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                                          堕天使のコロッセオ

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過去ログ HEROSその2

2007/10/28 HEROS韓国大会 試合感想
地方なんで、1時間だけの放送。KO、一本が続けば、これぐらいの放送でも十分だけど。
しかし深夜ということで、当日は早寝して、翌朝早めに起きて見た。SBとRISEの速報も見られなかったから、フラストレーション溜まったぜ。
SBはオガケン粉々、ビッグベン早くも幻想崩壊、シャバリもSBルールに飲み込まれ、RISEじゃ口だけ須藤が惨敗。いや〜大変な日でしたね。
そしてHEROSでは、それ以上の大アップセットが待ち受けていたのである。

▼HERO’Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
キム・ミンス(韓国/フリー)

キム・ミンスはザ・マウンテン!?
ただのデブだけでなく、ギルバート・アイブルみたいな選手にも勝ってるミノワマンだけに、さすがに勝つと思ったのだが、想像以上に劣化している。足関節とかあるのに、バカの一つ覚えのようなパンチ勝負。田村さんには一蹴されたスタイルだが、ミンスはK-1WGPアジア予選準優勝の打撃の使い手だぜ?(笑)
と言いながらも、やってることはおなじみ顎上がりまくりの連打なのだが、圧力をかけながらやや脇を絞ってコンパクトに打ってるせいか、ミノワマンが反撃できない。距離が詰まると膝を突き上げ、フックばかり狙ってるミノワマンは対応が遅れる。4点で膝をもらった時も、すでに効き始めてたし、だいたいPRIDE戦士が4点膝もらったらだめだわな。その後も滅多打ち。ストップはPRIDEだったら余裕で続けてたタイミングだったが、それこそ桜庭じゃないんだからさっさと止めて正解だろう。
しかし、HEROSヘビー級では最低ランクなミンスに対してこれでは、あとはもう、勝てる相手を特別に引っ張ってきてもらうしかないだろう。野球とかなんとか、自己鍛錬に熱心なのは結構だが、相手を見据えた戦術が決定的に足りない。カウンターのタイミングさえ合えば勝ち目も出たろうに、「本能」とか言ってるようでは……。
が、これでも大晦日出てきてしまうような気がするなあ。ボビーか柴田あたりならなんとか……。


▼第3試合 HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
ホ・ミンソク (韓国/CMA KOREA)
柴田勝頼 (日本/ARMS)

今や瀕死のPRIDEオフィシャルサイトにおいて、最後のニュースとなったミノワマンの対戦相手発表。PRIDEでも何でもない大会で相手を務めたのが、このホ・ミンソク。結果は一本負けということで、大した選手じゃねえだろう、と思ったのだが、それでも柴田より遥かに打撃上手いじゃん……。
きっちり頭を振ってくるので、コンビネーションがなく、単発か連打しかない柴田では捉えきれない。一度飛び膝がヒットしたあたりは良かったが、その後もミンソクが癖なのか頭を低く振り過ぎてるのに狙わなかったのは、作戦ではなく偶然だったからか。
グラウンドになった部分でも、足関節にこだわりすぎてパウンドをもらい続けるという、マンバ戦の所みたいなミス。スタンドに戻った時はもうヨロヨロ。
もう名前で出てられる期間はそろそろ終わりかな。唯一の白星であるヤマヨシ戦も、当のヤマヨシが惨めな負けを繰り返してるし……。


▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
金泰泳(正道会館)
VS
ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/シュートボクセアカデミー)

弁慶のハイキックはやっ! と思ったら終わった。アクシデントだが、勝負論的には完全に避けきれなかった金の完敗。またライトヘビートーナメントでも再戦したらいいんじゃないかな。あるいは、K-185キロに出陣というのも……。


▼HERO’Sルール 93kg契約 5分3R
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
VS
ポアイ菅沼(アメリカ/BJ PENN MMA ACADEMY)

素人の寝技能力が残酷なまでに明らかになってしまった試合。インディーズのトップとメジャーの素人を、安直にぶつけると、結局どちらの価値も落とすことになる……いや、ポアイは初めてテレビに出られて無問題なのか?
それにしてもゲストの天野はうるさかったな。ある意味、「一部ファン層」を代表しているあたりが余計にイヤというか……。


▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
デニス・カーン(カナダ/アメリカン・トップチーム)
VS
秋山成勲(フリー)

