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                                          堕天使のコロッセオ

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過去ログ PRIDEその3

2006/9/10 PRIDE無差別級GP決勝 ワンマッチカード 

http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1156217518

中村和裕(日本/吉田道場)
VS
中尾“KISS”芳広(日本/フリー)

西島洋介(日本/高田道場)
VS
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

見られるかわからんアメリカ大会よりも、まずこっちでしょう。いや、来たね〜。

 
中村和裕(日本/吉田道場)
VS
中尾“KISS”芳広(日本/フリー)

ああ……キモッ! 気持ち悪い、気持ち悪いが見ずにはいられない、そんな不気味な魅力のあるカードだ。

自己保身に満ちた「PRIDE愛」と、二つのイベントを渡り歩いた「上昇志向」。
いくら勝とうがどうしようもないキャラクター性の薄さと、試合以前の結果によって作られた濃すぎるキャラクター性。
あまりに対照的な二人だ。

そんな二人が、イベントへの愛情や、お笑いの才能というそれぞれの「得意分野」ではなく、「総合格闘技」というジャンルで決着をつけねばならないことが、なんだか不思議に感じられさえするなあ。愛で勝てるなら苦労はしないし、お笑いの才能は格闘家としての強さにはむしろ足かせにしかならないのは、中尾だけでなく道着脱いで負けた人も証明してしまっている。

なんかね……勝った方が新たな日本人スターになる、とか、PRIDEファンの誰も思ってないだろうね。かろうじてどちらが強いかは証明されるだろうが、勝った方は強さと関係ないイベント愛やキャラクターをますます全面に押し出し、リングの上で強さを証明すると言う格闘技の本分はどんどんなおざりにされていく。
地味でキャラの薄い中村が、努力で世界の強豪に立ち向かう、という構図は、別に中村が好きでない私にしても普通に受け入れられるものだった。試合がつまらないのはあるが、勝ちと言う結果に文句をつけるわけではないし、むしろその結果に対してだけはリスペクトする。が、中尾という毒薬を一滴垂らしただけで、ひたむきな中村カズがかくもドロドロとしたイメージに染まるのか……と思うと、ちょっと暗澹たる感慨を抱いてしまう。試合後、中尾がなにを言うかの方が試合内容より気になる。
「勝った負けた」以外の因縁など必要ないんだが……。お笑い路線はやはりほどほどにしてもらいたい。


西島洋介(日本/高田道場)
VS
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

うーん、吉田道場に完敗した者同士か……。長所があって穴もあるスタイルが共通する同士をぶつけて、その長所を光らせようというマッチメイクの意図は別に否定しない。が、共にその穴を満天下に知らしめた直後だけに、仮にどちらかが長所を見せつけて勝っても、「どうせ寝技行ったら何にもできねえじゃん」と冷めた視線にさらされるだけではないか。
地上波がなくなって、いわゆる「一見」はほとんどいないと言っていいだろう。試合を見るのはコアなファンだけなのだ。こういう小手先だけのマッチメイクは、勘弁してもらいたい。

うーん、噂ではまだアローナとか、あるんですよね? ハリVSアレキみたいに、とまでは言わないから、もう少しピリッとした試合を入れて欲しいなあ。


PRIDEニュースまとめて 

なんかねえ、一個一個だと、そんな興味を引くニュースでもなかったんで、スルーしてたんですよね。とりあえずまとめてさくさくと。

武士道関連
ライト級ワンマッチカード決定。五味復帰戦も正式決定。
美濃輪VSバタービーン決定。

無差別級GP関連
ハリト−ノフVSアレキサンダー決定。
ミルコ先生、ギャラ吊り上げ大作戦。

その他
シルムから横綱参戦。

 
ライト級ワンマッチは、

<ライト級ワンマッチ>
五味隆典(日本/久我山ラスカルジム)
デビッド・バロン(フランス/フレンチコネクション)

<ライト級ワンマッチ>
川尻達也(日本/Tブラッド)
クリス・ブレナン(米国/ネクストジェネレーション)

<ライト級ワンマッチ>
帯谷信弘(日本/総合格闘技木口道場チームラスカル)
ギルバート・メレンデス(米国/シーザー・グレイシーアカデミー)

<ライト級ワンマッチ>
青木真也(日本/パラエストラ東京)
ジェイソン・ブラック(米国/ミレティッチMA)

<ライト級ワンマッチ>
日沖 発(日本/アライブ)
ジェフ・カラン(日本/チームカラン)

<ライト級ワンマッチ>
石田光洋(日本/Tブラッド)
クリスチャーノ・マルセロ(ブラジル/シュートボクセアカデミー)

<ライト級ワンマッチ>
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
ルシアノ・アゼベド(ブラジル/ヘノヴァサオンファイトチーム)

ハンセンに全然お呼びがかからないのが寂しい。日本人の「顔見せ」としては厳しいカードが並んでて、なかなかいい感じ。海外勢が一切勝利を期待されてなさそうなのも、なかなかスリリングだ。人気者を粉砕してその名を轟かせるか、一回のみの参戦で切り捨てられるか。HERO誕生に期待だ(違)。まあ日本人のためのイベントだからしようがないけど。
そして相変わらず茨城勢に対しルサンチマン全開の五味さん。「石田かかってこい」に至っては、あまりに大人げなさすぎて笑った。マッハと川尻を倒してるんだから、格下として切って捨てればいいのに、危機感を隠せないのがこの人のスター性の足らないところなんですな。そして、帯谷と神奈川軍を結成し、茨城VS神奈川という衝撃のアングルまでも生み出してしまった。武士道ということで、出身地対抗で戦国時代の天下取りのイメージを付け加えたらどうかね。そして、黒船来航に際して、団結……しなさそう!

