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過去ログ PRIDEその3

2006/9/10 PRIDE無差別級GP決勝 ワンマッチカード 

http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1156217518

中村和裕(日本/吉田道場)
VS
中尾“KISS”芳広(日本/フリー)

西島洋介(日本/高田道場)
VS
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

見られるかわからんアメリカ大会よりも、まずこっちでしょう。いや、来たね〜。

 
中村和裕(日本/吉田道場)
VS
中尾“KISS”芳広(日本/フリー)

ああ……キモッ! 気持ち悪い、気持ち悪いが見ずにはいられない、そんな不気味な魅力のあるカードだ。

自己保身に満ちた「PRIDE愛」と、二つのイベントを渡り歩いた「上昇志向」。
いくら勝とうがどうしようもないキャラクター性の薄さと、試合以前の結果によって作られた濃すぎるキャラクター性。
あまりに対照的な二人だ。

そんな二人が、イベントへの愛情や、お笑いの才能というそれぞれの「得意分野」ではなく、「総合格闘技」というジャンルで決着をつけねばならないことが、なんだか不思議に感じられさえするなあ。愛で勝てるなら苦労はしないし、お笑いの才能は格闘家としての強さにはむしろ足かせにしかならないのは、中尾だけでなく道着脱いで負けた人も証明してしまっている。

なんかね……勝った方が新たな日本人スターになる、とか、PRIDEファンの誰も思ってないだろうね。かろうじてどちらが強いかは証明されるだろうが、勝った方は強さと関係ないイベント愛やキャラクターをますます全面に押し出し、リングの上で強さを証明すると言う格闘技の本分はどんどんなおざりにされていく。
地味でキャラの薄い中村が、努力で世界の強豪に立ち向かう、という構図は、別に中村が好きでない私にしても普通に受け入れられるものだった。試合がつまらないのはあるが、勝ちと言う結果に文句をつけるわけではないし、むしろその結果に対してだけはリスペクトする。が、中尾という毒薬を一滴垂らしただけで、ひたむきな中村カズがかくもドロドロとしたイメージに染まるのか……と思うと、ちょっと暗澹たる感慨を抱いてしまう。試合後、中尾がなにを言うかの方が試合内容より気になる。
「勝った負けた」以外の因縁など必要ないんだが……。お笑い路線はやはりほどほどにしてもらいたい。


西島洋介(日本/高田道場)
VS
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

うーん、吉田道場に完敗した者同士か……。長所があって穴もあるスタイルが共通する同士をぶつけて、その長所を光らせようというマッチメイクの意図は別に否定しない。が、共にその穴を満天下に知らしめた直後だけに、仮にどちらかが長所を見せつけて勝っても、「どうせ寝技行ったら何にもできねえじゃん」と冷めた視線にさらされるだけではないか。
地上波がなくなって、いわゆる「一見」はほとんどいないと言っていいだろう。試合を見るのはコアなファンだけなのだ。こういう小手先だけのマッチメイクは、勘弁してもらいたい。

うーん、噂ではまだアローナとか、あるんですよね? ハリVSアレキみたいに、とまでは言わないから、もう少しピリッとした試合を入れて欲しいなあ。

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過去ログ PRIDEその2

2006/12/31 PRIDE男祭り2006 試合感想 

さてさて、こちらは帰宅後の鑑賞となりました。
翌朝が早かったので、試合以外は全部早送り……まあいっか、高田も大したこと言ってなかったようだし……めちゃめちゃ攻めますって、スーパーヘビーとかバカみたいな企画出してないで、ちょっとは守ったら……。

 
▼第1試合 PRIDEルール
田村潔司(U-FILE CAMP.com)
VS
美濃輪育久(フリー)