試合前の谷Pの話では、秋山にオーラなし、という話だったのだが、さすがに当日は全然違う。やる気満々だよ。対するカーンもいつもながらの鋭い目つき。見合ったシーンでは、やはり例の減量法か、カーンがひと回り大きい。得意の右ストレートのリーチ差も含め、こりゃ圧勝かな……と思ったのだが……。
鼻が切れたあたりで嫌な予感がしたが、そこらあたりから距離が詰まり、秋山の出入りが早くなってくる。ジャブも当たりはじめ、カーンの右ストレートが空を切る場面も。それでもまだまだわからんと思ってたのだが、左のフェイントにはまったカーン、まともにアッパーをもらって失神!
カーン、よえぇーっ! かつてガオグライに一発で沈められた時も、あのイケメンよえぇーっ!と思ったものだが、あれの再現。攻められるともろい、というのは本当だったのか……。カーンが一発KO、失神した秋山のグローブからこぼれでるメリケンサック……というのが、アンチヌルヌルの描いた最高のシナリオだったと思うが、そんな目論みが粉々にされたアッパー一発、これが格闘技ですな〜。
和田レフェリーの私怨のこもった執拗な手つきにも動じない、秋山の空気読まなさは、ある種の痛快ささえ放っている。恐るべし秋山、これはもうPRIDE最強のパウロ・フィリオがその鉄の法則を知らしめるしかない(もうWEC行っちゃったけど……)。

別にこれでみそぎが終わったとかそういうことはなく、秋山が「前科者」だという事実はずっと残る。ただ、前科者だから試合してはいけない、業界から抹殺されなければならないというのは、もはや差別でありファシズム。格闘技を冒涜する秋山から居場所を奪いたければ、選手が力と技でもって成し遂げるしかない。それができそうな選手が誰もいない、という事実に耐えられない脆弱な神経の持ち主には、さぞ腹立たしいことであろうが……。

さて、本当に秋山は悔い改めたのであろうか? 個人的にはどうでもいいことだが。
カーンを叩き潰した秋山の戦闘能力はますます高まり、それはもはや品性や良識などといった次元を超えつつあるのかもしれない。卑怯者だ、前科者だ、怪物だ、韓国人だ、と外野がいくらわめこうが、いっさい関係なく白星を積み上げていくのかもしれない。いくらスポンサーが離れようが、それが格闘家の個人的実力にどの程度影響を及ぼすというのか。怪物が人間に戻ることなく、誰からも愛されぬまま強さだけは絶対的な存在となる……それは亀田兄弟がなりえなかった姿だ。
怪物を倒せる勇者は、果たして現れるのか? それこそが真のHEROである……というのはいささか扇情的に過ぎるだろうが、HEROが現れない現実を突き付けることも、また格闘技のリアリズムである、ということだけは言明しておこう。

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過去ログ HEROSその1

2007/12/31「やれんのかDynamite!! 」試合感想

皆さん、新年おめでとうございます。
昨日生観戦だった人も、テレビ観戦だった人も、録画してまだ見てない方も、今年も生暖かく格闘技を見守っていきましょう。

では、正月から仕事して研ぎ澄まされた?脳髄で書きます、「やれんのかDynamite!! 」感想。

ささっと飯食ってテレビ前を占拠したものの、煽りと過去Vだけで1時間が経過してしまった。こういう流れなのはわかってるけど、かといって何時に試合始まるかはわからんわけだからなあ。
順番後先になるが、この大晦日は本当に「中継」で、時間帯時間帯で視聴率を取ることしか考えておらず、「番組」としての完成度なんてはなから度外視なんですな。ひとまとまりとしての起承転結なんて考えておらず、ザッピングして見てる人に「お? あれそろそろかな?」と思わせてチャンネルを変えさせないことしか考えていない。だから、同じ煽り、同じCMをいくらでも挟む。通して見ている人間の苦痛など考えもしないわけだ。ん? 何を今さらわかりきったことをって? いや、大晦日のテレビ観戦なんて、曙VSサップ以来だし。


▼第1試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA(フリー/第5回世界キックボクシング選手権アジア大会54Kg級優勝/15歳) 59.7kg
VS
才賀紀左衛門(=さいが・きざえもん/大誠塾/18歳) 58.9kg

