2006/12/31 PRIDE男祭り2006 試合感想
さてさて、こちらは帰宅後の鑑賞となりました。
翌朝が早かったので、試合以外は全部早送り……まあいっか、高田も大したこと言ってなかったようだし……めちゃめちゃ攻めますって、スーパーヘビーとかバカみたいな企画出してないで、ちょっとは守ったら……。
▼第1試合 PRIDEルール
田村潔司(U-FILE CAMP.com)
VS
美濃輪育久(フリー)
京セラドームでメスブタにネタ割られてた試合。しかしKO決着とは思わなかったなあ。
パンチ勝負をかける美濃輪と、それをディフェンスしながら蹴りを合わせる田村。最初からミドルのタイミングがピタリ。うーん、田村さんカウンター上手いね。パンチで攻める美濃輪は勢いがあったが、仕掛ける度にミドルと膝を合わされていた。最後は完全にボディが効いてしまい、ダウン。悶絶したところに田村さんはいやいやサッカーボールキックを見舞い、試合を決めた。
美濃輪は第一試合ということで、会場を盛り上げるためにパンチ勝負を仕掛けたのだろうが、フック中心の組み立てで完全に脇が空いていた。実力差ありありという内容。ここのところ大きな選手ばかりを相手にしていて、久々の等身大の相手を前に小細工抜きで勝負したかったのだろう。だが、そういう大きな選手よりも等身大の相手の方が遥かに危険で、この試合でこそ小細工をすべきだということを、美濃輪はわかっていなかったのだろう。
▼第2試合 PRIDE武士道ルール
青木真也(パラエストラ東京)
VS
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー)
向き合うと、やや青木の方が大きい感じ。開始早々のローを取られたハンセン、いきなり下に。おおお、青木が上になったぞ、ここからどんな仕掛けをするのか? マウントに移行したところでハンセンがスイープ、青木は腕を取ろうとしたが外され、ここで下に。が、ここからが得意パターン。そのままハンセンの動きを封じ、フットチョークでタップを奪った。
いや、強い。ハンセンは寝技の実力差を読み誤ったか、最後までペースを変えられず。うーむ、しかしこのグラウンドの強さは、もう「寝てはいけない」レベルだな。立ったまま決められる五味さんでないともはや対抗できないかも? 次はアウレリオ戦とか見たいなあ。
▼第3試合 PRIDE武士道ルール
郷野聡寛(GRABKA)
VS
近藤有己(パンクラスism)
徹底したアウトボクシングで、近藤の攻撃を封じ込める郷野。いや、上手い……カウンターにロープ際でのステップ、近藤は前進するものの、距離に入れず何もできない。
書けばこれだけだが、郷野の圧勝だろう。しかし判定はスプリット。郷野めちゃめちゃ怒ってたよ。
▼第4試合 PRIDEルール
中村和裕(吉田道場)
VS
マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ/ミドル級GP2005覇者)
意外にも中村大健闘。パンチの打ち合いではやや優位に立つ。が、グラウンドに持ち込んだショーグンは目まぐるしく動き、マウント、バックを次々に奪取。ちょっと強引なせいか、極めるところまでは到らないが、ポジショニングでは圧倒。中村は防戦一方。
中村が粘ったのが意外だったが、極めきられないショーグンにもイライラしたな。
▼第5試合 PRIDE武士道ルール
川尻達也(日本/T-BLOOD)
VS
ギルバート・メレンデス(アメリカ/ジェイク・シールズ・ファイティング・チーム)
いや、これは今までの武士道の顔見世試合がバカみたいに見える、ものすごい大熱戦。しかしメレンデスが、65キロでやってたとは思えないデカさ。ショートのパンチは川尻がやや精度で上かな、と思ったが、ミドルレンジになるとメレンデスの右ストレートがズバリ。まったく休むことなく、15分撃ち合う。幾度もパンチと膝が交錯し、お互いのタックルを切りまくる。ほぼ互角の内容かと思ったが、判定はメレンデス。スタミナの残量と、与えたダメージでやや上回ったか? しかし、
メレンデス HP150-ダメージ90=60
川尻 HP140-ダメージ85=55
という感じで、ぎりぎりのフィジカルの差が出たかな。しかし物凄いパンチ勝負だったが、それでも我らが王者にパンチ勝負を挑むのはまだまだ早いんじゃあないかな。これで青木VSメレンデスは一気に黄金カードになり、気を使って組まなかったはずの川尻VSハンセンは無価値になってしまった。これがメジャーイベントの罪深さか(笑)。
▼第6試合 PRIDEルール
藤田和之(日本/『TeamJapan』藤田事務所)
VS
エルダリ・クルニターゼ(グルジア)
うわあ、レスリングモンスター、顎が上がり過ぎだよ。これでももらわないのはアローナだが、これは期待できない。しかしワンパンチで決まるかと思ったが、なんと脳が揺れるのではなく、組んだ状態での手打ちパンチで心が折れた。
最悪。完全に戦意を喪失してるのに、またレフェリーが止めないし。ここでも弱いものいじめか。
▼第7試合 PRIDE武士道ルール
五味隆典 (久我山ラスカル/PRIDEライト級王者)
VS
石田光洋(T-BLOOD)
いい子ぶってんじゃねえ、友達同士仲良くやってんなよ、と爽やか嫌いのオレの気持ちを代弁するかのように五味さんが吠える! 茨城軍団最後の一人、抹殺宣言。
おたがいにどのようなイズムがあろうが、リングでは一対一、立っていた者が勝者。
……しかしムラがある人だな……(笑)。前回のビビリファイトはどうしたのか、五味さん最初っから余裕全開。何発目かの石田の左ミドルに合わせ、左ストレートが直撃! 一発で目がいった石田、後はパウンドでめった打ち! つええ……!
