽目になるトーナメントの方が、先を考えると緊迫感が出る。
……まあはやいとこ、どの階級でトーナメントやって大晦日につなげるのか決めてくれないと、「勝ちましたね、だからなに?」ということになってしまう。去年の70キロ級以外の階級は全部そんな感じだったし……。
日本対世界、というコンセプトはどこでもやってるし、手あかがついてはいるが別に嫌いではない。ぬるく楽しむ分にはいいけど、仮にも地上波でやるメジャーイベントなんだから、きっちりと盛り上げてほしいものである。
KID、須藤、宇野、所を血祭りに上げるような新顔、強豪が出てこないかなあ……。MAXだってクラウスやブアカーオが魔裟斗を叩きのめしたから盛り上がってるわけでね。「神の子、王座陥落!」てな見出しが、今年中に新聞に踊るのを見たいですね。KIDが嫌いなわけじゃないけど、予定調和の崩壊はいつだって見てみたい。これは五味も同じです。
アンケートでポン! 須藤VS山本KID
会社に、格闘技を大晦日に限った話ではなく、地上波なら欠かさず見ている人間が何人かいる。上司、同僚、アルバイト。ヒマな時は格闘技の話をしたりしているのだが、今回、そういう人間をつかまえてアンケートを取ってみた。
今回のお題は、須藤元気と山本KID、どちらが勝つかということである。
結果からいこう。12人の意見を集積し、須藤が8人、KIDが4人であった。意外にも須藤が圧勝である。理由をざっと並べてみよう。
須藤派
「知性が違うね。頭を使って勝つよ」(30代女性)
「うーん、まあ体格差で」(30代男性)
「KIDって神の子とか言って、調子乗ってるでしょ〜? 僕は嫌いですね」(20代男性)
KID派
「格が違いますよ〜! 神がかってますもん! 映画出てる奴に負けませんよ!」(20代女性)
「いや、好きなんで」(10代男性)
「打撃で。一発で決めるな」(40代男性)
などなど。まあ、あまり細かい分析はない。むしろ、キャラクターや人間性の評価で勝敗までが予想されてしまっている。やっぱり須藤の優等生的キャラクターの方が、人気があるということかなあ。別にだからどうということはないが。
しかし、こうやってわいわいと大勢で楽しむ分には、このカードが最適である。知名度、キャラクター、勝負論、すべての面でバランスの取れた好カードだ。五味とマッハは知らない人間が多すぎるし、吉田と小川では女性が食い付いてくれない(笑)。ボビーと曙はオレが話題にしたくない。
ちなみに、私の予想も須藤である。須藤はなにせ、五味と練習しているのだ。あの圧力を肌で感じていれば、KIDのプレッシャーにも驚くまい。対するKIDは練習相手と言えば後輩ばかりだ。わずかな差だろうが、これが響くと思われる。
1ラウンド終盤、打ち合いから須藤の放ったバックブローを、神懸かり的な見切りでかわしたKIDが強烈な右を撃ち込む! 完璧ではないものの顔面を捉えられ、横転する須藤。そこに襲いかかりパウンドを落とすKID。が、その拳を手繰り脚を絡め、須藤逆転の三角絞め! KIDたまらずタップ……!
……という展開になったら最高だなあ。たぶん会場では見えないと思うけど(爆)。と言いつつも、実際は「神の子の右が入った〜! 須藤元気、ピクリとも動けず!」ということになるかも!?
