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過去ログ PRIDEその1

谷川Pと秋山の会見について。

この物言い、誰かに似てるな……どっかで聞いたことあるな……。
谷Pの今回の会見要旨を見て、ふとそう感じたのである。ん〜? 誰だ? 最近の話でもないけど、そう昔でもないような……?


秋山に関しては全然思うことはなし。権利として提訴して、無効になったから決着つけたい。実質、鼻血噴いて這いつくばったのは自分だから、リベンジしたい。選手がそう思うのは当たり前のこと。
ただ、その反面、三崎の方は、裁定が覆ろうが勝ったのは俺、最後に立っててマイクしたのは俺、という意識が当然あるだろう。少なくともしばらくの間は、勝ち逃げしたいはずだ。

ただ、その勝ち逃げを許さない取り決めが、FEGと旧DSEの間でなされていたというから、これまた驚きだった。

「どっちが勝っても負けても二試合やろう」

あまり聞かない話だが、やはりこれは「やれんのか!」が一回限りというイベントなため。なんとか流れを次のFEGの大会につなげようという、プロモーターとしての谷Pらしい発想の産物と言っていいだろう。
勝負論としての最初から二試合というのは、確かにおかしく感じるが、さりとて異常とも思わない。PRIDEでもどこでも、王者のノンタイトル戦を想像すればいい。ランク外の選手と興行のために消化試合をやって、ポカ負け。今度はタイトルを賭けて再戦……。五味とアウレリオの対戦が例だが、それの変則的な形と思えば今回もさほど変とも思わない。K-1においても、「リベンジ」と題して人気選手に再戦の機会が与えられることは数多くあった。例えばアンディ・フグだ……。伝説を汚したくはないが、彼の栄光にも作られた面があることは、まったく否定できない。

ただ、結局のところ、それが「契約」という形で残っていないのでは、いくら「モラル違反」と吠えようが、どうしようもない。口約束も選手とするなら結構だが、プロモーター同士で選手の意向を無視してそのような取り決めを交わすなど、愚の骨頂だろう。これは、同じく戦極との契約についても然りで、三崎が勝ち逃げを決め込むことの精神性はさておき、自団体ときっちり契約を結んでいない選手を「モラル」を楯に拘束しようなどともっての他である。

http://gbring.com/sokuho/news/2008_01/0123_yarennoka_02.htm

>もちろん三崎選手と秋山選手の再戦は僕は約束してることだと思うし、実現させるのはそうだと思うんですけども、選手個人が自分の気持ちで動くというのは団体同士が対立しているんだったらこれはしょうがないことだと思うんですが、いくらでもプロモーター同士の話し合いが出来ると思いますし、他の団体に出ちゃいけないってことも思いませんけど、それが格闘技界の中で一番もめる要素になる。

格闘技界は冷え込んでる……だからプロモーター同士も利益の追求を置いて話し合ってやってる……だから選手もプロモーターのいうことを聞け……。
おかしな話である。団体同士が対立していてOKなものが、なぜ仲良くしていたら駄目になるのか? そこには「契約」という概念ありきで、団体が対立してマネーゲームやってたら、契約を反故にしてでも移籍するメリットが出てくる。引き抜き合いがなくなれば、需要がなくなった選手は自団体に留まるしかない。だが、仲良くやってるからと言って契約通りに「貸し出し」されてそれで満足しておけ、というのはあまりに傲慢だろう。選手はプロモーターの道具ではない。まして、三崎はもはや契約さえしていない。
肝心の契約がないことの苦しさは、谷Pとて充分にわかっているだろう。サップ騒動で契約の重要性は痛感しているはずだ。しかし今回の会見で三崎を非難するためには、いかにも苦しい「モラル」を持ち出してみせるしかなかった。是が非でも再戦を実現するには、それしか材料がないからだ。

ここまで考えて思い出した。今はサッカーチームやってるあの人の、あの発言にそっくりだよ。引用してみよう。

http://www.boutreview.com/data/news05/060503heros-sakuraba.html

>彼は家族の一員で、信頼関係があれば契約は必要ないと思っていた。愛する気持ちは憎しみにもエネルギーにもなる。気持ちに溝があったということ。僕個人は裏切られたという気持ち。