▼第2試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
久保賢司(立川キックボクシングアカデミー/NJKFフライ級王者、WPMO世界同級王者/18歳) 58.7kg
VS
雄大(=ゆうだい/治政館/16歳) 58.7kg

▼第7試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント決勝戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA
VS
雄大

さて、まずはK-1甲子園。3試合まとめて。才賀は一人だけキックの動きしてなくて面白かったが、その分安定度には欠けたか。ただ、あとの2試合が途中のラウンドカットされたことには、そういったわかりやすい派手さの有無も随分影響していたのではないか。
決勝ではまさかの「角田アグレッシブ」が炸裂! 出た〜! しかし倒しに行くプロ意識というのは、それが日頃から欠如しているジャパン勢に言うのはまあいいとして、デビュー戦のガキに言うもんじゃないよなあ。大人の選手でも、途端に打ち合う奴とかいて驚くが、この試合ではほぼペースは変わらず。
どうせいじめやしごきの蔓延してるだろうたこ壷みたいな野球部に、「さわやかさ」や「一生懸命さ」というカラーを塗りたくった高校野球という「商品」は嫌いだが、今回もまだまだプロのレベルじゃない試合に、そういった付加価値を与えてなんとか商品にしようとした作為がちらちら見えていらいらする。「横綱」とか「U」とか、役にも立たないよその権威を自ら名乗るのもテレビで名乗らせるのも、お互い大人なんだから勝手にすればいい。だが、子供にそういう看板をぶら下げてメディアに露出させるだけで充分に下衆なことなのに、さらに「プロ」として視聴率まで稼げというのは履き違えているとしか言い様がない。この場合こそ、角田にはこう言ってしまいたい。だったらおまえがプレデターとやれ!
魔裟斗や畑山からも「若さがない」との批判が飛び出したが、この「若さ」ってのは単に年齢じゃなく、精神的なもの、子供特有のある意味理性に欠けた感情のことだわな。

「無垢な者は無軌道なのではない……自由なのだ、心が」

だが、若者が心を解き放つのには、大晦日は雑音が多すぎる。


▼第3試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
宮田和幸(フリー) 69.9kg
VS
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー) 70.5kgで500gオーバー

テレビではメイン。アナウンサーの宇野に対するキラー発言の連発には笑ったなあ。かつてKIDも解説席に座ってる時に、「神の子を倒した男〜!」とザンビディスについて叫ばれて思わず苦笑いで突っ込んでいたが、これを失礼とか言うのはお門違いだろう。ザンビディスやハンセンの勝利は彼等自身の勲章であり、何人もそれを奪うことはできない。そして敗者にとってもその敗北は、財産としても傷としても、やはり一生背負っていかねばならないものなのだ。

「膝、よそ見してるともらいますよ」

と、内心、憤懣はあったかもしれないが自分しか持ち得ない体験を材料に解説してみせた宇野は、本当に立派である。そしてハンセンに敗れた宇野だからこそ実感をもって語れる解説を、非情に徹して引き出したアナウンサーはまさに「グッジョブ!」なのであった。……違うかなあ、単に無神経なだけかなあ、やっぱり。

ハンセンクラスには勝っておきたい、と大言した宮田だが、結果は非情。シャオリン戦の完敗と同じく、トップどころとの差をまたも証明。全局面で実力の差がはっきり見える試合だった。大連立が続けば、さらなるハンセンの活躍、宇野との再戦もあるだろう。


▼第4試合 HERO'Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム) 85.0kg
VS
西島洋介(高田道場)公開計量には不参加

魔裟斗さんの「パンチでも勝つ」はまさにホラだが、西島の「パンチなら勝てる」は単にびびってるだけですわなあ。マヌーフの蹴りを交えた打撃にずるずると後退し、首相撲の仕掛けからあっさりとテイクダウン。するするとパスガードして、マウントパンチで終了。
よええーっ! 大殴り合いを展開したハント戦の幻想を、未だに本人だけが追い求めているのがよくわかる。K-1ルールで出てもローキックだけで終わりだろう。ボクシングしたいんなら、また海外に行って試合すればいいだろう。記者会見では知名度で人集めていい気になっても、試合になればいつも同じ。曙とまったく同じだ。そろそろハッスルに行けばいい。もはやつり合う相手はいな……あ、総合ルールでレコさんとか……。


▼第5試合 HERO'Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
ズール(ブラジル/ルタ・リブレ)