京セラドームでメスブタにネタ割られてた試合。しかしKO決着とは思わなかったなあ。
パンチ勝負をかける美濃輪と、それをディフェンスしながら蹴りを合わせる田村。最初からミドルのタイミングがピタリ。うーん、田村さんカウンター上手いね。パンチで攻める美濃輪は勢いがあったが、仕掛ける度にミドルと膝を合わされていた。最後は完全にボディが効いてしまい、ダウン。悶絶したところに田村さんはいやいやサッカーボールキックを見舞い、試合を決めた。
美濃輪は第一試合ということで、会場を盛り上げるためにパンチ勝負を仕掛けたのだろうが、フック中心の組み立てで完全に脇が空いていた。実力差ありありという内容。ここのところ大きな選手ばかりを相手にしていて、久々の等身大の相手を前に小細工抜きで勝負したかったのだろう。だが、そういう大きな選手よりも等身大の相手の方が遥かに危険で、この試合でこそ小細工をすべきだということを、美濃輪はわかっていなかったのだろう。


▼第2試合 PRIDE武士道ルール
青木真也(パラエストラ東京)
VS
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー)

向き合うと、やや青木の方が大きい感じ。開始早々のローを取られたハンセン、いきなり下に。おおお、青木が上になったぞ、ここからどんな仕掛けをするのか? マウントに移行したところでハンセンがスイープ、青木は腕を取ろうとしたが外され、ここで下に。が、ここからが得意パターン。そのままハンセンの動きを封じ、フットチョークでタップを奪った。
いや、強い。ハンセンは寝技の実力差を読み誤ったか、最後までペースを変えられず。うーむ、しかしこのグラウンドの強さは、もう「寝てはいけない」レベルだな。立ったまま決められる五味さんでないともはや対抗できないかも? 次はアウレリオ戦とか見たいなあ。


▼第3試合 PRIDE武士道ルール
郷野聡寛(GRABKA)
VS
近藤有己(パンクラスism)

徹底したアウトボクシングで、近藤の攻撃を封じ込める郷野。いや、上手い……カウンターにロープ際でのステップ、近藤は前進するものの、距離に入れず何もできない。
書けばこれだけだが、郷野の圧勝だろう。しかし判定はスプリット。郷野めちゃめちゃ怒ってたよ。


▼第4試合 PRIDEルール
中村和裕(吉田道場)
VS
マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ/ミドル級GP2005覇者)

意外にも中村大健闘。パンチの打ち合いではやや優位に立つ。が、グラウンドに持ち込んだショーグンは目まぐるしく動き、マウント、バックを次々に奪取。ちょっと強引なせいか、極めるところまでは到らないが、ポジショニングでは圧倒。中村は防戦一方。
中村が粘ったのが意外だったが、極めきられないショーグンにもイライラしたな。


▼第5試合 PRIDE武士道ルール
川尻達也(日本/T-BLOOD)
VS
ギルバート・メレンデス(アメリカ/ジェイク・シールズ・ファイティング・チーム)

いや、これは今までの武士道の顔見世試合がバカみたいに見える、ものすごい大熱戦。しかしメレンデスが、65キロでやってたとは思えないデカさ。ショートのパンチは川尻がやや精度で上かな、と思ったが、ミドルレンジになるとメレンデスの右ストレートがズバリ。まったく休むことなく、15分撃ち合う。幾度もパンチと膝が交錯し、お互いのタックルを切りまくる。ほぼ互角の内容かと思ったが、判定はメレンデス。スタミナの残量と、与えたダメージでやや上回ったか? しかし、

メレンデス HP150-ダメージ90=60
川尻 HP140-ダメージ85=55

という感じで、ぎりぎりのフィジカルの差が出たかな。しかし物凄いパンチ勝負だったが、それでも我らが王者にパンチ勝負を挑むのはまだまだ早いんじゃあないかな。これで青木VSメレンデスは一気に黄金カードになり、気を使って組まなかったはずの川尻VSハンセンは無価値になってしまった。これがメジャーイベントの罪深さか(笑)。


▼第6試合 PRIDEルール
藤田和之(日本/『TeamJapan』藤田事務所)
VS
エルダリ・クルニターゼ(グルジア)

うわあ、レスリングモンスター、顎が上がり過ぎだよ。これでももらわないのはアローナだが、これは期待できない。しかしワンパンチで決まるかと思ったが、なんと脳が揺れるのではなく、組んだ状態での手打ちパンチで心が折れた。
最悪。完全に戦意を喪失してるのに、またレフェリーが止めないし。ここでも弱いものいじめか。


