<< | 2024/11 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 | >>
エントリーナビゲーション
このページ中にある記事一覧
- [PR] (11/15)
- 過去ログ HEROSその4 (06/16)
- 過去ログ HEROSその3 (06/16)
- 過去ログ HEROSその2 (06/16)
- 過去ログ HEROSその1 (06/16)
- 観戦記 過去ログ PRIDE編 (06/16)
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
過去ログ HEROSその4
さらば、金子賢。素人路線の行く末は?
金子賢「選手」(笑)が、ついに俳優業への復帰を決意。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070220-00000046-nks-ent
飛ばし記事の可能性もあるが、俳優復帰が本当なら、どのみち格闘技に割かれる時間は減ることになる。事実上、次戦はないと言って構うまい。
とりあえず喜ばしいと言っておこう。金子は他競技で実績を積んだいわゆる「アスリート」でない、本当のずぶの素人が、一年足らずの練習でいきなり格闘技をやって通用するか、という試金石であった。もし成功してしまったなら、それは参戦を許したPRIDE、あるいはHEROSの権威を粉々に破壊することになったはずだ。だが金子は、中堅クラスであるベネット、体格に劣る所、総合経験のないアンディ・オロゴンにさえ勝つことが出来なかった。結果論だが、QEDだ。「俳優」は日本格闘技界のトップには通用しない。
あるいは、彼もまたアマチュアから試合経験を積めば、身の丈にあった対戦相手と最初から戦っていれば、数百人規模の会場で試合していれば、もしかしたら結果を残せたのかもしれない。だが、視聴率を求めたフジ、あるいはTBSはそんな舞台を用意はしなかった。それをもって彼を「犠牲者」であるとは言わない。金子が憧れたのは、底辺から歯を食いしばって這い上がる者のみの持つ強さだったろうか? 彼はそういった強さを求めて格闘家の道を志したのだろうか? 否、桜庭や魔裟斗のような、すでに這い上がり切った者が得た強さ、格好良さ、名声……そういった物に憧れただけではなかっただろうか。一つのイベントを肉体一つで大きくしてきた者たちの輝きに触れたことで、彼らと同じ舞台に立てばその輝きをまとえると、そう勘違いしただけではなかったか。
金子賢もまた、今や英雄、スターと呼ばれるようになった者の真の苦悩を理解せず、その上辺の部分の輝きだけに魅せられた、「格闘技バブル」に踊らされた愚か者の一人にすぎなかったのだ。真の勝利の意味も知らず、ただ華やかな結果だけを求めたモンスター「ヌルヌル」秋山と同じように……。
一年半の挑戦を終えた金子の肉体は、ベネットらに充分に手心を加えられたにも関わらず、打ちのめされた。三戦三敗という惨めな結果は、他のバブルに踊らされた「素人」に、二の足を踏ませるには充分だろう。ましてや、他競技での「トップアスリート」(笑)であった曙(苦笑)、若翔洋(爆笑)、戦闘竜(失笑)、ランディ・キム(冷笑)なども無惨に沈んでいる現状、中村紀洋の判断は、まことに正しかったと言える。よそでダメになったからこっちで……そんな簡単な世界ではないのだ。
PRIDEは地上派を失い、HEROSも「ヌルヌル事件」でスポンサー離れを起こしている。バブルは弾け、「金になる」という判断で参入してくる人間は、徐々に減ってくることだろう。だが、地上波のため、視聴率のため……今後、格闘技界がそれらの目的のために、逆にそういう、格闘技に対する「魂」を持たない人間にしがみつくことは、絶対にあってはならない。
次に現れる「素人」は誰か? いずれ淘汰はされるだろう。魂のない人間の行動は、格闘技を愛する者の心には決して届かないのだから。だが、その心に届かない戦いでリングが埋め尽くされる日のないことを祈る?