サッカーではなくマラソンを見せられるとは思わなかった。ローを蹴りながら相手が疲れるのを待つ……という馬鹿でも思い付く作戦は、1ラウンド終盤に捕まってしまい大失敗。ミノワマンにとっても大誤算だったろうが、ズールは落ち着いて作戦を読んでいたか。2ラウンドはさらに早い段階で捕まり、ミノワマンは寝技のディフェンスだけで精いっぱい。もちろん体格差あってのことだろうが、しかしもしかしてスタミナや技術でも負けてるんじゃないか……と勘ぐりたくなる。
3ラウンド、パウンドを浴びてタオル投入。素直に所戦を受けておけば良かったのになあ。しかしこないだのミンス戦といい、HEROSに来てから急に無差別で勝てなくなった。体格差も考慮した上での潜在的な強さを計れない、マッチメイクのミス……ということにしておこうか。


▼第6試合 HERO'Sルール 5分3R
田村潔司(U-FILE CAMP) 83.9kg
VS
所英男(チームゼスト) 70.1kg
※15㎏以上の差がないため、試合は通常ルールで行われる

開始前に所がビンタ。ひ、ヒーリング!? うかつだ……あまりにうかつだよ所。試合前に一発食らわすという行為から、一昨年のあの事件を想起しない人間がいると思うかね。ゲイ疑惑で一世を風靡した中尾事件、も、もしかして田村さんも……!? 違う違う、別に田村さんはキスしてないよ。ということは、所の方が……!? な、なぜそういう思考になるという突っ込みも空しく、妄想は突き進み田村VS所という試合が、田村×所というカップリングになってしまった。いや、別に俺でなくてもこういう妄想をめぐらす腐女子はいるはず! 格闘技の多様な楽しみ方を推奨するワタクシでも、さすがにこれはいただけない。小柄でなよなよした所を、兄貴風吹かす田村が後輩の尊敬の感情を逆手に取って思うままにする……組み伏せてその欲望に滾った(以下自粛)。
バカなことを書くのはこれぐらいにしといて、自分よりはるかにちっちゃい相手に対して悠然と構えて見せる田村さんは、自分の価値の守り方をやっぱり知ってるなあ。それに立ち向かいつつも屈服する自分に酔っている所との関係は、やはりどこかSM的に見える……ってどうしてもそっち系の妄想から逃れられない!

田村
「ふっふっふ、どうしてほしいんだ? ちゃんとお願いしてみろ」


「ああっ、お願いです田村さん……あなたのUのテクニックでどうか僕をめちゃめちゃにしてください……!」

田村が涙のパンチで高田を粉砕した引退試合には、こんなホモ臭い妄想をかき立てられる要素は微塵も感じなかったんだが、何が違うんだろう。やっぱり否応なく役割分担を考えさせるこの体格差がいかんのだよ(無理矢理)。下になった所はなすすべなく……っていくらまじめに試合展開を書こうとしても、どうもふざけてしまうので、これぐらいにしておこう。
テレビではまったく放送されなかったんだが、試合後のトロフィー授与で前田が田村にトロフィーを投げ付け授与。誰だよ、この人選した奴。責任者出てこいよ。今まで所を手取り足取り自ら身体で指導してきた前田さんが、濃密な時間を過ごす二人の姿を見せつけられたんだぞ! 前田さんの嫉妬に狂った気持ちを考えてみろ!
あ〜俺の文章にしてはうまく落ちたじゃないか。

この後は真面目な試合が続き……続き……続かんなあ……。

昨日は、ホモネタで引いた人が多いんじゃないかなあ。まあやおいも人生と格闘技のスパイスということで……って昨日と全然言ってることが違うよ。
「KY」というのが去年ははやりましたが、まあ知ったこっちゃないですね。僕は常に「AKY」か「OOKY」です。「あえて空気読まない」「おまえらがオレの空気読め」。

▼第8試合 K-1ルール 3分3R延長2R
武蔵(正道会館)
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)