権力の通じなくなった権力者が、モラルや信頼という耳障りのいい言葉を持ち出して同情を誘おうとする……まったくよくある話だ。

今回の発言で……大連立発足以降、薄々感じていたことだが……確信に変わったことがある。日本の格闘技界は苦しい状況にあるから団結しよう、大連立で皆で頑張っていこう……初めは、耳に心地よく素晴らしいことに聞こえる。しかし、その頑張っていく方向性はどっちだ? こういうマッチメイクをして、お客さんの熱気を取り戻していこう。こういうストーリーを作っていこう。「最高権力者」がそういう筋書きを考える。だが、それが本当に正しい道なのか? 別の方向性もあるんではないか? そういった疑問や反対意見はどこへ行くのか? 話し合って……なるほど、確かに「やれんのか!」運営委員とは話合って、口約束したことだろう。だが、選手の意見が違ったらどうする? 「秋山VS三崎」再戦は正しい手段なのか?
残念ながら、選手にしろ弱小プロモーションにしろ、反対意見は潰されるか、非難を受けるのが落ちだろう。お題目はもちろん「格闘技界がもめる要素になる」だ。格闘技界を混乱させて、以前の状態に戻すのか? それは格闘技界全体の不利益になる。だから、おまえら個人の権利は行使するな、我慢して言う通りにしろ、それが格闘技界のためだ……。
この卑劣さには、反吐が出る。格闘技界、ファンの気持ち、そういったものを「人質」にして、選手の行動を縛ろうというのである。断れば、ファン無視、独善のレッテルを貼って村八分……格闘技村の村長様の決定である。
大連立と聞こえはいいが、要は唯一最大の大プロモーションによる一極支配、全体主義の始まりだ。そのトップの意向、方針が格闘技界の「総意」となる。このままでは、そういう時代がやってくる。

三崎よ、菊田よ、貴方がたの「勝ち逃げ」「保身」の行為は、確かに格好のいいことではないかもしれない。だが、奴隷として生きるよりは、逃げ出して別の場所でやり直す勇気の方が尊いと思う。ぜひとも逃げ切って見せてくれ。

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過去ログ HEROSその6

『Dynamite!!』に求められるもの。競技性とお茶の間受けの狭間で。 

少々早いが、大晦日の話題である。カードが発表されてしまう前でなければ、言えないこともあるので、今の内に書いてしまおう。
昨年も生観戦したのだが、正直言って勝負論的にもテーマ的にも、ひどい内容だったと思う。雑な一回限りのルールが頻発し、人工的かつ粗雑な一本勝ちが連発された。良かったのは魔裟斗VSKIDと、セフォーVSグッドリッジだけだった。それも、戦前には魔裟斗有利と言われながら、KIDの予想外の健闘で内容的に救われたのと、セフォーの対パンチャー相手の相性の良さが光った結果であり、これらも一つ間違えば凡戦になる可能性を多分に孕んでいた。
今年も視聴率を取れるかが話題になっているが、これははっきり言ってしまって取れるだろう。他の番組にはもう勢いがない。KID対須藤だけで、ある程度保証されたようなものだ。
競合のPRIDE男祭りも、視聴率では今年も問題にならないだろう。あの1年のダイジェスト満載の冗長な構成は嫌いだし、クオリティは保証済みだが新味はない。五味対マッハなど、コアなファン向けのカードは我々は楽しみだが、地上波しか見ない層には何らアピールにならないだろう。あとは王者級をいつもどおり揃えてくるだろうから、それなりの内容に期待したい。

 

あとの興味は、『Dynamite!!』がどれだけテーマ性のある見る価値のあるイベントに仕上がるか、という点に集中される。
まず、大晦日、という日にちの設定には、それなりに意味合いがなくてはならない。それは、1年の総決算というテーマである。現在、主催のFEGは、K-1WGP、K-1MAX、HEROSという、三つのイベントを開催している。それらの興行の総決算的な意味合いのある試合をまず組むべきである。これに異種格闘技戦……お祭りカードを加え、まず四本の柱として確立すべきだ。

四本の柱……
Kー1ヘビー級……ワンマッチ最強は誰?
Kー1ミドル級……カリスマは誰?
HERO'S決勝……70キロ級最強決定戦
異種格闘技……大物参戦・視聴率

まず、この中でHEROSはすでに形が出来上がっている。一年間やってきたトーナメントの決勝が、ここで行われる。上手い具合に須藤とKIDという二大カリスマの激突が実現した。人気も話題性も十分であり、それぞれのスタイルの違いなども勝負として十分にテーマになり得る。放っておいてもいい部分だ。
これに加え、秋山対ホイスが組まれた。現在は未開催だが来年あるかもしれない80キロ級のトーナメントにつながる試合として、秋山の実力査定を兼ねたマッチメイクであり、来年以降のHEROSの展開を占う重要な試合になる。仮に秋山が大晦日男ホイスに惨敗すれば、来年は総合も70キロ級とヘビーが主体になってくるであろうことは想像に難くない。