ミノワマンVSブタは、本当にいらないカード。息抜きも必要、という意見もあるが、悪いが大してテーマのないライト級のワンマッチも、息抜き程度にしか感じられない。負けられないのは五味と、タイトル挑戦が射程内の石田ぐらいで、あとはぽろっと負けても取りあえずもう1、2回は呼ばれるだろうと思われる。緊迫感はない。
ブタはアメリカで人気のため、そちらでのテレビ放送のための対策とも言われているが、美濃輪に勝たせて喜ぶ日本向けのカードを組んでどうするのかも疑問。で、試合内容も須藤元気の後追いがせいぜい。そもそもK−1でも使われなくなったブタを使わずとも、PRIDEにも自前のお笑い要員がいるだろう。そちらにチャンス(笑)を与えてあげればいいのに。
こういうシナリオをぶち壊すために、ブタがミノワマンをパウンド葬するのを期待してしまうが、そうなるともうウェルターの最前線ではやれそうにない美濃輪の存在価値がなくなってしまう。実はハイリスクなカードなのかも(微笑)。

ハリト−ノフVSアレキは、去年組んで欲しかったなあ。どちらもすでに幻想を粉々に打ち砕かれてしまっている。単に期待の若手対決、ということで見るのがいいかも。ハリのコンディションも気にかかるし、なんせ夏場だしなあ。二人ともベスト8にのこった藤田と吉田よりは遥かに強いだろうから、リザーバー入りは文句ないが、別に今回はワンマッチでも良かったかも。

そして地元の新聞で離脱をほのめかすミルコ先生!

http://gameandmma.blog29.fc2.com/

ひどい! ひどいわ! PRIDEは金欠なのに! 銭ゲバ国会議員に対して猛獣シウバが怒りの鉄槌を下すシナリオに期待するが、「人格的に未熟」「金に目がくらんだ」「王者がこんなでは寂しい」と榊原社長に散々罵られた某氷の皇帝が未だ王者として君臨している以上、金銭欲と勝負のリアリズムは一致しないというのは明白。むしろ金に汚い方が強いのかも。強欲な人間が批判されるというのは、清貧を良しとする日本的価値観というよりも、単にギャラを要求する実力も勇気もない負け組のコンプレックスでしかないように感じられるなあ。
とはいえ、トーナメントで2試合やる場合、2試合分のギャラを要求……って別におかしな事とも思えない。むしろ払えよ、という感じもする。例えばミルコがシウバ戦で勝ったとして、負傷なり消耗があって、ジョシュかノゲイラには勝ち目薄な状況になるとする。ここで「準決勝はノーギャラだし、まあいいや、やめやめ。ハリト−ノフに出てもらおうっと」となるよりは、「出ればファイトマネーも出るし……ちょっと頑張ってみるか」となった方がまだいいと思うんだが。
いっそのこと、9月は準決勝だけで決勝は大晦日に回す、というのもありだと思うんだが。これなら一試合分のギャラで済むよ。ヒョードルとの統一戦は来年ということで……。あ、これは無理か。大晦日やれるとは限らんし。

おまけでシルム参戦。ようやくPRIDEにも横綱が……って、まともなファンなら誰も期待しないっしょ。またバラちゃんは「ホンマンなんて通用しないよ」という発言との整合性を取らねばならなくなる。PRIDEを応援してるのは信者ばかりではないのにね。

しかしこうしてニュースを列挙してみると、PRIDEは攻めの一手ですね。話題作り(ブタ、シルム)、新たなスター作り(武士道ライト級)、スター選手の確保(ミルコのギャラ)、出し惜しみしないカード(ハリVSアレキ)。体制一新があり得ない以上、リスクが大きくとも攻撃する事によって現体制で結果を出し、失点を取りかえすしかないのか。良くも悪くも必死さが伝わって来てよろしいですな。
posted at 2006/08/08 20:10 | ルシフ |
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2006/07/25

2006/8/26 PRIDE武士道 其の十二 ワンマッチカード発表 

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/column/200607/at00010004.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060725-00000000-dal-spo

王者五味も復帰。でもってスカパーでの放送も決定らしい(ホッ……)。

 
神経質王者五味さんは、石田にむかついている……ということで(笑)、なんか最近、どんどん彼の事が好きになってきたなあ。
思えばホーストなんかも、ぶざまなKO負けをバンナやフィリオに対して喫しながらも、「弱いんじゃないの?」「試合つまんないし」「引退した方がいいんじゃないの?」と叩かれたことをモチベーションにして這い上がってきた。で、口にする事はと言えば、例の「4タイムスチャンピオン」。
五味という選手、修斗時代は「勝てばいいんだよ」、武士道に来てからは「判定ダメだよ」。言ってる事がまったく変わっている。その内容の是非はこの際置くとして、こういったイズムや原則論、地位の重みなどを説く人間というのは、根源的な部分で自分自身に自信が欠けている。曰く「言ってること全然ちがうじゃん」「華がない」「試合がつまらない」「判定ばかり」「寝技ぜんぜんダメ」「王者のくせに負けたし」……そういった批判に対して過剰なまでに反応しているのを示すのが、イズム論の裏にあるコンプレックスなわけだ。オレはこういう理想を持ってる、だからおまえらの批判は的外れだ。オレは結果を出している、だからおまえらの批判は小さなことだ。懸命に、自分と世間を納得させようとする意図がうかがえる。
別にそれがいけない、とか言ってるわけではない。それがモチベーションとなり、ホーストは敗れても敗れても王者に返り咲いた。そして今、五味もその怨念を力に変えて浮上しようとしている。底抜けに陽性で、観客をたやすく感情移入させ、PRIDEに上がる過程で自分が捨ててきた修斗の看板を、平然と掲げる石田らを敵視することで……。
王者・五味はイベントの看板を背負った選手だ。だが、一度惨敗した彼は、もうすでに王者などではないのだ。ただ単にベルトを巻いているだけの一選手に過ぎない。だが、イベントの顔として売り出して来た主催者側と、人情味溢れるファンが、彼の逆境をスポイルしている。今こそ五味は、主催者のプロテクトなどではなく、自分の力でもう一度這い上がらなくてはならない。
打倒茨城! 五味よ、今こそネクラ人間の希望の星となるのだっ!