なんか武蔵さんの髪が伸びて、顔も太くなって、微妙に出来損なった長州みたいだな〜と事前情報の段階でも思ってたのだが、リングインしてあらビックリ! なに、この緩みきったバディは!? 畑山さんも動き悪いですね〜とはっきり言ってしまっていたが、確かにひどいコンディション。こりゃあアッカを選ぶわけだわ。こんな身体じゃペタスや藤本にも殺されるよ。全然蹴りも出ず、相変わらずの手打ちパンチ。それでもアッカがラッシュしてる時も、ここで武蔵が負けてくれるなんて微塵も期待しなかったけれど。
バテバテになった芸人と打ち合って、カウンター入れて勝利。いや〜ひどかった。全然練習してないっしょ。これじゃ最近のセフォーだよ。オヘア戦とか、大晦日でも無駄に調子は良かったのが通例なんだが、いったいどうしたんだ? 逆に心配になる……というと嘘になるけれど、今年はまじで引退イヤーかもね。


▼第9試合 K-1ルール 3分3R延長2R
ニコラス・ペタス(デンマーク/チーム・スピリットAE)
VS
キム・ヨンヒョン(韓国/テウン会館)

昨年はハリVSペタスが追加で「わーい!」と言ってたのだが、今年は巨人かあ……。しかしテレビで見るまで忘れてたんだが、ヨンヒョンってうちの会社の係長に似てるんだよなあ。まったくの私怨ながら、痛い目に合いやがれという気持ちになり、序盤ペタスを応援。しかしローキックで段々くの字になってきたあたりで、なんか気の毒になってきた。T係長、頑張って下さい! しかしオレの声援もむなしく、完全に頭が下がったところでパンチを浴びてKO。
シュルト、ホンマンという二人が、いかに規格外の存在かがわかる、典型的なただの巨人でした。ペタスも久々の勝利なのはわかるが騒ぎ過ぎ。
翌日会社で、本人がいないところを見計らって、「あの巨人、Tさんに似てるよな〜」と言ってまわってたのだが、あまり賛同者は得られず、残念!?


▼第10試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R延長2R
魔裟斗(シルバーウルフ) 69.9kg
VS
チェ・ヨンス(韓国/KAHN GYM) 67.5kg

去年、一昨年と、ほんとはイヤないし怪我してて辛い状態での参戦だった魔裟斗さん。恒例のボクサーいじめと言いつつも、本人はまた脚痛めたらどうしようなあ、というリスクも背負っていたはず。しかし……しかし今年は……なに、このベストコンディション……。どういう理由か太り過ぎだからお笑い芸人を相手に選んだ武蔵さんと、去年よりは確実に強いであろう相手ながら自分も絶好調すぎる魔裟斗さん。どちらがよりイジメ度が高いかというと難しいなあ。が、二人の性格の違いが現れているのは間違いない。
しかし「パンチで打ち合う」と「ホースト仕込みのローキック」をどう織りまぜるかにばかり注目していたので、あのハイキックはまったく見えなかった。頭が下がって最短距離で当たったんだから当然だろうが……なに、この切れ……このコンディションだったら、せめてカラコダかドラゴとやろうよ……。
ヨンスもなかなか粘ったが、やはり無理があった感じ。でも韓国予選で出てくる分には面白そうかな。


▼第11試合 HERO'Sルール 5分3R
ボブ・サップ(アメリカ/チームビースト)
VS
ボビー・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)

わっ、またグラハムとペタスがサップのセコンドだよ。オランダじゃ赤っ恥かかされたのに、よく懲りないもんだ。しかしこうやってサップのバックアップすることで、自分達にも話題が集まりオファーが来やすくなるわけでしょうから、ギブアンドテイクなんですな。そういえば、魔裟斗ともサップともガオグライとも切れた伊原会長は、本当に最近見かけなくなった。
ズールよりも走れるサップは、ボビーもあっさり捕まえてしまい、基本どおりパスガード。体格差のある普通の総合の試合って、まあこうなっちゃうよねえ、ということで、もうボビーの使いどころもなくなってきたなあ。来年、まだ生き残ってたらアッカ戦かな?
マウントパンチで普通に終わり、実に予定調和。ここでミラクルを演出するサップの心の弱さに期待したんだが……。これでサップは心置きなくハッスルに出られるわけだ。さっさと行っちゃってください。


▼セミファイナル(第12試合) HERO'Sルール 135ポンド契約 5分3R
山本"KID"徳郁(KRAZY BEE/HERO'S2005ミドル級王者) 61.2kg
VS
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術/ADCC2007優勝) 62.7kgで約1.5kgオーバー