▼第7試合 PRIDE武士道ルール
五味隆典 (久我山ラスカル/PRIDEライト級王者)
VS
石田光洋(T-BLOOD)

いい子ぶってんじゃねえ、友達同士仲良くやってんなよ、と爽やか嫌いのオレの気持ちを代弁するかのように五味さんが吠える! 茨城軍団最後の一人、抹殺宣言。
おたがいにどのようなイズムがあろうが、リングでは一対一、立っていた者が勝者。
……しかしムラがある人だな……(笑)。前回のビビリファイトはどうしたのか、五味さん最初っから余裕全開。何発目かの石田の左ミドルに合わせ、左ストレートが直撃! 一発で目がいった石田、後はパウンドでめった打ち! つええ……!

「石田選手、ありがとうございました(笑)」

いや〜なんて嫌な人なんだ。最高です。次は青木かメレンデスか?


▼第8試合 PRIDEルール
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)

いやはや、最初のグラウンドから逃れた時、「マジメに練習してきました」というのが透けて見えて、ウルウル来たね。でかくて技術のない噛ませ犬で美濃輪とやる寸前の人みたいに言われてきたトンさんが、藤田戦での打撃開眼(負けたが)に続き、グラウンド技術にも開眼! 柔道着を脱いだ吉田ver大晦日、こちらもデビュー以来必死に修得してきた打撃で勝負を挑む! パンチをまともに受けてのけぞるトンさん、やはり彼は噛ませなのか、藤田戦のごとく名勝負を演出して終わるのが相応しいのか、と思われた。
しかし関節技を凌いだトンの右フックが、ついに吉田を吹き飛ばす! ロープ際まで飛ばされたところに踏みつけも直撃! しがみついて逃れようとしたところを、ロープから飛び出す吉田。首から落ち、顔面にも蹴り直撃。立ち上がったがすでに棒立ち。そこへパンチと膝の嵐! ガードも出来ずに立ち尽くす吉田。再びもつれてテイクダウンされたところで……なんとドントムーブ! 出た〜! 桜庭を再起不能寸前に追い込んだあの技だ! しかし吉田、リング中央に戻ることも出来ず、横たわったまま。これはもうムリだ、と思ったら、なんとレフェリーが吉田の手を引っ張って、無理矢理リング中央に! ホンマンがボビーに止めをくれるべく、リング中央に引っ張り戻したのを見たばっかりだったので、既視感を覚えてぞっとしたね。
なおも降り注ぐトンさんのパウンド、悠々とマウントを取ったところで、ようやくタオルが投入された。いやあ、やっちゃったなあ、さすがPRIDEレフェリー陣。全試合、ストップが遅いということで一貫してるのを見ると、失神するまで止めるなと指導されてるとか思えんね。スター選手にも同じ条件を強いるあたり、えこひいきの強いKー1とは違いますよ(褒めてませんよ)。


▼セミファイナル 第9試合 PRIDEルール
ジョシュ・バーネット(アメリカ/フリー)
VS
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)

ジョシュのコンディションが心配だったが……結論から言えばまあまあだったか? しかし今回はパンチ勝負から膝狙い、実に手堅い攻めで来たノゲイラ。グラウンドでもポジションのキープを優先か。ジョシュもスタンド、グラウンド問わず渡り合ってみせるが、完全に勝ちに来たノゲイラの攻めをかわしきれず、徐々に疲れが出始める。ギロチンが極まってればすごかったんだが、抜けたノゲイラ、判定で完勝。
まあ前回ほどじゃなかったが、充分に面白かったですよ。


▼メインイベント 第10試合 PRIDEヘビー級タイトルマッチ PRIDEルール
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッド・デビル)
VS
マーク・ハント (ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)

開始早々のテイクダウン&腕十字で秒殺……にはならず。ふっ、惜しい。スタンド勝負でハントのパンチがヒョードルの顔面を掠め、ひやりとする場面もあったが、直撃はなし。ヒョードルはパンチを餌にテイクダウン狙い。不完全なんだが、投げで倒してしまうあたりがさすがだ。ただのタックルでは倒れないことが「試合前から」わかっている。これがヒョードルの強さの最大の理由だろうね。
上を取られて手こずったものの、最後はアームロックを仕掛けて完勝。ダメだ……やはり強い。あとはジョシュがどこまで肉薄できるかだな。