他のカードは……なんかますます修斗を見る必要がなくなってきたなあ。同じ金払うなら、当然武士道ということになっちゃいますな。せめて65キロの人は取らなければいいのに。将来的に63キロ級とか出来るかな?
posted at 2006/07/25 20:10 | ルシフ |
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2006/07/19

2006/8/26 PRIDE武士道 其の十二 GPカード決定 

おお、速い! 武士道のカードがもう決定! まあ一回戦をクリアした面子は決まってるわけだから、早く決めるのは可能なんだろうが、それでもこのタイミングでの決定は高く評価したい。それにしてもHEROSは……。

http://www.boutreview.com/data/news05/060826pride-bushido12.html

 
三崎和雄(GRABAKA)
VS
ダン・ヘンダーソン(アメリカ)

うーん、これはいささか釈然としないカードだな。こないだやったところではないか……。三崎がアグレッシブとは言えなかっただけに、今回も同じ展開になりそうだな。とはいえ、郷野も長南もダンヘンには叩きのめされてるわけだし、日本人当てるならこの組み合わせしかないか……。


郷野聡寛(GRABAKA)
VS
ゲガール・ムサシ(オランダ)

これは面白そう! 勝手なイメージだが、なんかムサーシやカーンは若いけど熱くなるところが想像できない。ロンバードは郷野の挑発にまんまと乗せられた感があったが、ムサーシはいくら踊られても平然としてそうだ。まあ内心はむかついてるかもしらんけど。心理戦としてパフォーマンスを捉える必要はなく、それはそれとして後の試合は純粋に技術の攻防を楽しめそうだ。


長南亮(Team M.A.D)
VS
パウロ・フィリオ(ブラジル)

テイクダウーン!でそのまま行ってしまう展開を予想する向きが大半だと思うが、事実そうなるでしょうね(おい)。いや〜、長南の勝つ姿が思い浮かばんよ。まあ昨年ミドル級GPのアローナなんかもすごい安定感を見せつけておきながら、ショーグンに粉々にされたわけだが……。長南がそれを再現できるとは思えんなあ。


デニス・カーン(韓国)
VS
アマール・スロエフ(アルメニア)

ふふふ、スロエフがブス先生を封じ込めたお見合いファイトをしかけて、カーンがそこに踏み込めるか。この緊張感を今から想像しただけでワクワクするな。そしてそれを裏切って大打撃戦になったりしたら、大興奮ですよ。

楽しみですね〜武士道。しかし先日送られてきたスカパーの冊子には、放送予定はまったく書いてありませんでした。これはプラチナも関係ないし、あえなく放送なしに落ち着いたりしてね……。
posted at 2006/07/19 19:52 | ルシフ |
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2006/07/04

2006/7/1 PRIDE無差別級GP2nd 試合感想 

二回目のPPV観戦となりました。結果的にはスカパーに加入しておいて良かったわけだが、決勝戦は、アメリカ大会は、果たして放送されるのか? 放送はされたが、スカパーはスポンサーからも撤退している。まだまだ楽観はできそうにない。
個人的には、試合さえ見られればそれでよく、煽りがつまらなかろうがタレントが無知だろうが別にいい。まあ録画だから飛ばして見られたし、生で見てても試合以外は本でも読んでればいい。不満はカメラが少なくて、入場時に正面からのアングルがないのが寂しかったぐらい。

では、試合の方へ行こう。

 
▼ヘビー級 ワンマッチ
エジソン・ドラゴ(ブラジル/チーム・ミノタウロ)
VS
パウエル・ナツラ(ポーランド/高田道場)

アレキ戦のごとく序盤から飛ばすナツラ。ドラゴはマウントを取られてから、なかなか跳ね返せない。ナツラが上手いのか、BTTでもドラゴのグラウンド技術は未熟なのか。マウントパンチで決まるかと思ったが、ここはどうにか切り返すドラゴ。しかしナツラが下からきっちり極めてフィニッシュ。
いや、これはなかなかいい試合でした。ドラゴは持ち味が出せなかったが、ポテンシャル云々よりも作戦ミスか? ナツラはもっと早くに参戦していれば見られていたであろう、いぶし銀の輝きがあった。


▼ヘビー級 ワンマッチ
中尾芳広(日本/フリー)
VS
イ・ウンス(韓国/CMA KOREA)

高速タックル、素早いポジショニング、K-1で見られなかった中尾のスキルが出た感じ。が、その後はいつものコツコツ攻撃で退屈だった。こういう選手見てると、早めのブレイクをかけるHEROSルールの利点も考えざるを得なくなるな。もちろん、勝つための戦略として塩パウンドを否定するわけにはいかんのだが。ただ、きっちりTKOに追い込んだパウンドの強さは評価できる。


▼ミドル級 ワンマッチ
高橋義生(日本/パンクラス)
VS
ビクトー・ベウフォート(ブラジル/フリー)

開始早々、打撃戦で高橋撃沈〜! ビクトーも調子を上げてきているのかもしれないが、高橋は見事に粉砕されてしまったなあ。タックル切られた後、コーナーで棒立ちになったままパンチを振り回して……そこを打ち抜かれた。ちょっとスキルに差があり過ぎたか?


▼ミドル級 ワンマッチ
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデングローリー)
VS
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)

アリスターは首の怪我&スタミナの弱点は変わらずということで、ペースを握っていた序盤がもったいなかったな。ただ、ホジェリオは蹴られ続けていたのは、打撃の前に踏み込めなかったのか、それとも自分のスタミナを背景にアリスターの消耗を待っていたのか? タオル投入はセコンドからしてみれば予定調和か。


▼ミドル級 ワンマッチ
中村和裕(日本/吉田道場)
VS
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)

先の中尾のパターンをなぞるかのように、中村がいいポジションを取っての一本勝ち。今回は狙ってる姿勢が見えたので良かった。ただ、いつもこれで、上を取れない相手にはどうするのか。彼の課題が解消されるところは、こういうマッチメイクからは見えてこないなあ。


▼PRIDE無差別級GP 2回戦 1R10分 2・3R5分
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
VS
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)

さあ、本番はここからですよ〜!
終盤、ヴェヴドムがかなり強引に脚を取ってグラウンドに行く展開が目立った。ノゲイラも相変わらず腰が高く、結構簡単に上を取られる。すぐに態勢を入れ替える自信もあるからだろうが。打撃戦ではノゲイラ優勢だったので、ファブリシオは最初から徹底的にグラウンド狙いの方が面白かったなあ。ポジションの取り合いは見応えがあっただけに、その方がまだ勝機があったのでは。ただ、ノゲイラは今回さらに増量していて、上を取りかえす動きにはその影響もあったか。
打撃戦を想像していたとおりの展開だったが、終盤のファブリシオには違う展開になる可能性を感じただけに、ちょっと残念。


▼PRIDE無差別級GP 2回戦 1R10分 2・3R5分
藤田和之(日本/フリー)
VS
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)