問題は、残りのカードということになる。

今年のMAXはアンディ・サワーが制した。そして、負傷棄権でそのサワーとの対戦が実現しなかった魔裟斗が対戦を熱望している。よって、MAXの今年の総決算としてサワー対魔裟斗……正直、なんの問題もないと思う。昨年のKID戦ほどの話題にはならないだろうが、そちらはすでにHEROSがあるのだからいいだろう。運にも恵まれて勝ち上がったサワーの王者としての実力査定と、欠場によって実力を試す機会を失った魔裟斗の査定、「王者」と「カリスマ」というMAXの二つの軸の激突だ。
だが、谷川Pはこのカードに乗り気ではないということ。魔裟斗の怪我の具合もあるだろうが、「MAXでも組めるカード」という発言には頷けない。普通にMAXの日程や魔裟斗の近年の試合数を考えれば、決勝大会の準決勝以降にしか実現の可能性のないのは明白である。開幕戦で王者同士をぶつけるのもまずありえないだろう。
そして、魔裟斗の相手、という観点で見れば、もはや誰もいない。先だってのワンマッチ大会では存在感を示せた選手はいなかった。単純に勝ったからと言って、佐藤やHAYATOが入ってくることなどあり得ない。逆にサワーの相手、という意味ではクラウスやザンビディスなどでも面白いと思うが、それこそ「MAXでも組めるカード」だろう。
ここはやはり今年の総決算として、サワー対魔裟斗という必然性のある試合を実現してほしいのだが……。

続いてK−1ヘビー級である。飛び抜けた強さや幻想を持っている選手がいない現在、こちらもお祭り的カードが組めない状況になっている。
本来なら、2003年までのK-1で3月に行われていたワンマッチ最強決定戦を、この大晦日に投入することを提言したいところだ。だが、昨年のバンナ対サップは、実はこれに相当するカードのはずであったのに、低迷していたサップの救済策としてミックスルールを導入した結果、緊張感の感じられないぐだぐだの試合になってしまった。
かつてのバンナ対フィリオ、ミルコ対サップなどに匹敵するカードが組める状況ではなくなってしまっている。ホーストがワンマッチ専念を宣言しているため、これに強豪をぶつけるのがベターな選択だろうか。ただ、GP優勝者がようやく勝ち得た栄冠の重みに酔う間もなく、ホーストと対戦したがるかというと……。
そうなると、やはり去年のセフォー対グッドリッジのような、派手な殴り合いの期待できるカードを組むしかないだろう。これに関してはGP決勝を待たねばなんとも言えないところではある。今後の発表を待ちたい。

最後に、大物参戦による異種格闘技路線である。これに関しては、上記の今年の総決算的カードがうまく組めていれば、競技性は確保できる。あとは添え物感覚で何をやってもいいのである。問題は、これらの本来ゲスト的な存在であるべき単発のカードが、メインに祭り上げられてしまっていることなのだ。ただ、曙、サップにはもはや話題を勝ち得る力はなく、昨年は視聴率においても魔裟斗対KIDが上回った。ヒクソンやタイソンが出るならいざ知らず、今年こそは分をわきまえておまけの座に甘んじてほしいものだ。

これらの四本の柱となるカードを「重し」としてどんと据えれば、あとは少々お遊びカードを組んでもよくなるはずである。本来、立ち技、組技、それぞれのスペシャリストである選手たちを、無理に畑違いの分野に参戦させて話題づくりをしてきたわけだが、ヘビー級の立て直し、MAXの成熟、HEROSの開催と、それぞれに軸がはっきりしてきた今こそ、腰を据えて「お祭り」という言葉に「何でもあり」という安直なイメージを求めない、真に1年の総決算となるイベント作りをすべきである。
これだけの視聴率を取っている現在、「大晦日しか格闘技を見ない」層も数多く存在しているはずで、そういった人々にそれまでの一年間のイベントに目を向けてもらうためにも、「流れ」を実感できる試合を組んでほしい。
コアなファンに見放されて久しいK−1だが、それならばこそ現在のお茶の間層をコア化するぐらいの気概を持つべきだろう。