クソ試合は一個だけで、他はみんな面白かったですね。残酷ショーを面白がってはいかんのだが……。今回は美濃輪が息抜き試合という自分の役を藤田に取られてしまったのがミステイクだったかな。
来年以降のスケジュールや、ミルコ離脱に関してはまた別記事で。

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過去ログ PRIDEその1

谷川Pと秋山の会見について。

この物言い、誰かに似てるな……どっかで聞いたことあるな……。
谷Pの今回の会見要旨を見て、ふとそう感じたのである。ん〜? 誰だ? 最近の話でもないけど、そう昔でもないような……?


秋山に関しては全然思うことはなし。権利として提訴して、無効になったから決着つけたい。実質、鼻血噴いて這いつくばったのは自分だから、リベンジしたい。選手がそう思うのは当たり前のこと。
ただ、その反面、三崎の方は、裁定が覆ろうが勝ったのは俺、最後に立っててマイクしたのは俺、という意識が当然あるだろう。少なくともしばらくの間は、勝ち逃げしたいはずだ。

ただ、その勝ち逃げを許さない取り決めが、FEGと旧DSEの間でなされていたというから、これまた驚きだった。

「どっちが勝っても負けても二試合やろう」

あまり聞かない話だが、やはりこれは「やれんのか!」が一回限りというイベントなため。なんとか流れを次のFEGの大会につなげようという、プロモーターとしての谷Pらしい発想の産物と言っていいだろう。
勝負論としての最初から二試合というのは、確かにおかしく感じるが、さりとて異常とも思わない。PRIDEでもどこでも、王者のノンタイトル戦を想像すればいい。ランク外の選手と興行のために消化試合をやって、ポカ負け。今度はタイトルを賭けて再戦……。五味とアウレリオの対戦が例だが、それの変則的な形と思えば今回もさほど変とも思わない。K-1においても、「リベンジ」と題して人気選手に再戦の機会が与えられることは数多くあった。例えばアンディ・フグだ……。伝説を汚したくはないが、彼の栄光にも作られた面があることは、まったく否定できない。

ただ、結局のところ、それが「契約」という形で残っていないのでは、いくら「モラル違反」と吠えようが、どうしようもない。口約束も選手とするなら結構だが、プロモーター同士で選手の意向を無視してそのような取り決めを交わすなど、愚の骨頂だろう。これは、同じく戦極との契約についても然りで、三崎が勝ち逃げを決め込むことの精神性はさておき、自団体ときっちり契約を結んでいない選手を「モラル」を楯に拘束しようなどともっての他である。

http://gbring.com/sokuho/news/2008_01/0123_yarennoka_02.htm

>もちろん三崎選手と秋山選手の再戦は僕は約束してることだと思うし、実現させるのはそうだと思うんですけども、選手個人が自分の気持ちで動くというのは団体同士が対立しているんだったらこれはしょうがないことだと思うんですが、いくらでもプロモーター同士の話し合いが出来ると思いますし、他の団体に出ちゃいけないってことも思いませんけど、それが格闘技界の中で一番もめる要素になる。

格闘技界は冷え込んでる……だからプロモーター同士も利益の追求を置いて話し合ってやってる……だから選手もプロモーターのいうことを聞け……。
おかしな話である。団体同士が対立していてOKなものが、なぜ仲良くしていたら駄目になるのか? そこには「契約」という概念ありきで、団体が対立してマネーゲームやってたら、契約を反故にしてでも移籍するメリットが出てくる。引き抜き合いがなくなれば、需要がなくなった選手は自団体に留まるしかない。だが、仲良くやってるからと言って契約通りに「貸し出し」されてそれで満足しておけ、というのはあまりに傲慢だろう。選手はプロモーターの道具ではない。まして、三崎はもはや契約さえしていない。
肝心の契約がないことの苦しさは、谷Pとて充分にわかっているだろう。サップ騒動で契約の重要性は痛感しているはずだ。しかし今回の会見で三崎を非難するためには、いかにも苦しい「モラル」を持ち出してみせるしかなかった。是が非でも再戦を実現するには、それしか材料がないからだ。