実際のところ、ビクトーと高橋ぐらいのテクニックの差はあったのだろう。藤田の驚異的な打たれ強さがなければ最初の攻撃で決まっていたかもしれない。だが、凌ぎ切った藤田が上を取ったことで面白くなった。シウバもさすがに下からの攻めは見事で、踏んばる藤田と合わせて一瞬も気の抜けない攻防に。ガードポジションでお互い決め手がなくブレイク。しばらく視殺戦が続くが、藤田はここでタックルを狙わない。膝を合わされるのを警戒したか。だが、ここからシウバのロングフックがテンプルにヒットし、あとは一方的な展開に。パウンド、サッカーボールキック、一度立ち上がったのはさすがだったが、野獣はもはや餌食になるのを待つのみ。
残り時間を気にしたか、まったく止めようとしない島田レフェリーは、実に「PRIDE」的であったな。ファンが喜ぶ残虐ショーの提供と、次のラウンドに期待される「日本人逆転勝利」という夢の展開への配慮、それら「PRIDE」というイベント自体への選手の隷属……なにもかもがあまりにも「PRIDE」クオリティ。地上波がなくなったことで、俳優の起用などという馬鹿げたお茶の間路線が廃される反面、こういった暗部を取り繕う努力もなされなくなっていくのか。タオル投入、ゴングの後に手を上げるレフェリーは、すでにイベントの奴隷であり、職業倫理など失ったゴミに過ぎない。ハッスルだけ出てろ。
階級が上の相手を完全に粉砕したシウバの実力は本物で、ようやく無差別級GPが企画の意味を持つ事ができた瞬間だった。


▼PRIDE無差別級GP 2回戦 1R10分 2・3R5分
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)
VS
ジョシュ・バーネット(アメリカ/AMC)

いや〜ジョシュ強い! ハントはこうなると脆い、というのは戦前の予想からあったが、そうは言ってもここまでこぎつけるのは並大抵のことではなかったのだろうな。今回の展開を簡単にやってのけるのは、他にはヒョードルぐらいしかいないのではないか。個人的に地味強ゼンツォフなんかが出来るか、興味あるが……。
バウレビの試合結果にチキンウイングアームロックと書いてあってちょっと笑ったが、スープレックスを狙うと言いながら、確実に勝ちに行ったジョシュの攻めはお見事。ハントは限界が見えてしまったかな……。テイクダウンされない相手には勝つから上位はキープするだろうが、トップには一生なれないような。


▼PRIDE無差別級GP 2回戦 1R10分 2・3R5分
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)

うーんうーん、田村戦、シウバ戦の流れからローは当たると思ってたが、まさかこんな簡単に……。いや、テイクダウンを許さなかったミルコの粘りは見事だったが、時差ぼけの影響かスタミナ切れっぽかっただけに、吉田にはもう少し見せ場を作ってほしかったところ。桜庭も藤田もローでは倒れなかっただけに、この結果は情けない。「痛みは我慢できる」とか言ったらしいが、Kー1に出たボクサーもみんなそう言って立てなくなったわけよ。5年も総合やってる選手が、まったくロー対策できてないって一体……。
脚が完全に効いて、ガードも下がってアッパーが直撃。意識はあったが、まともに立ち上がれない。ミルコもパウンドには行かず、立てとアピール。無理矢理立たせる島田レフェリー。顔を叩いて挑発する吉田は、脚を蹴らないでと言ってるも同じ。次のローで完全に立てなくなったが、島田レフェリーは止めようとしない。

ところで、吉田は立てないくせにグラウンドに来いと挑発。この後の展開だが、

1.レフェリー、「モア、ファイト!」 ミルコにグラウンドに行く事を促す。ブレイクを要求するミルコに「膠着を誘発」としてイエローカード。
2.「吉田、ギブアップ?」 と延々聞き続ける。吉田は「ノー!」を永遠に繰り返す。1ラウンド終了。
3.諦めて寝技に行くミルコ。珍しく脚関、極まってないのに軽くひねっただけで吉田タップ。

……と、タオル投入がなかった場合、どの展開になっていただろう。藤田戦にしろ、本当に取り返しのつかない事になる前にセコンドが「勇気を持ってタオルを投げた」おかげで、桜庭VSアローナの悲劇が繰り返されることはなかったわけだ。あの教訓は生きて……ねえよ!

全体に予想通りの展開が多かったが、それでも好試合が多く楽しめた。が、いらんとこまで相変わらずの「PRIDE」なのはどうかと。イベントが危機にさらされることで、防衛本能が過剰に働き、本来淘汰、浄化されるべき部分までもが闇雲に擁護される……そういったことになってはいけないのだが……。あと、決勝ラウンドはGP前の試合のレベルアップも期待。無理か? ギャラのこともあるし……。

組み合わせ希望はシウバVSミルコ、ノゲイラVSジョシュ。で、優勝はノゲイラVSジョシュの勝者かな?



PRIDE無差別級GP2ndカード追加。そしてあの男が……。 

どうやらスカパーは継続とのことで、ちょっと一息ついたかな、という感じのPRIDE問題。もちろん、ワタクシもPPVを買いますよ! 念のため、前日に……(爆)。

中村和裕(日本/吉田道場)
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

高橋義生(日本/パンクラスism)
ビクトー・ベウフォート(ブラジル/フリー)

【参戦決定選手】
中尾芳広(日本/フリー)

 
いやいや、見事なまでにオマケ臭いカードで、中村なんて試合までうっかり早送りしかねないな……なんて考えてたら、中尾さんが仰天の参戦決定ですよ。これはまさか引き抜きではあるまいし(そう見てもらえないのは、ちょっとした恥だけど)、円満参戦と見ていいかな。
しかし中村が、インタビューで面白いことを言っている。

http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1150347292

>自分は榊原体制になってデビューさせてもらって、勝っても負けても、いい時も悪い時も使ってもらいました。

……毎回のようにチャンスもらってたしねえ。まあ弱いとは言わないけど、次期エース候補として、壁を破る結果は出せていない。それでも、ミドル以上のクラスに、彼より将来有望な選手はいなかったわけだ。だから使われ続けていたわけで……。
ところがところが、今、そのパワーバランスが崩れようとしている。