絶対グラウンドに行かないぞと決意を固めてるらしいKIDさんと、寝技行きたいヤヒーラ。減量も失敗したが、当日はやはりちょい体重差ありか? KIDさんは同階級でもやはり小さい。
しかしタイミング合わせてパンチ狙ったKIDさん、ついにいい一発当てたと思ったら、ヤヒーラの反撃を顎にもらいふらっとくる。さらにパンチが交錯! おおおおおおお! まあ、なんだ、いくら寝技師っつっても、金網でやってる選手がボクシング練習してないわけないよなあ。振り回しパンチながらわりと打点が正確なところにくるヤヒーラ。今日初めて予定調和が崩壊するか? とちょっと期待したんだが、やはり打ち合いではKIDさんの方が上だった。追い打ちパンチでへたり込んだ時に思わず反則キックを叩き込んだのは、KIDさん自身も相当テンパってた証拠だろう。後にイエローカードが出ているが、パンチで決まってたし、勝敗を覆すような問題ではない。
試合としてはそれなりに面白かったんだが、やっぱり同階級でやるKIDさんは、普通に面白い試合をしながらも、どこか物足りない。ハンデのある70キロという階級で、全てを引っくり返す「神の一撃」を狙っていた時の方が、緊張感があったなあ。で、ほんとに何度も何度も決めたからね。


▼メインイベント(第13試合) HERO'ルール 85kg契約 1R10分 2R5分 延長5分
船木誠勝(ARMS) 84.1kg
VS
桜庭和志(チーム桜畑) 83.1kg

うーん、花道でマスクを取り、澄み切った瞳でリングを見つめる船木さんには、確かに独特の色気のようなものがある。なんか……楽しそうで良かったですねえ。入場だけで「復帰して良かった!」という気持ちがありありと伺える。
対する下柳は……いやいや、ほんとは下柳はどうでもいいんだけど。でも去年は秋山にくっついてる清原に対するカウンターとしての下柳という存在に意味があったわけで、今回は野球関係では全然関係ない遥か前のオープニングファイトで立川だもんなあ。そういえばクロマティはどうなった……?
話が脱線し過ぎだが、上取った桜庭も、「ああ、これこのまま仕掛けてたら極まっちゃうなあ。メインとしては微妙かなあ。入場もあんまりうけてなかったかなあ。来年は下さんはもういいかなあ」とか多分考えてたと思うよ。

メインまで終わってしみじみと思うのが、「行かなくて良かった……」であるあたり、もう本当にネタ切れ。せめてHEROS本戦のストーリーぐらいはこっちにつなげてくれれば、それなりに見られるはずなんだが……。

さて、この後、ヒョードルVSホンマン。へえ〜、もうメインを放送するんだ。これは埼玉も意外と早く終わったのか……と思ってたら、「これよりファイナルマッチ」という煽りも台無しにして、試合順を入れ替えたとのこと。ひでえ〜。そりゃあ俺は見られた方がいいに決まってるが、現地のはへがわさんは怒っただろうねえ。


▼第8試合 1R10分、2R5分 ※4点ポジションでのヒザ蹴り禁止
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級王者)
VS
チェ・ホンマン(韓国/フリー/K-1 WORLD GP2007ベスト8)

テイクダウンを狙うヒョードルだが、腰の強さを発揮するホンマン、バランスもキープして倒れ込みつつ上に! あの巨体を崩すヒョードルの投げも強いんだが、さすがにでかかった。パウンドを落とすホンマンだが、ヒョードルはコールマンを葬った下からの十字「ロシアンデスクロス」、瞬殺かと思いきや、怪力でヒョードルの身体ごと浮かして強引に外すホンマン。一瞬、あのサップVSノゲイラの興奮が甦ったよ。立ち上がったヒョードルは顔面にフックを振ってまたも投げ、しかしリプレイを見るかのような展開でまたもホンマンが上に。そしてまたパウンド、腕十字……同じ技は通用しないかと思ったが、ヒョードルは体重を下に落とし身体全体をマットに引っ掛けるようにして、ホンマンに返させない。タップ……。
うーん、やはり強い。かつては社長に「金に汚い未熟な若者」と言われ、声援は小川ばっかり、煽りはミルコばっかり贔屓されていた寂しき王者だが、そんなことはまったく気にもしていないように、今日もファンに勝利をプレゼントしてみせる。本当に偉大な人だ。


▼第5試合 1R10分、2R5分
三崎和雄(GRABAKA/PRIDEウェルター級GP2006優勝)
VS
秋山成勲(フリー/HERO’S2006ライトへビー級トーナメント優勝)