2005/12/31「Dynamite!!」 魔裟斗緊急参戦。所VSホイス。
うーん、昨日、所とホイスについて書かなくて良かったな。二度手間になるところだった。普通なら、わあ二日続けてネタができたよ、と思ってもよさそうなものだが、全然そんな気がしない。これは発表されたカードのしょぼさ、無理矢理感ももちろんあるが、この大晦日直前のムードの異常さに、段々嫌気がさしてきた面もある。
水を差すような内容になるので、今回はトラックバックはいたしません。お付き合いさせていただいているブログの皆様の記事は参考にさせていただいてますが、悪しからず。
K−1、PRIDEともに続々とカードが発表され、関連する話題も続々と出てきて、プロモーションも加速の一途。盛り上がってきた……と言ってしまって、本当にいいのだろうか? 両陣営ともにカードを小出しにして、細々と話題の延命を計ってるだけじゃないか? 試合当日まであと8日だが、この時点でまだ決定していない、ようやく発表されたカードがあるというのは、やはり異常だ。選手がベストの状態であるわけがない。結果、スターには噛ませ犬があてがわれ、勝負論で見れば価値の低いカードが続々と組まれる。
仮に、今から実力者同士のビッグカードが決定しても(魔裟斗VSサワーでもノゲイラVS藤田でもいい)、コンディションも作戦も万全でない者同士で闘って、どういう結果が出てもそれははっきりした勝負の結果と言えるのか。また、直前まで交渉して結局流れたとして、サワーやノゲイラにそれまで相手もわからぬまま練習させて、「ダメでした」と言うのは、失礼千万な行為ではないか。こんな大会直前までグダグダとやられて、面白いわけがない。マスコミや、一過性の情報を摂取して喜べる人間は満足なのだろうが。
K−1で言えば、東京ドームが終わった一週間以内に全カードが出揃う。これぐらいが理想だろう。カードが完全に決定している中で、戦略として小出しにしていくのは許容できるが、ブッキングにもたついているだけというのは、みっともないことこの上ない。PRIDEももっと速くてもいいぐらいだろう。カードはさっと揃え、矢沢永吉や高田のパフォーマンスみたいなお遊び企画は後で出せばいい。
結局のところ、どちらでもベストバウトになるのは、準備期間のきっちり取れたKIDVS須藤、五味VSマッハということになるような気がしてならない。
まあそうは言ってもせっかくだから、決定したカードの感想。
▼K-1ルール 72kg契約 3分3R延長1R
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)
VS
大東旭(日本/チーム・クラウド)
魔裟斗選手、欠場者続出の危機的状況に登場、ということである。が、秋山VSホイスが流れたのは痛かろうが、角田やホンマンが欠場して、カード編成にいったいどんな影響があったの? というのがまず不思議だ。魔裟斗の侠気自体は高く評価したいし、生え抜き選手としての「大東は舐めてる」と言う発言には素直にうなずけるものがある。だが、出場を見送ったはずの選手と、K−1での実績ゼロの元ボクサーのカードには、辛口にならざるを得ない。
▼HERO'Sルール 5分3R
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)
VS
大山峻護(日本/フリー)
こういう体重差のある試合ばかり組まれる大山だが、なんとなく「裏」美濃輪という感じがするなあ。でっかい選手に足関節で勝つ……というパフォーマンスの狙いは同じなんじゃないか。ただ、陰にこもった悲壮感の漂う大山には、美濃輪のスター性がないため、雑魚をあてがってはもらえず逆に自らが噛ませ犬にされる……。悲しいな。しかし、ミルコ、グレコに続きアーツのパンチで昇天できるという経験は、バンナぐらいしかしたことないぞ。頑張って下さい(何を)。
▼HERO'Sルール 5分3R
中尾芳広(日本/フリー)
VS
ヒース・ヒーリング(USA/ゴールデングローリージム)
おお、なんか普通すぎるカードだが、だからこそPRIDEと比べちゃうね。しょぼいね(笑)。とはいえ、総合無敗の中尾と、今でも普通に強豪であるヒーリングの試合だから、内容には期待できるかもしれない。もし中尾が勝てば、今まで未知数だった実力がついに証明されることにもなるな。対して、ヒーリングが横井戦のごとく激勝すれば、早くもHEROSヘビー級の熱は消えかねないが……。
