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イグナショフ「ベスト&ワーストバウト」ベスト5編

 ひさびさのK-1復帰という事件により、イグナショフにかつてない注目が集まった2010年。再起戦を、おなじみの消極的ファイトで終えるという予定調和を我々ファンに見せた彼が、ワーストはともかくベストを更新することはもはやないと確信し、独断と偏見でもってこのランキングを作成しました。
 2001年以降のイグナショフの軌跡、描かれた夢と現実の有様を、振り返っていただければ幸いです。

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<ベストバウト編>

第5位 2001年名古屋大会 VS アンドリュー・トムソン

 いきなり動画が見つからない……(笑)。

 前年2000年にK-1デビューを果たすも、負傷もあってマット・スケルトンに敗退し、初戦で消えたイグナショフ。翌年の名古屋大会、ベスト8を賭けた予選に臨んだ彼の注目度は、決して高いものではなかった。が、マイク・ベルナルド、シリル・アビディといったベスト8ファイターが姿を消す中、勝ち上がったのは無名の新星であった彼。初戦のマエストロビッチ戦で見せた飛び膝に続き、流れるような動きからパンチを絡めて変幻自在に突き上げる、膝のコンビネーションが光った試合。

 当時、K-1における膝と言えば、アーツのボディ狙いの組み膝か、アンディ・フグがパフォーマンス代わりに見せる飛び膝のイメージしかなく、後年のMAXにおけるブアカーオの活躍に先鞭をつけるようなイグナショフの膝でのKO勝利は、大きなインパクトを残すものであった。
 この大会を制覇した彼は、一躍スターダムにのし上がることになる。


第4位 2003年パリ VS パヴェル・マイヤー

 また動画がないよ(涙)。

 2002年、ベスト16でステファン・レコに敗退、予選からの出直しとなったこの年。小柄なパンチャーの揃った反対ブロックと比べ、マイヤー、グレゴリー、ウスティノフという巨漢キックボクサーの揃ったブロックで、得意の膝が封じられたルール下、すでに突破は黄信号かと思われた……。
 しかし、イメージを変える長髪と、驚くべきシェイプアップを遂げた108キロの肉体、そして「膝なんてなくたってちょうどいいぐらいさ!」とでも言わんばかりの切れのあるパンチは、我々の度肝を抜いた。ワンツーでマイヤーを追い込み、凄まじい左フックを叩き込んで視界を奪い、ダウンを取る。2ラウンド以降は蹴りの攻防に切り替え、3ラウンド、虚を突いた左のハイキックで完全KO。前年から組みが制限されたK-1ルールに対する対応力を見せつけた。
 試合後の、アナウンサーの「毒針伝説は生きていました!」との叫びが印象的。
 この試合で見えたもの……それは輝く「未来」だった。武器を一つ奪われても、他の技を磨き、昨年に比しても大きな成長を示す。まだまだ伸びしろがあり、これからもっと強くなって行く……そんな「未来」を予感させる、復活劇だった。


第3位 2003年福岡 VS ヤン・ザ・ジャイアント・ノルキヤ

http://www.youtube.com/watch?v=CDJSz9T4DOE

 先のパリ大会制覇後、組まれたワンマッチ。サップフィーバー、手探りで進む谷川新体制の中で、「純K-1」をアピールする大会であった。
 その中で、イグナショフは再び戦慄の進化を見せつける。身体を絞り、ボクシングテクニックを磨いて前進する大巨人。その突進を真っ向からブロックし、立て続けに奥脚ローを叩き込む。「膝? パンチ? いらんよ!」とでも言わんばかりの垂直に振り落とされるローキックは、前年ホースト戦でも痛めつけられていたノルキヤの左脚を、1ラウンドであっさりと破壊した。
 膝……ボクシングテクニック……ハイキック。それに加えてこの殺人ローは、角田競技統括に「ホーストよりも説得力がある」とまで言わしめた。次戦ベスト16においても、古豪マイク・ベルナルドを一蹴したイグナショフ。サップ、ボタという外敵が開幕戦で消えた中、この男にニュースターとしてK-1を託したい……そんなファンの期待は高まるばかりであった。


第2位 2001年東京 VS ニコラス・ペタス

http://www.youtube.com/watch?v=RxX_F9nZTLA


 時計の針は戻り、2001年。バンナ、ホーストに続き予選を制覇した「伏兵」が進化を問われた決勝大会。組み合わせに恵まれ、日本予選優勝者のペタスとの、決勝大会初出場者同士の対決を迎えることになる。武蔵を葬って、初の外国人選手のみの決勝大会を実現してしまったペタスだが、自らを「日本代表」と呼び、公言するサムライの魂でもってアグレッシブな戦いを展開する。だが、その精神を嘲笑うかのように、毒針はまたもその恐ろしさを見せつける。前進したペタスの頭部を抑え、突き上げられた右の膝。
 ゴツン、という乾いた音、高々と天を指した膝、のけぞり倒れ込むペタス……。呆然と身を起こしたペタスの視線は、カメラを見ているようでどこも向いておらず、親しみの持てるマスクの中で、その鼻っ柱はへし折られていた……。すぐさま被さる実況の叫び……。

「イグナショフは笑っている!」

 3位というグランプリ最高成績を修め、後に代名詞としてVTRで何度も何度も流された戦慄のKO劇。あまりに流麗なフィニッシュ。不遜なる若き天才の登場。惜敗した準決勝のフィリオ戦、最終ラウンドで見せた闘志と合わせ、「極真二連戦」は、長く語り継がれるものとなった。


第1位 2004年オランダ VS セーム・シュルト

http://www.youtube.com/watch?v=FxBT7vCi34k


 長きに渡り、「イグナショフ最強説」を支え続けた、伝説的一戦。
 当時すでに最強説のあった強引に前に出るシュルトに、圧力負けせず真っ向から組み止める。前蹴りを超反応と巨体に似合わぬステップワークでかわし、瞬時に回り込む。攻め手を一つ一つ奪われ、距離を錯誤して放たれた死んだジャブに対し、電光石火の右クロス。巨神兵が立ち技のリングで初めてマットを舐めた瞬間だった。心の折れたシュルトをいいように攻め込み、最後は左膝を叩き込んで見下してのける圧勝劇。わずか100秒……!
 前年の決勝大会での、アーツに対する不可解な失速に対し、3月のカーター・ウィリアムス戦での勝利と合わせて帳消しどころかお釣りが来る、完璧な勝利であった。モンスター路線への嫌悪が囁かれる中、イグナショフは再び優勝候補の一角として浮上する。

 ……そして、これが彼が輝いていた最後の試合となった。

 次回はワースト5編に続きます。

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拍手[4回]

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凄いですね
シュルトにイチバチじゃなく勝つべくして勝つというのは・・・

体格的にも才能的にもバダよりも上だったのに・・・

このままルシフさんの言うとおりになっちゃうのはあまりにも勿体ないですね
でも状況はその通りですよね・・・

Commented on 2010/04/07 Wednesday 21:59:23

by スラッカー | コメント編集

>スラッカーさん
そう、イグナショフはレミーとともに、バダ、ルスランの壁になるべき選手だったのですよ……。
それが今や踏み台にさえならないという……。

見たくないワースト編もよろしくです(笑)。

Responsed on 2010/04/07 Wednesday 23:22:02

by ルシフ@管理者

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