ここまで考えて思い出した。今はサッカーチームやってるあの人の、あの発言にそっくりだよ。引用してみよう。

http://www.boutreview.com/data/news05/060503heros-sakuraba.html

>彼は家族の一員で、信頼関係があれば契約は必要ないと思っていた。愛する気持ちは憎しみにもエネルギーにもなる。気持ちに溝があったということ。僕個人は裏切られたという気持ち。

権力の通じなくなった権力者が、モラルや信頼という耳障りのいい言葉を持ち出して同情を誘おうとする……まったくよくある話だ。

今回の発言で……大連立発足以降、薄々感じていたことだが……確信に変わったことがある。日本の格闘技界は苦しい状況にあるから団結しよう、大連立で皆で頑張っていこう……初めは、耳に心地よく素晴らしいことに聞こえる。しかし、その頑張っていく方向性はどっちだ? こういうマッチメイクをして、お客さんの熱気を取り戻していこう。こういうストーリーを作っていこう。「最高権力者」がそういう筋書きを考える。だが、それが本当に正しい道なのか? 別の方向性もあるんではないか? そういった疑問や反対意見はどこへ行くのか? 話し合って……なるほど、確かに「やれんのか!」運営委員とは話合って、口約束したことだろう。だが、選手の意見が違ったらどうする? 「秋山VS三崎」再戦は正しい手段なのか?
残念ながら、選手にしろ弱小プロモーションにしろ、反対意見は潰されるか、非難を受けるのが落ちだろう。お題目はもちろん「格闘技界がもめる要素になる」だ。格闘技界を混乱させて、以前の状態に戻すのか? それは格闘技界全体の不利益になる。だから、おまえら個人の権利は行使するな、我慢して言う通りにしろ、それが格闘技界のためだ……。
この卑劣さには、反吐が出る。格闘技界、ファンの気持ち、そういったものを「人質」にして、選手の行動を縛ろうというのである。断れば、ファン無視、独善のレッテルを貼って村八分……格闘技村の村長様の決定である。
大連立と聞こえはいいが、要は唯一最大の大プロモーションによる一極支配、全体主義の始まりだ。そのトップの意向、方針が格闘技界の「総意」となる。このままでは、そういう時代がやってくる。

三崎よ、菊田よ、貴方がたの「勝ち逃げ」「保身」の行為は、確かに格好のいいことではないかもしれない。だが、奴隷として生きるよりは、逃げ出して別の場所でやり直す勇気の方が尊いと思う。ぜひとも逃げ切って見せてくれ。

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過去ログ HEROSその6

『Dynamite!!』に求められるもの。競技性とお茶の間受けの狭間で。 

少々早いが、大晦日の話題である。カードが発表されてしまう前でなければ、言えないこともあるので、今の内に書いてしまおう。
昨年も生観戦したのだが、正直言って勝負論的にもテーマ的にも、ひどい内容だったと思う。雑な一回限りのルールが頻発し、人工的かつ粗雑な一本勝ちが連発された。良かったのは魔裟斗VSKIDと、セフォーVSグッドリッジだけだった。それも、戦前には魔裟斗有利と言われながら、KIDの予想外の健闘で内容的に救われたのと、セフォーの対パンチャー相手の相性の良さが光った結果であり、これらも一つ間違えば凡戦になる可能性を多分に孕んでいた。
今年も視聴率を取れるかが話題になっているが、これははっきり言ってしまって取れるだろう。他の番組にはもう勢いがない。KID対須藤だけで、ある程度保証されたようなものだ。
競合のPRIDE男祭りも、視聴率では今年も問題にならないだろう。あの1年のダイジェスト満載の冗長な構成は嫌いだし、クオリティは保証済みだが新味はない。五味対マッハなど、コアなファン向けのカードは我々は楽しみだが、地上波しか見ない層には何らアピールにならないだろう。あとは王者級をいつもどおり揃えてくるだろうから、それなりの内容に期待したい。

 