……おまけで、今年まじに心配していること。「プロレスラー」曙の参戦により、とうとう「プロレス」の試合が組まれてしまったりしないだろうか。男祭りで小川対高田総統が組まれたらえらいことだが……。

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過去ログ HEROSその5

2006/8/5 HEROS  KID欠場。ミドル級トーナメント カード決定 

さてさて、無事に(?)KID欠場も発表され、ミドル級のカードも決定。

http://www.boutreview.com/data/news05/060805heros.html

なんつうかねえ、別に看板通り「人類最強」とか「世界最強」とか、決まらなくてもいいわけですよ。どうせ世界中の選手集められるわけじゃなし。
でもね、トーナメントやる以上は『HEROS最強』は決めてもらわなければならない。これじゃ三位決定戦ですよ。宇野や高谷にはKIDを破る要素があるし、所も須藤となら噛み合うと思ってただけにね……。

 

宇野 薫 vs. ブラックマンバ
所 英男 vs. イヴァン・メンジヴァー
高谷裕之 vs. J.Z. カルバン
安廣一哉 vs. ハニ・ヤヒーラ

ブラック・マンバは、ローセンよりも総合慣れしてるし、実はハンセン並みの当て勘がある選手だとしたら面白い。ちょっと期待し過ぎか? 宇野の固いところは今回も充分、有効に働くと思うんだが。
メンジヴァーは前回はいまいちいいところが見えなかったが……。今回で実力が見えるのか? 人気投票一位は結構なことだが、所はやはり出てはいけない選手だろう。今年は二つのKO負けと一つの一本負けを喫し、心身のダメージも計りしれないのではないか。あせりの出る時期だと思うし、チャンスを無駄にしたくないだろうが、ここは休んでほしかった。投票したファンは善意でやっているのだろうが、正直、見識を疑いたい。今回、また深刻なダメージを受けるような負け方をしたら?
高谷VSカルバンは純粋に楽しみなカードで、ちょっとほっとしたな。スタンドでもパウンドでも面白そうだ。高谷も丸一年棒に振ったわけだが、ここらで上を狙ってほしい。
安廣の総合転向自体は、個人的には賛成。このトーナメントのエントリーには反対だけど、MAXでは佐藤、TATSJIの台頭を抑えるどころかHAYATOにまで負けた。テクニック的にも限界が見えている。身体能力の高さや勝負度胸の良さを生かせる方へいってほしい。しかしヤヒーラとは……。デビュー戦は綺麗に眠らされそうだ。

ライトヘビーと2本立てだから、辛うじて生きながらえた感じの大会。いや、ほんとに桜庭がいなければどうなってたんだろうね。ただ、KID離脱も桜庭の存在が影を落としている可能性もあるが……。いい意味で捉えると、自分が抜けてもダメージが小さくてすむというところか?

まあしょぼいカードだが、あとは内容に期待したい。前回もなんだかんだ言って試合内容はいいものもあった。とはいえ、4秒殺のKID先生がいないのは、そちらの意味でも大きな痛手だが……。

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過去ログ HEROSその4

さらば、金子賢。素人路線の行く末は?

金子賢「選手」(笑)が、ついに俳優業への復帰を決意。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070220-00000046-nks-ent


飛ばし記事の可能性もあるが、俳優復帰が本当なら、どのみち格闘技に割かれる時間は減ることになる。事実上、次戦はないと言って構うまい。



とりあえず喜ばしいと言っておこう。金子は他競技で実績を積んだいわゆる「アスリート」でない、本当のずぶの素人が、一年足らずの練習でいきなり格闘技をやって通用するか、という試金石であった。もし成功してしまったなら、それは参戦を許したPRIDE、あるいはHEROSの権威を粉々に破壊することになったはずだ。だが金子は、中堅クラスであるベネット、体格に劣る所、総合経験のないアンディ・オロゴンにさえ勝つことが出来なかった。結果論だが、QEDだ。「俳優」は日本格闘技界のトップには通用しない。

あるいは、彼もまたアマチュアから試合経験を積めば、身の丈にあった対戦相手と最初から戦っていれば、数百人規模の会場で試合していれば、もしかしたら結果を残せたのかもしれない。だが、視聴率を求めたフジ、あるいはTBSはそんな舞台を用意はしなかった。それをもって彼を「犠牲者」であるとは言わない。金子が憧れたのは、底辺から歯を食いしばって這い上がる者のみの持つ強さだったろうか? 彼はそういった強さを求めて格闘家の道を志したのだろうか? 否、桜庭や魔裟斗のような、すでに這い上がり切った者が得た強さ、格好良さ、名声……そういった物に憧れただけではなかっただろうか。一つのイベントを肉体一つで大きくしてきた者たちの輝きに触れたことで、彼らと同じ舞台に立てばその輝きをまとえると、そう勘違いしただけではなかったか。

