2007/7/16 HERO'Sミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦 試合感想
サプライズばかりが話題になってるが、今回はどの試合もまずまず楽しみ。
さて、トーナメントの次戦に駒を進めたのは?
▼第1試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
勝村周一朗(日本/勝村道場)68.0kg
VS
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)69.7kg
全然形になってないパンチと蹴りで牽制する勝村。こりゃ飛び込まれたらしまいじゃないの……。ペケーニョはパンチで距離を詰めるが、勝村は下がって距離を取る。一度は引き込む場面もあったが、ラバーガードからは仕掛けきれず。
2ラウンド、同じ展開が続き……と思ったら、今度はパンチが当たってしまい、勝村は棒っ切れのようにダウン! そのままパウンドラッシュでストップ!
ロープに沿って回らずに下がったのが敗因とも言えるが、突き詰めれば勝村の逃げ腰ファイトが、結局はこういう結末を招く、ということではないかね。距離を取りたいのは分かるが、その後の展開が何も想像できず、勝つ気があるようには見えなかった。もう呼ばなくていいんじゃないか。
▼第2試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)68.9kg
VS
アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)70.5kg→再計量
噂のウマハノフということでワクワクしてたのだが……このノーガードは駄目だろ……。急なオファーということでもあり、どこまでコンディションを作れていたのかわからないが、一発もらった後は面白いようにパンチを浴び、試合終了。ケージフォースに無駄な嫌がらせをしてしまったな。
「ジダ」の逸話はなかなか良かった。
▼第3試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 90kg契約
柴田勝頼(日本/ARMS)82.1kg
VS
ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)※遅刻
おお〜これが新世代グレイシーか。しかし試合始まったらホイラーと同じスタイル。足あげながら距離つめる動きが面白い。柴田はパンチ勝負……なんだが、パンチしか練習してないんじゃないか。
マウント取ったハレックをシザースで返そうとする柴田だが、読まれている。ハレックは慎重に腕十時を極めて終了。
ハレックは総合デビューだそうだが、初戦がプロレスラーというのは育てるマッチメイクで良かったですねえ(笑)。
▼第4試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宮田和幸(日本/フリー)70.0kg
VS
ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)70.2→再計量
序盤、打撃の攻防。宮田はハイキックもスムーズに出て、進歩の跡をうかがわせる。しかしシャオリンは減量に相当苦しんだらしいのだが、どう見ても絶好調なのが不気味だ。打撃では若干宮田が手を出してる感じ。
しかし2ラウンド、テイクダウンしたシャオリンがサイドから電光石火の肩固め! 宮田タップ。
つ、強え〜。あっと思った時には極まっていた。これは手が付けられんよ。カルバン、ジダとの激突が早く見たいな。
▼第5試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)70.0kg
VS
ブラックマンバ(インド/フリー)69.8kg
フリーターを脱し専業ファイターになった所に対し、未だに本業と二足の草鞋を履くマンバが挑むという構図……あれ?
今やプチセレブとなった所に対するマンバの執念は凄まじいものがあった。
最初のタックルが中途半端な形になったのが逆に幸いし、毒蛇必殺の膝は空振り。足を取ってドサマギでテイクダウンする所。足関節を狙う。これは優勢かと思いきや、マンバは立ち上がろうとしつつも上になり、パウンドを落とす。さらにバックに回って、所の胴体を両足で完全にフック。所は身体を起こして背後からのパウンドを防ぐのが精いっぱい。なんとかガードに戻すも、上になったマンバはリーチを生かして所の顔面にパンチを延ばし、ボディにも肘を突き刺す。
顔を隠して横を向いた所は戦意を喪失したか、パウンドを浴び続ける。たまらずレフェリーが試合を止めた。
いやはや、去年はアンラッキーと言えたかもしれないが、今回は完全なる惨敗。スピードでもせいぜい互角で、パワー、リーチ、打撃のスキルで負けていて、おまけに寝技でここまで差を縮められていたら、もはや勝機はなかった。
谷Pが「あとちょっとでラウンド終了だったんですけど」と言っていたが、たっぷり10秒は残ってたぞ。あと10秒あの調子でもらってたら、えらいことになったと思うが……。
▼第6試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)70.0kg
VS
永田克彦(日本/新日本プロレス)69.8kg
テレビではこれがメイン。
打撃勝負に出る宇野が寝技に持ち込ませず完勝。永田は打撃での応戦は悪くなかったが、後が続かず。
最初は良かったが、あまりに同じ展開が続くんでだれた。宇野も決定力がないなあ。
▼セミファイナル 第7試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 87kg契約
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)85.9kg
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)86.2kg
これはアッカは殺されるね、と思ってた。マヌーフは過密スケジュールも何のその、絶好調。アッカは取りあえず組んで打撃戦を避ける作戦だが、ちょっとしたパンチの交錯でも、すでにマヌーフのクロスの正確さはやばすぎる。一発目に入ったあたりで勝負あり、その後の突き放してのラッシュでふっ飛ぶアッカ、追い打ちに行こうとしたマヌーフを和田レフェリーが弾丸タックルで止めて勝負あり!
いや〜PRIDEでは絶対にあり得ないナイスレフェリーストップに、鳥肌立った! アッカは頑張ったけど、相手が悪すぎたなあ。
▼メインイベント 第8試合 スーパーファイト HERO'Sルール1R10分・2R5分 85kg契約
田村潔司(日本/U-FILE CAMP)84.7kg
VS
金 泰泳(日本/正道会館)85.0kg
打撃の打ち合い、田村タックル、立つ金、この繰り返し。田村さんの総合用の打撃は決して金にも引けをとっていなかったが、技術はともかく重さは違ったか。ローはかなり効いてたし、逆に金は田村のローをカットもせずに平然と受けていた。もう少ししつこく寝技で攻められたら、田村ももっと優位に立てたと思うんだが……。大晦日のミノワマンいじめみたいな緊張感のない試合をしてたつけが、今回等身大の相手との接戦を通じてついに回ってきたということか。金の対応度もかなりのものだと思うが、それでも総合3戦目の選手に敗れてはPRIDEの田村の名が泣くぞ。
延長なんて時間短いんだから、上取った方が有利に決まってるんだが、田村さんはそんな余力もなかったか。
これで秋山戦も白紙かな?
実にリアリティの溢れる結末ばかりで、個人的には満足。ヘビー級のぐだぐだ試合がなかったことで、内容も締まったと思うし、良かったんじゃないか。サプライズは船木復帰だそうで、これは逆に予想もしてなかったわ(笑)。KIDぐらいは来るかと思ったんだけど。
ミドル級トーナメント、次戦はカルバンVSマンバ、シャオリンVS宇野が見たいなあ。秋山の相手はいなくなってしまったので、復帰はなしということで。
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