あとの興味は、『Dynamite!!』がどれだけテーマ性のある見る価値のあるイベントに仕上がるか、という点に集中される。
まず、大晦日、という日にちの設定には、それなりに意味合いがなくてはならない。それは、1年の総決算というテーマである。現在、主催のFEGは、K-1WGP、K-1MAX、HEROSという、三つのイベントを開催している。それらの興行の総決算的な意味合いのある試合をまず組むべきである。これに異種格闘技戦……お祭りカードを加え、まず四本の柱として確立すべきだ。

四本の柱……
Kー1ヘビー級……ワンマッチ最強は誰?
Kー1ミドル級……カリスマは誰?
HERO'S決勝……70キロ級最強決定戦
異種格闘技……大物参戦・視聴率

まず、この中でHEROSはすでに形が出来上がっている。一年間やってきたトーナメントの決勝が、ここで行われる。上手い具合に須藤とKIDという二大カリスマの激突が実現した。人気も話題性も十分であり、それぞれのスタイルの違いなども勝負として十分にテーマになり得る。放っておいてもいい部分だ。
これに加え、秋山対ホイスが組まれた。現在は未開催だが来年あるかもしれない80キロ級のトーナメントにつながる試合として、秋山の実力査定を兼ねたマッチメイクであり、来年以降のHEROSの展開を占う重要な試合になる。仮に秋山が大晦日男ホイスに惨敗すれば、来年は総合も70キロ級とヘビーが主体になってくるであろうことは想像に難くない。

問題は、残りのカードということになる。

今年のMAXはアンディ・サワーが制した。そして、負傷棄権でそのサワーとの対戦が実現しなかった魔裟斗が対戦を熱望している。よって、MAXの今年の総決算としてサワー対魔裟斗……正直、なんの問題もないと思う。昨年のKID戦ほどの話題にはならないだろうが、そちらはすでにHEROSがあるのだからいいだろう。運にも恵まれて勝ち上がったサワーの王者としての実力査定と、欠場によって実力を試す機会を失った魔裟斗の査定、「王者」と「カリスマ」というMAXの二つの軸の激突だ。
だが、谷川Pはこのカードに乗り気ではないということ。魔裟斗の怪我の具合もあるだろうが、「MAXでも組めるカード」という発言には頷けない。普通にMAXの日程や魔裟斗の近年の試合数を考えれば、決勝大会の準決勝以降にしか実現の可能性のないのは明白である。開幕戦で王者同士をぶつけるのもまずありえないだろう。
そして、魔裟斗の相手、という観点で見れば、もはや誰もいない。先だってのワンマッチ大会では存在感を示せた選手はいなかった。単純に勝ったからと言って、佐藤やHAYATOが入ってくることなどあり得ない。逆にサワーの相手、という意味ではクラウスやザンビディスなどでも面白いと思うが、それこそ「MAXでも組めるカード」だろう。
ここはやはり今年の総決算として、サワー対魔裟斗という必然性のある試合を実現してほしいのだが……。

続いてK−1ヘビー級である。飛び抜けた強さや幻想を持っている選手がいない現在、こちらもお祭り的カードが組めない状況になっている。
本来なら、2003年までのK-1で3月に行われていたワンマッチ最強決定戦を、この大晦日に投入することを提言したいところだ。だが、昨年のバンナ対サップは、実はこれに相当するカードのはずであったのに、低迷していたサップの救済策としてミックスルールを導入した結果、緊張感の感じられないぐだぐだの試合になってしまった。
かつてのバンナ対フィリオ、ミルコ対サップなどに匹敵するカードが組める状況ではなくなってしまっている。ホーストがワンマッチ専念を宣言しているため、これに強豪をぶつけるのがベターな選択だろうか。ただ、GP優勝者がようやく勝ち得た栄冠の重みに酔う間もなく、ホーストと対戦したがるかというと……。
そうなると、やはり去年のセフォー対グッドリッジのような、派手な殴り合いの期待できるカードを組むしかないだろう。これに関してはGP決勝を待たねばなんとも言えないところではある。今後の発表を待ちたい。

最後に、大物参戦による異種格闘技路線である。これに関しては、上記の今年の総決算的カードがうまく組めていれば、競技性は確保できる。あとは添え物感覚で何をやってもいいのである。問題は、これらの本来ゲスト的な存在であるべき単発のカードが、メインに祭り上げられてしまっていることなのだ。ただ、曙、サップにはもはや話題を勝ち得る力はなく、昨年は視聴率においても魔裟斗対KIDが上回った。ヒクソンやタイソンが出るならいざ知らず、今年こそは分をわきまえておまけの座に甘んじてほしいものだ。