>だからこそ、中尾の軽く見える態度が許せなかったのだろう。中尾を目の前にしても「やってきたことが違うし、PRIDEの厳しさが分かっていない。冗談じゃ出来ないってことくらいは覚悟して欲しいと思います」と言ってのけ、会見後の囲み取材でも「別に中尾選手のことが嫌いだったわけじゃない」と前置きしたものの、「自分はPRIDEのことをそこまで思って今日の会見に出席したから、中尾選手とは空気感が違う。ああやってふざけたのを見ると腹が立ってきます」と語り、「PRIDEを愛する気持ちは誰にも負けません」と、カズはPRIDE愛を宣言した。

「吉田道場の柔くん」という柔和なイメージを維持し続け、試合中に道着を脱ぐという大失態も笑ってすませた男が、今回直接対決するわけでもない選手に対し、珍しくルサンチマンを剥き出しにしている。
自分が近藤に勝ちながらも批判を浴びた大晦日に、失笑ものの反則劇で裏MVPとなった男。特徴のない自分に対し、彫りの深い野性的なマスクを持った男。柔道にレスリングというバックボーンは違いながらも、上を取ってこつこつと塩パウンドを落とし判定勝ちする共通のスタイル。
これは、自分にないものとあるもの、双方を持ち合わせた中尾に対する、危機感以外の何物でもあるまい。榊原社長に目をかけられ、優遇されてきた自分の地位を、新日本人エースとして揺るがせるかもしれない男に対する……。
中村が「強さ」ではなく「愛」をアピールするのも、それゆえだ。だが、これは非常に不気味な話でもある。PRIDEはいつからイベントへの愛情を競う場になったのだ? 愛情や政治的発言でリングに上がる選手が決まるのか? 事実、吉田道場所属の中村が他の選手より優遇されているのは間違いないだろう。だが、だからこそ中村は自分がPRIDEのリングに上がっているのは「強さ」ゆえであり、ランデルマンやボブチャンチンといった強豪を破っていることも合わせ、「PRIDEファイター」としての自分が「K−1ファイター」中尾よりも絶対的に優れていることをアピールすべきであった。
イベントの開催危機など、今が異常な状況であるのはわかるが、こういう時こそ選手は地に足をつけた考え方をしてもらいたい。「格闘家」は本来、腕一本でやっていける職業のはずなのだ。愛情はいいが、依存はみっともない。たかがイベントの一つがなくなったら困る、という考え方は、自分に自信がないことの現れだ。中村は、K-1など他のイベントを渡り歩いてきた藤田や中尾が、恐ろしいのだろうか?

さて、こういった中村の幼児的かつジェラシーに満ちた発言を受けた中尾は、対照的に強気をアピールする。K-1ではもう干されているのだろうが、傾きながらも総合では圧倒的にレベルが上のPRIDEに乗り込むのは、それだけで自信の現れと言っていいだろう。根拠があるのかは別として……。
だが、PRIDEに言いたいこととしては、これはミステイクだということだ。裏MVPだとか褒めたたえる人間もいるが、こいつは大晦日のあの舞台で反則を犯し、一試合ぶち壊し、観客のため息と失笑を買った選手だということを忘れてはならない。今でこそ笑い話だが、あの時、大阪ドームの現場を覆ったあの釈然としない空気を、私は忘れていない。あれが、PRIDEのリングで繰り返されるとしたら? 結果の伴わない選手の過剰なショーマンシップほど始末に困るものはない。この選手は疫病神だ。おまけに試合もつまらない。さっさと放出すべきである。

もっとも、イマイチ結果の振るわない中村を発奮させるための「当て馬」として呼んだのなら、それはそれで面白い戦略と認めるが、瀧本が郷野のビッグマウスを塞ぐ前に自滅したのを考えると……。

おまけで、野地のパンクラス解雇にもちょこっと。

http://gbring.com/sokuho/news/2006_06/0614_pancrase.htm

PRIDEか、K-1のジャパングランプリに電撃参戦するのかと一瞬思ったが、パンクラスはどっちともそれほど関係悪いわけじゃないし、違うよねえ。最近こういうニュース多いけど、とりあえず理由をはっきり言ってくれ。野地ファンも浮かばれまい。
posted at 2006/06/15 22:41 | ルシフ |
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2006/06/09

PRIDE記者会見。無差別級GP2ndカード決定。 

ちょっとここらへんの話題、ネット見過ぎで煮詰まってきた……。
格闘技ファンのほとんどが同じような状況ではないかね。

さて、記者会見は単なる決起集会だったようで……。
アメリカ大会、男祭りも正式発表だそうだが、興行を行うということだけ発表しても、カードなど内実が伴っていないと意味もなにもないわけで……。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/column/200606/at00009400.html

そして、やはり会見の内容を読むには、地上波なしで生き延びられてもスカパーは必須か。しばらくはスカパーの動向を巡って目が離せそうにない。

 
そして、これが対戦カード。

<PRIDE無差別級GP 2回戦>
吉田秀彦(日本/吉田道場)
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)

<PRIDE無差別級GP 2回戦>
藤田和之(日本/フリー)
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

<PRIDE無差別級GP 2回戦>
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)

<PRIDE無差別級GP 2回戦>
ジュシュ・バーネット(アメリカ/AMCパンクレイション)
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)

いや、素晴らしい。手放しで絶賛したい。が、これが見られないかもしれないのである。
この興行自体は間違いなく開催されるだろうが、いくら発表されたと言えど、決勝ラウンドは本当にあるのか。
何の先行きも見えない。会見があったにも関わらずだ。
結局、何もかもがファンの見えないところで進んでいるという感触は、いつまで経っても拭えないままだ。

PRIDEは面白いし、存続に向けて応援したい。したいが、今の段階では信用できない。安直にDSEを非難したくはないが、残念ながら消費者としては、リスクを冒して金銭を注ぎ込めない。もう一つ爆弾が落ちれば、次はどうなるのか?
とりあえず、スカパーの動向と、7月の興行をどのような形で行うか、に注目したい。
posted at 2006/06/09 23:02 | ルシフ |
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2006/06/05

格闘技ブームの終焉か。PRIDE放送打ち切り 

週刊現代等で報じられていた、フジテレビのPRIDE放送の打ち切りが、ついに現実となってしまった。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/headlines/20060605-00000038-spnavi-spo.html