金子賢「選手」(笑)が、ついに俳優業への復帰を決意。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070220-00000046-nks-ent
飛ばし記事の可能性もあるが、俳優復帰が本当なら、どのみち格闘技に割かれる時間は減ることになる。事実上、次戦はないと言って構うまい。
とりあえず喜ばしいと言っておこう。金子は他競技で実績を積んだいわゆる「アスリート」でない、本当のずぶの素人が、一年足らずの練習でいきなり格闘技をやって通用するか、という試金石であった。もし成功してしまったなら、それは参戦を許したPRIDE、あるいはHEROSの権威を粉々に破壊することになったはずだ。だが金子は、中堅クラスであるベネット、体格に劣る所、総合経験のないアンディ・オロゴンにさえ勝つことが出来なかった。結果論だが、QEDだ。「俳優」は日本格闘技界のトップには通用しない。
あるいは、彼もまたアマチュアから試合経験を積めば、身の丈にあった対戦相手と最初から戦っていれば、数百人規模の会場で試合していれば、もしかしたら結果を残せたのかもしれない。だが、視聴率を求めたフジ、あるいはTBSはそんな舞台を用意はしなかった。それをもって彼を「犠牲者」であるとは言わない。金子が憧れたのは、底辺から歯を食いしばって這い上がる者のみの持つ強さだったろうか? 彼はそういった強さを求めて格闘家の道を志したのだろうか? 否、桜庭や魔裟斗のような、すでに這い上がり切った者が得た強さ、格好良さ、名声……そういった物に憧れただけではなかっただろうか。一つのイベントを肉体一つで大きくしてきた者たちの輝きに触れたことで、彼らと同じ舞台に立てばその輝きをまとえると、そう勘違いしただけではなかったか。
金子賢もまた、今や英雄、スターと呼ばれるようになった者の真の苦悩を理解せず、その上辺の部分の輝きだけに魅せられた、「格闘技バブル」に踊らされた愚か者の一人にすぎなかったのだ。真の勝利の意味も知らず、ただ華やかな結果だけを求めたモンスター「ヌルヌル」秋山と同じように……。
一年半の挑戦を終えた金子の肉体は、ベネットらに充分に手心を加えられたにも関わらず、打ちのめされた。三戦三敗という惨めな結果は、他のバブルに踊らされた「素人」に、二の足を踏ませるには充分だろう。ましてや、他競技での「トップアスリート」(笑)であった曙(苦笑)、若翔洋(爆笑)、戦闘竜(失笑)、ランディ・キム(冷笑)なども無惨に沈んでいる現状、中村紀洋の判断は、まことに正しかったと言える。よそでダメになったからこっちで……そんな簡単な世界ではないのだ。
PRIDEは地上派を失い、HEROSも「ヌルヌル事件」でスポンサー離れを起こしている。バブルは弾け、「金になる」という判断で参入してくる人間は、徐々に減ってくることだろう。だが、地上波のため、視聴率のため……今後、格闘技界がそれらの目的のために、逆にそういう、格闘技に対する「魂」を持たない人間にしがみつくことは、絶対にあってはならない。
次に現れる「素人」は誰か? いずれ淘汰はされるだろう。魂のない人間の行動は、格闘技を愛する者の心には決して届かないのだから。だが、その心に届かない戦いでリングが埋め尽くされる日のないことを祈る?
PR
過去ログ HEROSその3
2007/7/16 HERO'Sミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦 試合感想
サプライズばかりが話題になってるが、今回はどの試合もまずまず楽しみ。
さて、トーナメントの次戦に駒を進めたのは?
▼第1試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
勝村周一朗(日本/勝村道場)68.0kg
VS
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)69.7kg
全然形になってないパンチと蹴りで牽制する勝村。こりゃ飛び込まれたらしまいじゃないの……。ペケーニョはパンチで距離を詰めるが、勝村は下がって距離を取る。一度は引き込む場面もあったが、ラバーガードからは仕掛けきれず。
2ラウンド、同じ展開が続き……と思ったら、今度はパンチが当たってしまい、勝村は棒っ切れのようにダウン! そのままパウンドラッシュでストップ!