「石田選手、ありがとうございました(笑)」
いや〜なんて嫌な人なんだ。最高です。次は青木かメレンデスか?
▼第8試合 PRIDEルール
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)
いやはや、最初のグラウンドから逃れた時、「マジメに練習してきました」というのが透けて見えて、ウルウル来たね。でかくて技術のない噛ませ犬で美濃輪とやる寸前の人みたいに言われてきたトンさんが、藤田戦での打撃開眼(負けたが)に続き、グラウンド技術にも開眼! 柔道着を脱いだ吉田ver大晦日、こちらもデビュー以来必死に修得してきた打撃で勝負を挑む! パンチをまともに受けてのけぞるトンさん、やはり彼は噛ませなのか、藤田戦のごとく名勝負を演出して終わるのが相応しいのか、と思われた。
しかし関節技を凌いだトンの右フックが、ついに吉田を吹き飛ばす! ロープ際まで飛ばされたところに踏みつけも直撃! しがみついて逃れようとしたところを、ロープから飛び出す吉田。首から落ち、顔面にも蹴り直撃。立ち上がったがすでに棒立ち。そこへパンチと膝の嵐! ガードも出来ずに立ち尽くす吉田。再びもつれてテイクダウンされたところで……なんとドントムーブ! 出た〜! 桜庭を再起不能寸前に追い込んだあの技だ! しかし吉田、リング中央に戻ることも出来ず、横たわったまま。これはもうムリだ、と思ったら、なんとレフェリーが吉田の手を引っ張って、無理矢理リング中央に! ホンマンがボビーに止めをくれるべく、リング中央に引っ張り戻したのを見たばっかりだったので、既視感を覚えてぞっとしたね。
なおも降り注ぐトンさんのパウンド、悠々とマウントを取ったところで、ようやくタオルが投入された。いやあ、やっちゃったなあ、さすがPRIDEレフェリー陣。全試合、ストップが遅いということで一貫してるのを見ると、失神するまで止めるなと指導されてるとか思えんね。スター選手にも同じ条件を強いるあたり、えこひいきの強いKー1とは違いますよ(褒めてませんよ)。
▼セミファイナル 第9試合 PRIDEルール
ジョシュ・バーネット(アメリカ/フリー)
VS
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
ジョシュのコンディションが心配だったが……結論から言えばまあまあだったか? しかし今回はパンチ勝負から膝狙い、実に手堅い攻めで来たノゲイラ。グラウンドでもポジションのキープを優先か。ジョシュもスタンド、グラウンド問わず渡り合ってみせるが、完全に勝ちに来たノゲイラの攻めをかわしきれず、徐々に疲れが出始める。ギロチンが極まってればすごかったんだが、抜けたノゲイラ、判定で完勝。
まあ前回ほどじゃなかったが、充分に面白かったですよ。
▼メインイベント 第10試合 PRIDEヘビー級タイトルマッチ PRIDEルール
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッド・デビル)
VS
マーク・ハント (ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)
開始早々のテイクダウン&腕十字で秒殺……にはならず。ふっ、惜しい。スタンド勝負でハントのパンチがヒョードルの顔面を掠め、ひやりとする場面もあったが、直撃はなし。ヒョードルはパンチを餌にテイクダウン狙い。不完全なんだが、投げで倒してしまうあたりがさすがだ。ただのタックルでは倒れないことが「試合前から」わかっている。これがヒョードルの強さの最大の理由だろうね。
上を取られて手こずったものの、最後はアームロックを仕掛けて完勝。ダメだ……やはり強い。あとはジョシュがどこまで肉薄できるかだな。
クソ試合は一個だけで、他はみんな面白かったですね。残酷ショーを面白がってはいかんのだが……。今回は美濃輪が息抜き試合という自分の役を藤田に取られてしまったのがミステイクだったかな。
来年以降のスケジュールや、ミルコ離脱に関してはまた別記事で。
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