武士道の地上波、ハッスルも打ち切り。
桜庭ショックが今年のトップニュースだとばかり思っていたが、甘かった。とんでもない打ち上げ花火だ。

 
まさか昨日見たPPVが、最後の観戦になるとは……。お、オレはいったい何のためにスカパーに……!
事がヤクザ絡みなら、K−1にも飛び火するかもしれない。最悪、二大メジャーがなくなって地上波放送もなくなり、ジャパンマネーを求めてやってきた選手は再び海外へ散り、国内ではビッグマッチは見られなくなるかもしれない。格闘技に対するイメージは悪化し、それは当然、小規模な団体にも影響する。
なんというか、色々とPRIDEの運営やら方針やらも批判してきたけど、競技性の無視やらスター偏重やらでゆっくりと衰退していくのではなく、こんな感じでいきなりジ・エンドを迎えることになるとは……。
石井館長の脱税でも打ち切られなかった放送が、まさかこんなにもあっさりと……。いったい何があったのか?

とりあえずは続報を待とう。
だが、希望はないのかもしれない。日本人は、みんな修斗やパンクラスに戻るのかなあ。Kが潰れたら、魔裟斗や佐藤もTITANSに行くのかなあ。イグナショフは引退して、大学の先生になっちゃうのかなあ。

……ふ〜……。

posted at 2006/06/05 23:16 | ルシフ |
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2006/06/04

2006/6/4 PRIDE武士道 試合感想 

え〜、二日続けてのノーカット観戦ということで、もうお腹いっぱいです。と言いながらも、昨日も今日も追っかけ再生で見てたから、煽りと試合以外はほとんどすっ飛ばしてましたが……。
でも、今日は面白かったですね。2100円払ったかいがありましたよ。

 
<第1試合 ライト級>
ジェイソン・ブラック
オ・ウォンジン

K−1もこういうスリム韓国人を連れてくればいいのになあ。首狙いがいい感じのジェイソン、寝技では完全に押しているのだが、ウォンジンは打撃で押し返す。あんまり上手い打撃じゃないのに、後退するジェイソン。とはいえ早々と失速したウォンジンを捕まえ、サイドから顔に膝、タオル投入となった。
ま〜なんつうかオープニングファイトでしたが、ジェイソンの寝技は見てて面白かった。

<第2試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
ムリーロ・ブスタマンチ
アマール・スロエフ

これはちょっと驚きの展開、15分に渡ってお見合いファイト。スロエフが一発入れたからよかったものの、それがなければどういう判定になったのだろう。ローが当たった分、スロエフか? アレキがボクシングを磨いてアグレッシブさが影を潜めてしまったが、スロエフはその小さい版という感じ。ブス先生は、このファイトは作戦だったのか、テイクダウンがとれなかっただけか。

<第3試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
パウロ・フィリオ
グレゴリー・ブーシェラゲム

ものすごい勢いでテイクダウン、サイド、マウントを取り続けるパウロ。うーむ、これがこのまま判定で勝ってしまうパウロ黄金パターンか。それでもマウントでパンチ打ってるからどっかで決まるかな、と思ったのだが、ブ−シエラゲムも凌いでしまったではないか。
この調子でパウロは全員を押さえ込んで勝つつもりなのだろうか。リアリズムだなあ。

<第4試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
長南 亮
ジョーイ・ヴィラセニョール

なんとなく長南の顔には親しみを感じるなあ、と突然思ったのだが、 ドニー・イェン に似てるんだ。基本的に日本人にはアンチなんだが、そういうわけで長南を応援だ。
残念ながら、長南は映画のドニーほど強くなく、一進一退の攻防。ヴィラセニョールも打撃を受けてずるずる下がるシーンがあるだけに、攻めきれない長南が歯がゆい。お互い上も取り、決め手がないまま終了、ホームタウンデシジョンで長南。どっちとも取れる内容でしたが。

<第5試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
瀧本 誠
ゲガール・ムサシ

打撃をかいくぐって上を取った瀧本、電光石火の腕十字! ついに金メダリストの本領発揮、アンチを吹き飛ばす完璧なる一本勝ち、いざ夢の郷野戦へ……と思いきや、完全に極まったように見えた十字から、なんとムサシが回って逃れてしまう。瞬時にバックを取り、背後からのコツコツパンチで瀧本を痛めつけるムサシ。こうなると柔道着も邪魔なだけで、何もできないままコントロールされパウンドを浴び続ける。
そのまま眼下底を砕かれ、ブレイク後にドクターストップ。目をこする瀧本は、ほぼ戦意喪失か。ムサシくん……と呼ぶとしょっぱい誰かのようだが、ムサシはスムーズに動いていていい感じの選手。次が楽しみだ。

<第6試合 ライト級>
石田光洋
マーカス・アウレリオ

打撃でプレッシャーをかけようとするアウレリオに対し、上を取ってパウンドを落とす石田。アウレリオは下から関節を仕掛けるが、勢いに潰され極まる気配なし。ほとんどこの展開に終始し、改めてこのルール、この判定でのグラップラー不利を思い知らされる結果になってしまった。
間接的に虚仮にされた、リングサイドの五味の面白く無さげな顔は良かった。五味さん、この屈辱を闘志に変えて、再び茨城軍団を打ち砕いて下さい。

<第7試合 ライト級>
川尻達也
チャ−ルズ・“クレイジー・ホース”・ベネット

ベネットはお馴染みの挑発を繰り返すんだが、川尻はまったくつき合わず。徹底したグラップリングで腕、足と狙いを変えて圧勝。こういうのは空気読めとか言われないのか。顔見せワンマッチの典型。そしてまたも面白くなさそうな五味さん!