金子賢もまた、今や英雄、スターと呼ばれるようになった者の真の苦悩を理解せず、その上辺の部分の輝きだけに魅せられた、「格闘技バブル」に踊らされた愚か者の一人にすぎなかったのだ。真の勝利の意味も知らず、ただ華やかな結果だけを求めたモンスター「ヌルヌル」秋山と同じように……。

一年半の挑戦を終えた金子の肉体は、ベネットらに充分に手心を加えられたにも関わらず、打ちのめされた。三戦三敗という惨めな結果は、他のバブルに踊らされた「素人」に、二の足を踏ませるには充分だろう。ましてや、他競技での「トップアスリート」(笑)であった曙(苦笑)、若翔洋(爆笑)、戦闘竜(失笑)、ランディ・キム(冷笑)なども無惨に沈んでいる現状、中村紀洋の判断は、まことに正しかったと言える。よそでダメになったからこっちで……そんな簡単な世界ではないのだ。
PRIDEは地上派を失い、HEROSも「ヌルヌル事件」でスポンサー離れを起こしている。バブルは弾け、「金になる」という判断で参入してくる人間は、徐々に減ってくることだろう。だが、地上波のため、視聴率のため……今後、格闘技界がそれらの目的のために、逆にそういう、格闘技に対する「魂」を持たない人間にしがみつくことは、絶対にあってはならない。

次に現れる「素人」は誰か? いずれ淘汰はされるだろう。魂のない人間の行動は、格闘技を愛する者の心には決して届かないのだから。だが、その心に届かない戦いでリングが埋め尽くされる日のないことを祈る?

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過去ログ HEROSその3

2007/7/16 HERO'Sミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦 試合感想

サプライズばかりが話題になってるが、今回はどの試合もまずまず楽しみ。
さて、トーナメントの次戦に駒を進めたのは?

 

▼第1試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
勝村周一朗(日本/勝村道場)68.0kg
VS
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)69.7kg

全然形になってないパンチと蹴りで牽制する勝村。こりゃ飛び込まれたらしまいじゃないの……。ペケーニョはパンチで距離を詰めるが、勝村は下がって距離を取る。一度は引き込む場面もあったが、ラバーガードからは仕掛けきれず。
2ラウンド、同じ展開が続き……と思ったら、今度はパンチが当たってしまい、勝村は棒っ切れのようにダウン! そのままパウンドラッシュでストップ!
ロープに沿って回らずに下がったのが敗因とも言えるが、突き詰めれば勝村の逃げ腰ファイトが、結局はこういう結末を招く、ということではないかね。距離を取りたいのは分かるが、その後の展開が何も想像できず、勝つ気があるようには見えなかった。もう呼ばなくていいんじゃないか。


▼第2試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)68.9kg
VS
アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)70.5kg→再計量

噂のウマハノフということでワクワクしてたのだが……このノーガードは駄目だろ……。急なオファーということでもあり、どこまでコンディションを作れていたのかわからないが、一発もらった後は面白いようにパンチを浴び、試合終了。ケージフォースに無駄な嫌がらせをしてしまったな。
「ジダ」の逸話はなかなか良かった。


▼第3試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 90kg契約
柴田勝頼(日本/ARMS)82.1kg
VS
ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)※遅刻

おお〜これが新世代グレイシーか。しかし試合始まったらホイラーと同じスタイル。足あげながら距離つめる動きが面白い。柴田はパンチ勝負……なんだが、パンチしか練習してないんじゃないか。
マウント取ったハレックをシザースで返そうとする柴田だが、読まれている。ハレックは慎重に腕十時を極めて終了。
ハレックは総合デビューだそうだが、初戦がプロレスラーというのは育てるマッチメイクで良かったですねえ(笑)。


▼第4試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宮田和幸(日本/フリー)70.0kg
VS
ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)70.2→再計量