ロープに沿って回らずに下がったのが敗因とも言えるが、突き詰めれば勝村の逃げ腰ファイトが、結局はこういう結末を招く、ということではないかね。距離を取りたいのは分かるが、その後の展開が何も想像できず、勝つ気があるようには見えなかった。もう呼ばなくていいんじゃないか。
▼第2試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)68.9kg
VS
アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)70.5kg→再計量
噂のウマハノフということでワクワクしてたのだが……このノーガードは駄目だろ……。急なオファーということでもあり、どこまでコンディションを作れていたのかわからないが、一発もらった後は面白いようにパンチを浴び、試合終了。ケージフォースに無駄な嫌がらせをしてしまったな。
「ジダ」の逸話はなかなか良かった。
▼第3試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 90kg契約
柴田勝頼(日本/ARMS)82.1kg
VS
ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)※遅刻
おお〜これが新世代グレイシーか。しかし試合始まったらホイラーと同じスタイル。足あげながら距離つめる動きが面白い。柴田はパンチ勝負……なんだが、パンチしか練習してないんじゃないか。
マウント取ったハレックをシザースで返そうとする柴田だが、読まれている。ハレックは慎重に腕十時を極めて終了。
ハレックは総合デビューだそうだが、初戦がプロレスラーというのは育てるマッチメイクで良かったですねえ(笑)。
▼第4試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宮田和幸(日本/フリー)70.0kg
VS
ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)70.2→再計量
序盤、打撃の攻防。宮田はハイキックもスムーズに出て、進歩の跡をうかがわせる。しかしシャオリンは減量に相当苦しんだらしいのだが、どう見ても絶好調なのが不気味だ。打撃では若干宮田が手を出してる感じ。
しかし2ラウンド、テイクダウンしたシャオリンがサイドから電光石火の肩固め! 宮田タップ。
つ、強え〜。あっと思った時には極まっていた。これは手が付けられんよ。カルバン、ジダとの激突が早く見たいな。
▼第5試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)70.0kg
VS
ブラックマンバ(インド/フリー)69.8kg
フリーターを脱し専業ファイターになった所に対し、未だに本業と二足の草鞋を履くマンバが挑むという構図……あれ?
今やプチセレブとなった所に対するマンバの執念は凄まじいものがあった。
最初のタックルが中途半端な形になったのが逆に幸いし、毒蛇必殺の膝は空振り。足を取ってドサマギでテイクダウンする所。足関節を狙う。これは優勢かと思いきや、マンバは立ち上がろうとしつつも上になり、パウンドを落とす。さらにバックに回って、所の胴体を両足で完全にフック。所は身体を起こして背後からのパウンドを防ぐのが精いっぱい。なんとかガードに戻すも、上になったマンバはリーチを生かして所の顔面にパンチを延ばし、ボディにも肘を突き刺す。
顔を隠して横を向いた所は戦意を喪失したか、パウンドを浴び続ける。たまらずレフェリーが試合を止めた。
いやはや、去年はアンラッキーと言えたかもしれないが、今回は完全なる惨敗。スピードでもせいぜい互角で、パワー、リーチ、打撃のスキルで負けていて、おまけに寝技でここまで差を縮められていたら、もはや勝機はなかった。
谷Pが「あとちょっとでラウンド終了だったんですけど」と言っていたが、たっぷり10秒は残ってたぞ。あと10秒あの調子でもらってたら、えらいことになったと思うが……。
▼第6試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)70.0kg
VS
永田克彦(日本/新日本プロレス)69.8kg
テレビではこれがメイン。
打撃勝負に出る宇野が寝技に持ち込ませず完勝。永田は打撃での応戦は悪くなかったが、後が続かず。
最初は良かったが、あまりに同じ展開が続くんでだれた。宇野も決定力がないなあ。
▼セミファイナル 第7試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 87kg契約
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)85.9kg
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)86.2kg
これはアッカは殺されるね、と思ってた。マヌーフは過密スケジュールも何のその、絶好調。アッカは取りあえず組んで打撃戦を避ける作戦だが、ちょっとしたパンチの交錯でも、すでにマヌーフのクロスの正確さはやばすぎる。一発目に入ったあたりで勝負あり、その後の突き放してのラッシュでふっ飛ぶアッカ、追い打ちに行こうとしたマヌーフを和田レフェリーが弾丸タックルで止めて勝負あり!