<第8試合 ライト級>
桜井“マッハ”速人
オラフ・アルフォンソ

おお、イルマッツみたいだ、と喜んでいたのも束の間、アルフォンソ、マッハさんのカウンターを浴びて失神! 暴行犯への怒りをぶつけるかのごとく、追い打ちをかけるマッハ。アルフォンソが強いのかどうかわからなかったが、マッハさんの落ち着いた表情が印象に残った。そして、ここではちょっと嬉しそうな五味さんでした。

<第9試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
郷野聡寛
ヘクター・ロンバード

すまん郷野選手、渾身の入場パフォーマンスも早送りしちゃったよ。会場の人は、あれで喜んでたんですか?
とはいえ、試合は良かったなあ。ロンバードのラッシュを凌ぎ、着実にスタミナを奪っていく磐石の内容。打撃も切れてるし、こういう試合は好きだ。14分の時点でKOすれば理想だけど、これはトーナメントだから、勝ちに行く姿勢で当然OKだ。
これで吉田道場は全滅。充分予想できた結果だったが……。身体能力だけでは勝てない、総合の醍醐味を感じさせてくれた試合で、個人的には好きである。

<第10試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
デニス・カーン
ムリーロ・ニンジャ

開始早々の右ストレート、そしてパウンド連打でカーン圧勝〜! あらゆる階級で挫折し続けるニンジャ。他の相手ならなんとかなったのかもしれないが……。
カーン強すぎるね。パウロなら押さえ込めるだろうか?

<第11試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
三崎和雄
フィル・バローニ

序盤のハンドスピードは驚異的だったバローニだが、三崎は膝を当てて出足を封じ、細かい攻撃で上下に散らしてバロー二のスタミナを殺しにかかる。郷野もそうだが、こういう試合運びは地味でも評価したいな。こういった攻めがあるからこそ、一発逆転を狙ってパンチを振るい続けるバローニも光るわけだし……。とはいえ、そのバローニも終盤は完全に光を消され、三崎は軽く打ち合う余裕さえ見せる。
判定圧勝で三崎。リングサイドでは近藤が面白くなさそうな顔を……嘘です、来てません。

初のPPVということで、大いに楽しみましたね〜。ちょっと感想は愛想ないですが、武士道リアルタイムで通して見るのは初なので、まあご勘弁を。
ダンヘンを加えてのセカンドも、楽しみです。
posted at 2006/06/04 23:21 | ルシフ |
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2006/05/28

2006/6/4 PRIDE武士道 試合順決定 

いや〜今日ね、はじめてPPVの購入ボタンを押しましたよ。手が震えたね(嘘)。
でも、これは楽しみですな。

<第11試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
三崎和雄
フィル・バローニ

<第10試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
デニス・カーン
ムリーロ・ニンジャ

<第9試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
郷野聡寛
ヘクター・ロンバード

<第8試合 ライト級>
桜井“マッハ”速人
オラフ・アルフォンソ

<第7試合 ライト級>
川尻達也
チャ−ルズ・“クレイジー・ホース”・ベネット

<第6試合 ライト級>
石田光洋
マーカス・アウレリオ

<第5試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
瀧本 誠
ゲガール・ムサシ

<第4試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
長南 亮
ジョーイ・ヴィラセニョール

<第3試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
パウロ・フィリオ
ユン・ドンシク

<第2試合 ウェルター級トーナメント1回戦>
ムリーロ・ブスタマンチ
アマール・スロエフ

<第1試合 ライト級>
ジェイソン・ブラック
オ・ウォンジン

 
桜庭、美濃輪、近藤、ダンヘンがいないとこんなに地味なのか、という感じだが、ぶっちゃけた話、この四人が出ても一回戦勝てるとは限らない、それぐらいのレベルじゃなかろうか。カーンVSニンジャとか、もったいないぐらい。初見の選手も多くて、先入観なしに楽しめそうである。逆に言うと思い入れがないわけだが、そんなものはこれから作っていけばいいんだよね(何言ってるんだ)。海外勢には、世界の壁の高さを見せつけて欲しいものである。

ところでアウレリオは第8試合ぐらいに入れて欲しかった。五味に叩きのめされた二人より前って……。無責任にベネットを応援しよう。
posted at 2006/05/28 22:04 | ルシフ |
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2006/05/01

2006/5/5 PRIDE無差別級GP一回戦 全カード決定 

いや〜、良かった良かった、ノゲイラは取りあえず出るんですね。これがなきゃ完全に憤死ものだった。
とはいえ、さんざん参戦予定と煽ったシウバがついに出ないというのはねえ……。ちゃんと報道したゴン格はえらいよ。取材規制されてなきゃいいけど。
どこもかしこも出る出る詐欺か……。大阪のファンは完全になめられてますねえ。
金返せ! 全額返さなくていいけど、一万円ぐらい返せ!

▼第8試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
西島洋介(日本/高田道場)

▼第7試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
VS
ズール(ブラジル/B-TOUGH)

▼第6試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
美濃輪育久(日本/フリー)
VS
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)

▼第5試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
藤田和之(日本/フリー)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)

▼第4試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
ジョシュ・バーネット(アメリカ/AMC)
VS
エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル)

▼第3試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
高阪 剛(日本/チーム・アライアンス)
VS
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)

▼第2試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
VS
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)

▼第1試合 スペシャルワンマッチ
ローマン・ゼンツォフ(ロシア/レッド・デビル)
VS
ギルバート・アイブル(オランダ/ボスジム)


 
予想は改めてやりますが、ワタクシの中で楽しみな試合は、

1.バーネットVSアレキ

そこそこ楽しめるかな、という試合は

2.高阪VSハント
3.アリスターVSファブ

期待してないけど番狂わせ起きないかな、という試合は、

4.藤田VSトンプソン

試合抜きで、一回生で見てみたいのが

ミルコのみ
ノゲイラのみ

おおっと〜! なぜか後半に進めば進むほど期待感が下がって行くぞ!? 最後の三試合は完全にスターの顔見せ試合! ひで〜! おととしのヘビー級GPより格落ちのメンバーの中に、格落ちどころか場違いな選手も混じってる……という印象。このギリギリのタイミングで、まったく練習してないであろうデブの参戦。契約消化のオープニングマッチ。こんなこっちゃ、中堅選手がどんどんモチベーションをなくしていきますよ。

あまりにつまらなさそうなので、仰天サプライズとして、その場で二回戦をやる、というのはどうかな。吉田VS西島が終わった後に、いきなりミルコVSアリスターとかが始まったら、もう帰る時間とか忘れて応援するね。ありえね〜。
posted at 2006/05/01 16:34 | ルシフ |
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2006/04/20

2006/5/5 PRIDE無差別級GP開幕戦 2カード決定。新システム確定? 