序盤、打撃の攻防。宮田はハイキックもスムーズに出て、進歩の跡をうかがわせる。しかしシャオリンは減量に相当苦しんだらしいのだが、どう見ても絶好調なのが不気味だ。打撃では若干宮田が手を出してる感じ。
しかし2ラウンド、テイクダウンしたシャオリンがサイドから電光石火の肩固め! 宮田タップ。
つ、強え〜。あっと思った時には極まっていた。これは手が付けられんよ。カルバン、ジダとの激突が早く見たいな。


▼第5試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)70.0kg
VS
ブラックマンバ(インド/フリー)69.8kg

フリーターを脱し専業ファイターになった所に対し、未だに本業と二足の草鞋を履くマンバが挑むという構図……あれ?
今やプチセレブとなった所に対するマンバの執念は凄まじいものがあった。
最初のタックルが中途半端な形になったのが逆に幸いし、毒蛇必殺の膝は空振り。足を取ってドサマギでテイクダウンする所。足関節を狙う。これは優勢かと思いきや、マンバは立ち上がろうとしつつも上になり、パウンドを落とす。さらにバックに回って、所の胴体を両足で完全にフック。所は身体を起こして背後からのパウンドを防ぐのが精いっぱい。なんとかガードに戻すも、上になったマンバはリーチを生かして所の顔面にパンチを延ばし、ボディにも肘を突き刺す。
顔を隠して横を向いた所は戦意を喪失したか、パウンドを浴び続ける。たまらずレフェリーが試合を止めた。
いやはや、去年はアンラッキーと言えたかもしれないが、今回は完全なる惨敗。スピードでもせいぜい互角で、パワー、リーチ、打撃のスキルで負けていて、おまけに寝技でここまで差を縮められていたら、もはや勝機はなかった。
谷Pが「あとちょっとでラウンド終了だったんですけど」と言っていたが、たっぷり10秒は残ってたぞ。あと10秒あの調子でもらってたら、えらいことになったと思うが……。


▼第6試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)70.0kg
VS
永田克彦(日本/新日本プロレス)69.8kg

テレビではこれがメイン。
打撃勝負に出る宇野が寝技に持ち込ませず完勝。永田は打撃での応戦は悪くなかったが、後が続かず。
最初は良かったが、あまりに同じ展開が続くんでだれた。宇野も決定力がないなあ。


▼セミファイナル 第7試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 87kg契約
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)85.9kg
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)86.2kg

これはアッカは殺されるね、と思ってた。マヌーフは過密スケジュールも何のその、絶好調。アッカは取りあえず組んで打撃戦を避ける作戦だが、ちょっとしたパンチの交錯でも、すでにマヌーフのクロスの正確さはやばすぎる。一発目に入ったあたりで勝負あり、その後の突き放してのラッシュでふっ飛ぶアッカ、追い打ちに行こうとしたマヌーフを和田レフェリーが弾丸タックルで止めて勝負あり!
いや〜PRIDEでは絶対にあり得ないナイスレフェリーストップに、鳥肌立った! アッカは頑張ったけど、相手が悪すぎたなあ。


▼メインイベント 第8試合 スーパーファイト HERO'Sルール1R10分・2R5分 85kg契約
田村潔司(日本/U-FILE CAMP)84.7kg
VS
金 泰泳(日本/正道会館)85.0kg

打撃の打ち合い、田村タックル、立つ金、この繰り返し。田村さんの総合用の打撃は決して金にも引けをとっていなかったが、技術はともかく重さは違ったか。ローはかなり効いてたし、逆に金は田村のローをカットもせずに平然と受けていた。もう少ししつこく寝技で攻められたら、田村ももっと優位に立てたと思うんだが……。大晦日のミノワマンいじめみたいな緊張感のない試合をしてたつけが、今回等身大の相手との接戦を通じてついに回ってきたということか。金の対応度もかなりのものだと思うが、それでも総合3戦目の選手に敗れてはPRIDEの田村の名が泣くぞ。
延長なんて時間短いんだから、上取った方が有利に決まってるんだが、田村さんはそんな余力もなかったか。
これで秋山戦も白紙かな?

実にリアリティの溢れる結末ばかりで、個人的には満足。ヘビー級のぐだぐだ試合がなかったことで、内容も締まったと思うし、良かったんじゃないか。サプライズは船木復帰だそうで、これは逆に予想もしてなかったわ(笑)。KIDぐらいは来るかと思ったんだけど。
ミドル級トーナメント、次戦はカルバンVSマンバ、シャオリンVS宇野が見たいなあ。秋山の相手はいなくなってしまったので、復帰はなしということで。

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