会社で翌日、上司に「三崎って誰?」と聞かれたが、「テレビが逃げた後でチャンピオンになった選手ですよ。だから誰も知らないんです」とだけ説明。我ながらひどい説明だが、実に不遇だ……。そしてせっかくテレビが帰ってきた(笑)のに、アメリカ行っちゃってる郷野。
ちょっと関係ないが、ミルコさんのハッスル登場は、契約の問題で「やれんのか」の会場やましてやリング上には行けないので、ハッスルでお茶を濁した、という見方が有力だった。……だったら、郷野はどうなんだ? 同じUFCの選手なのに縛りはないの? 知名度が全然違うので、契約もそこまで厳しくないということかな? ここらへん、誰かインタビューしてほしいね。
さらに関係ない話が続くが、ミルコさんのハッスル登場はかつての「プロレスラーって普通の人と同じでしょ」という発言……違った、これはイグさんだよ。「スプーンも持てないんじゃないの?」……また違った、これはイグさんの武蔵のパワーに関する発言。そうそう、サップに2連敗したホーストがアーネスト・ビーストとしてプロレスでリベンジしたことを馬鹿にした発言を自ら裏切るもので、敗北のどん底に落ちた格闘家は、たまにはプロレスしたくなる、という事実を裏付けるものであった。その後、ホーストは緩やかに引退ロードを歩み出すわけだが、ミルコにとってもこれが「終わりの始まり」となるんだろうか。
このまま大連立が続けば、さらに数年してからハッスルで、ミルコ・タイガーとアーネスト・ビーストが四度目の対決をすることも、もしかしてあり得るかもなあ。そうなったら泣いちゃうかもなあ。

脱線しすぎたが、そんなオレの妄想をよそにヌル魔将軍秋山が、悪魔騎士を従えて入場! すげえブーイングだ。しかし本人は蛙の面に小便だ。
そして大声援をしょって三崎入場!
試合はパンチの応酬とローキックの攻防で幕を開ける。お互いにこつこつと当て合い、序盤は差が見えない。三崎おなじみの飛び膝フェイント、ダンヘンもバローニも踏み込ませなかったがパウロには出す間もなかったあれが、ここまでは機能している。だが、ローキックにタイミングを合わせた秋山、静かな集中力でワンツーをヒット! ダウンする三崎に、会場中の「静まり返った」と表現するのもまた違うような息を飲んだような空気が! 次の追い打ちで決まってたらほんとに静まり返ってただろうが、ここは三崎が凌いで立ち上がる。ダメージがないわけではないだろうが、なおも仕掛け続ける三崎。うーん、これは秋山かな〜と思ったのだが、どうも秋山もスタミナが厳しくなってきたようで、三崎の左が当たりはじめる。ははあ、長丁場やったことのない経験のなさがここで……とか思った直後、三崎の左フックが捉えて秋山が崩れ落ちる! すぐに立ち上がろうとした反応の早さがここで明暗を分けた。中途半端な態勢になった秋山に、会場中の怨念のこもった顔面蹴りが炸裂!
すぐさまレフェリーが割って入り、その後、一瞬映ったデニス・カーンと同じ血を流した虚ろな表情をさらした秋山の顔は、二度と地上波に乗ることはなかった……。
立ち上がりかけてたし、別に最後の蹴りは反則じゃないだろう。秋山が猪木アリ状態になろうとしてたら、まだ試合は続いたかもしれないが、立ちに固執したミスはやはり経験のなさゆえだったか。
その後の三崎の説教と、鼻折れてて息できないから口を閉じれず、早く病院に行きたそうな秋山の表情は動画で見て爆笑。

さてPPV買わなかったけど、川尻とマッハが順当、瀧本逆転勝利、石田大金星、青木思わぬ苦戦ということで、まあこれだったら買っても良かったか? 別の日にやってたら間違いなく買ってたと思うけどねえ。

大阪の方はひどかったが、埼玉の中継があってなんとか盛りかえした感じ。
しかし今年の年末は、大連立でいいから、どっちか一か所でやってください。中継がめちゃくちゃすぎて疲れました。ふ〜、それにしてもハプニングのない年明けはいいもんですねえ。
年明け早々、なかなかヘビーな感想文でしたが、またこんな調子でがんばっていきます。

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