藤田和之(日本/フリー)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)

アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
VS
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)

藤田VSトンプソン、やるかなとは思ってたが、しっかり決定してしまった。榊原社長は、ほんと口だけだな。

 
実績、知名度、人気、すべての面で藤田が圧倒的に上回っていて、ドリーム感は一切ないが、実は相性その他考えても現在の実力にほとんど差はないんじゃないかと思える、非常に危険なカード。ファーストコンタクトでトンプソンが激勝する可能性もあるんじゃないか。長引けば藤田有利のはずだが、実際のところ2、3年前の状態を維持できてるのかな?

アリスターVSファブリシオは、PRIDE31の勝者同士ということで、良くも悪くも第二試合という印象のカード。昨年のミドル級GPでボブチャンチン、先の大会でハリト−ノフと、優勝候補を刈り取ってきたアリスターだが、こういう期待感のない試合でどこまで持ち味を出すか。もしもここでも圧勝すれば、「次はミルコ」というところまで浮上するのは確実であろうだけに、今後のためにも頑張ってほしい。ファブリシオも難敵続きで不遇だが、つまらなくても勝てばファンの支持は集まる。……といいたいところだが、「新システム」というのがあるからねえ。

さて、残りの参戦選手に、まだノゲイラ、シウバ、ハントが残っていて、後は高阪。現在すでに5試合決定しているから、普通に考えればこの四人の組み合わせで2試合決定して終わり……ということになるはず。が、藤田や吉田を残すのにここまで気を使っているDSEが、この三人をぶつけるかな? それぞれ別の相手を用意して、トータル8試合を行い、投票やら人気やらで一人はねる「新システム」の導入は、もはや決定したも同然ではないか。ファブリシオは判定勝ちしても残れそうにない。哀れ……。
posted at 2006/04/20 00:00 | ルシフ |
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2006/04/15

チケット買ったぜ&藤田和之PRIDE復帰! 

大晦日のドタバタ以来、復帰待望論の高まっていた藤田が無差別級GPに参戦決定。やれやれ、カード発表遅すぎると思ったら、このせいかよ。
ここは大晦日に流れたノゲイラ戦で決まりでしょ! ……ありえない? なにせ3年ぶりの参戦なのだから、きっちり実力を査定できる相手と組んで欲しい。が、いいとこトンプソン戦だろうか。それでもかなり危ないんじゃないかと思うのだが……。
ハント戦なんかも面白そうだし、ぜひ組んでほしいなあ。榊原社長は自信ありげですがねえ。未だに組み合わせだけでなく、出場選手さえ揃ってないのはどういうことか。カードを妄想することも出来ない。

チケットはスタンドSを買ってきました。6列目! まあまあかな? 5時から始まるってのが気になるなあ。終わったら10時過ぎるんじゃないか……。自転車で行こうかな……。

 posted at 2006/04/15 00:05 | ルシフ |
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2006/04/08

PRIDEいろいろ。無差別級GPと武士道GPと 

GPと武士道とはある程度わけて考えられるはずだったが、今年は無差別ということでウェルターの選手も無視できず、かなり情報が錯綜している。幸い、対ヘビー要員の美濃輪が無差別、ダンヘンや瀧本など他の上の階級の経験者は武士道GPと、安心できる形に落ち着いてくれた。美濃輪も5月の結果次第で武士道GPに出て行く可能性もあるだろうが、とりあえず楽しみなメンツが揃ったウェルター級GPは無差別の煽りを食うことはなさそうで、良かった良かった。安心して楽しめそうである。

 
郷野のルサンチマンに満ちあふれた瀧本抹殺宣言なども飛び出し、舞台裏も盛り上がっている。外国人もダンヘン、フィリオ、ブス先生、カーン……強すぎる! 昨年はライト級に押された感じだったが、メンバーも大きく変わり、勢力図がかなり動くだろう。16人が対等の条件で強さを競い合う……今からわくわくしますな。

それに対して、榊原社長の「新システム」発言が飛び出し、開幕戦が査定戦を並べただけのワンマッチ大会に成り下がりそうな予感の無差別級。ジョシュVSアレキは文句なし、もったいないぐらいの好カードで楽しみ。ミルコVS美濃輪も、ミルコ実質シードということで、ベスト8にきっちり強者が残るならそれでいいや。文句いうのも飽きて来た。残りのカードに期待。つーか、まだチケット買ってないよ。
posted at 2006/04/08 20:48 | ルシフ |
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2006/03/29

PRIDE31地上波放送を見たよ! 

関西遅すぎるって! 一ヶ月過ぎてるよ! さすがは格闘技不毛の地。
放送とは関係ないが、どこのプロモーションも年一回しか大会しねえもんな。ほんとに単なる地方都市なのよね。まあいまだに買い手も決まってない大阪ドームがあるだけ、ましなんでしょうけど……。

 
全部結果知ってるわけだが、PRIDEの誇る二大惨殺魔、ハリト−ノフ&ショーグンの陥落はやはり衝撃的。ハリト−ノフの半泣きの顔、ショーグンの曲がった腕、ショッキングだ。シウバ乱入もひたすら馬鹿馬鹿しい。いつかの記事でシュートボクセはキラービーと違って、同じハゲでも云々と書いたが、同レベルだとあっさり証明されてしまった。嘆かわしい。
バーネット、ノゲイラ、ハントがそれぞれ日本人を下して、無差別級参戦をアピール。去年のミドル級グランプリの前にも、高橋や横井があえなく散って行ったわけだが、彼等よりもレベルは上と思われる中村もまったく歯が立たないのだから、やはりヘビーのトップ陣は強い。
一本勝ちも多く、総じて面白かった。まあ判定試合はがっちりカットされてるのだが。

しかしほんとに、誰が出るのかよくわからなくなってきましたね〜無差別級。発表は武士道の後でしょうが、まさか美濃輪の結果待ちというわけでもなかろうに……。

せっかく大阪ドームでやるわけですが、まだ行こうかどうしようか迷ってます。行くとしても、たぶんスタンドSでの観戦になると思うんですが……。カードがなあ……でもミルコとノゲイラ見たいなあ……ハントも……。

ミルコ
ノゲイラ
バーネット
ハント
アレキサンダー
コールマン
シウバ
吉田
高阪
アリスター
西島
トンプソン
美濃輪
ダンヘン

……例えば、こんなメンツだと微妙ですねえ。

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