▼HERO'S特別ルール 10分2R
ホイス・グレイシー(ブラジル/ホイス・グレイシー柔術アカデミー)
VS
所英男(日本/リバーサルジム)
ホイスの今現在の体重は、80キロ前後というところらしい。まあ12キロ差ぐらいか? ヘビーじゃないんだから、こんな体重差で組んだら駄目だろ。お互い、別の相手を見据えて調整してきたわけだが、このカード変更がどう影響するか? 所が動き回って盛り上げ、判定(あるのか?)をかっさらって、「所、ライアー!」とかなんとか言ってHEROSにホイス参戦とか、そういうベタな流れを期待。
▼HERO'Sルール・75キロ契約 5分2R延長1R
永田克彦(日本/新日本プロレス)
VS
レミギウス・モリカビュチス(リトアニア/リングスリトアニア)
これはちょっと異種格闘技戦のノリになってきたなあ。永田選手の根性がレミ−ガのラッシュにひたすら試される展開になりそう。これも所の時からだけど体重差あるな。レミーガも寝技がざるなのを露呈しただけに、大きい相手にどこまでやれるんだろうか。
▼HERO'Sルール 5分3R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
アラン・カラエフ(ロシア/リングスロシア)
K−1ルールが見たいと言い続けて来たが、結局、K−1ヘビー級と言うのはフジテレビのコンテンツなわけだな。他局じゃ二試合もやるのが限界なわけですよ。だから、しょぼいのが目に見えた総合の試合を幾つも組むことになる。これが仮にPRIDEがTBSでやることになったら、総合ルールは三試合ぐらいで、詳細も不明の立ち技やら寝技やらの試合を延々とやり続けることになるんでしょうね。
しかしよりによってカラエフねえ……。グッドリッジかサップのどっちかに勝ってたら、多少は期待感があったんだが。ここはバンナVSグレコのオープンフィンガー対決が見たかったなあ。
あと一試合ありそうですが、オープニングファイトも含めてどうなるかな?
2005/12/31 「Dynamite!!」 所VS永田克彦決定。魔裟斗欠場
正直ボブ・サップ戦が決定してしまうのではないかとハラハラしていたが、無事に所の相手は永田克彦に決定した。新興イベントHEROSのエース候補と、来年以降参戦する期待のニューカマーの対決。体重差はあるが、キャリアを考えたら大きな差には結びつかないであろうとも考えられ、不気味なまでに釣り合ったカードである。
とりあえず、変なカードにならなくて、ほっとした。
近頃、発表されるK−1のカードを見て「大晦日らしくない」「Dynamite!!らしくない」とする意見をよく目にするが、かつて国立競技場で開催された 「Dynamite!!」 のカードは、当時のファンが訴求する最高のカードを提供しようというコンセプトのもとに組まれたはずで、今年の 「Dynamite!!」 は駒が少ないなりにそれを実現しようという気持ちが見て取れる。原点に帰りつつあると言っていい。
それゆえに、正統派カード群には、「曙VSボビー」を上回る熱気を生み出すことを期待したい。「曙VSサップ」に始まった視聴率優先のモンスター路線は、昨年は魔裟斗VSKIDのムードに飲まれた。ブタやタレントは格闘技に必要ない、ということを、今年はさらにはっきりと見せつけて欲しいものだ。
期待された魔裟斗とサワーの一戦は、魔裟斗の欠場によって流れることに。この試合は、2月の日本代表戦で組まれるかな?
曙VSボビー決定!
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/headlines/20051108-00000023-spnavi-spo.html
……………………………。
まあ、あえてプラス思考で捉えるならば、ボビーVS○○、曙VS○○の2カードが組まれるよりは、これ一個で片付いていいなあ……。
これでボビーが勝ったら、相撲はもとよりプロレスの威信まで地に落ちますねえ。ただ、お茶の間の人は当然ボビー勝利を期待するでしょう。対してコアな格闘技ファンは、経験が長く技術の高い方を応援したがるもんですけど、曙ではねえ……。
せめて第0試合でお願いしたいなあ……。
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