これらの四本の柱となるカードを「重し」としてどんと据えれば、あとは少々お遊びカードを組んでもよくなるはずである。本来、立ち技、組技、それぞれのスペシャリストである選手たちを、無理に畑違いの分野に参戦させて話題づくりをしてきたわけだが、ヘビー級の立て直し、MAXの成熟、HEROSの開催と、それぞれに軸がはっきりしてきた今こそ、腰を据えて「お祭り」という言葉に「何でもあり」という安直なイメージを求めない、真に1年の総決算となるイベント作りをすべきである。
これだけの視聴率を取っている現在、「大晦日しか格闘技を見ない」層も数多く存在しているはずで、そういった人々にそれまでの一年間のイベントに目を向けてもらうためにも、「流れ」を実感できる試合を組んでほしい。
コアなファンに見放されて久しいK−1だが、それならばこそ現在のお茶の間層をコア化するぐらいの気概を持つべきだろう。

……おまけで、今年まじに心配していること。「プロレスラー」曙の参戦により、とうとう「プロレス」の試合が組まれてしまったりしないだろうか。男祭りで小川対高田総統が組まれたらえらいことだが……。

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過去ログ HEROSその5

2006/8/5 HEROS  KID欠場。ミドル級トーナメント カード決定 

さてさて、無事に(?)KID欠場も発表され、ミドル級のカードも決定。

http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html

なんつうかねえ、別に看板通り「人類最強」とか「世界最強」とか、決まらなくてもいいわけですよ。どうせ世界中の選手集められるわけじゃなし。
でもね、トーナメントやる以上は『HEROS最強』は決めてもらわなければならない。これじゃ三位決定戦ですよ。宇野や高谷にはKIDを破る要素があるし、所も須藤となら噛み合うと思ってただけにね……。

 

宇野 薫 vs. ブラックマンバ
所 英男 vs. イヴァン・メンジヴァー
高谷裕之 vs. J.Z. カルバン
安廣一哉 vs. ハニ・ヤヒーラ

ブラック・マンバは、ローセンよりも総合慣れしてるし、実はハンセン並みの当て勘がある選手だとしたら面白い。ちょっと期待し過ぎか? 宇野の固いところは今回も充分、有効に働くと思うんだが。
メンジヴァーは前回はいまいちいいところが見えなかったが……。今回で実力が見えるのか? 人気投票一位は結構なことだが、所はやはり出てはいけない選手だろう。今年は二つのKO負けと一つの一本負けを喫し、心身のダメージも計りしれないのではないか。あせりの出る時期だと思うし、チャンスを無駄にしたくないだろうが、ここは休んでほしかった。投票したファンは善意でやっているのだろうが、正直、見識を疑いたい。今回、また深刻なダメージを受けるような負け方をしたら?
高谷VSカルバンは純粋に楽しみなカードで、ちょっとほっとしたな。スタンドでもパウンドでも面白そうだ。高谷も丸一年棒に振ったわけだが、ここらで上を狙ってほしい。
安廣の総合転向自体は、個人的には賛成。このトーナメントのエントリーには反対だけど、MAXでは佐藤、TATSJIの台頭を抑えるどころかHAYATOにまで負けた。テクニック的にも限界が見えている。身体能力の高さや勝負度胸の良さを生かせる方へいってほしい。しかしヤヒーラとは……。デビュー戦は綺麗に眠らされそうだ。

ライトヘビーと2本立てだから、辛うじて生きながらえた感じの大会。いや、ほんとに桜庭がいなければどうなってたんだろうね。ただ、KID離脱も桜庭の存在が影を落としている可能性もあるが……。いい意味で捉えると、自分が抜けてもダメージが小さくてすむというところか?

まあしょぼいカードだが、あとは内容に期待したい。前回もなんだかんだ言って試合内容はいいものもあった。とはいえ、4秒殺のKID先生がいないのは、そちらの意味でも大きな痛手だが……。

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