いや〜PRIDEでは絶対にあり得ないナイスレフェリーストップに、鳥肌立った! アッカは頑張ったけど、相手が悪すぎたなあ。
▼メインイベント 第8試合 スーパーファイト HERO'Sルール1R10分・2R5分 85kg契約
田村潔司(日本/U-FILE CAMP)84.7kg
VS
金 泰泳(日本/正道会館)85.0kg
打撃の打ち合い、田村タックル、立つ金、この繰り返し。田村さんの総合用の打撃は決して金にも引けをとっていなかったが、技術はともかく重さは違ったか。ローはかなり効いてたし、逆に金は田村のローをカットもせずに平然と受けていた。もう少ししつこく寝技で攻められたら、田村ももっと優位に立てたと思うんだが……。大晦日のミノワマンいじめみたいな緊張感のない試合をしてたつけが、今回等身大の相手との接戦を通じてついに回ってきたということか。金の対応度もかなりのものだと思うが、それでも総合3戦目の選手に敗れてはPRIDEの田村の名が泣くぞ。
延長なんて時間短いんだから、上取った方が有利に決まってるんだが、田村さんはそんな余力もなかったか。
これで秋山戦も白紙かな?
実にリアリティの溢れる結末ばかりで、個人的には満足。ヘビー級のぐだぐだ試合がなかったことで、内容も締まったと思うし、良かったんじゃないか。サプライズは船木復帰だそうで、これは逆に予想もしてなかったわ(笑)。KIDぐらいは来るかと思ったんだけど。
ミドル級トーナメント、次戦はカルバンVSマンバ、シャオリンVS宇野が見たいなあ。秋山の相手はいなくなってしまったので、復帰はなしということで。
サプライズばかりが話題になってるが、今回はどの試合もまずまず楽しみ。
さて、トーナメントの次戦に駒を進めたのは?
▼第1試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
勝村周一朗(日本/勝村道場)68.0kg
VS
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)69.7kg
全然形になってないパンチと蹴りで牽制する勝村。こりゃ飛び込まれたらしまいじゃないの……。ペケーニョはパンチで距離を詰めるが、勝村は下がって距離を取る。一度は引き込む場面もあったが、ラバーガードからは仕掛けきれず。
2ラウンド、同じ展開が続き……と思ったら、今度はパンチが当たってしまい、勝村は棒っ切れのようにダウン! そのままパウンドラッシュでストップ!
ロープに沿って回らずに下がったのが敗因とも言えるが、突き詰めれば勝村の逃げ腰ファイトが、結局はこういう結末を招く、ということではないかね。距離を取りたいのは分かるが、その後の展開が何も想像できず、勝つ気があるようには見えなかった。もう呼ばなくていいんじゃないか。
▼第2試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)68.9kg
VS
アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)70.5kg→再計量
噂のウマハノフということでワクワクしてたのだが……このノーガードは駄目だろ……。急なオファーということでもあり、どこまでコンディションを作れていたのかわからないが、一発もらった後は面白いようにパンチを浴び、試合終了。ケージフォースに無駄な嫌がらせをしてしまったな。
「ジダ」の逸話はなかなか良かった。
▼第3試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 90kg契約
柴田勝頼(日本/ARMS)82.1kg
VS
ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)※遅刻
おお〜これが新世代グレイシーか。しかし試合始まったらホイラーと同じスタイル。足あげながら距離つめる動きが面白い。柴田はパンチ勝負……なんだが、パンチしか練習してないんじゃないか。
マウント取ったハレックをシザースで返そうとする柴田だが、読まれている。ハレックは慎重に腕十時を極めて終了。
ハレックは総合デビューだそうだが、初戦がプロレスラーというのは育てるマッチメイクで良かったですねえ(笑)。
▼第4試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宮田和幸(日本/フリー)70.0kg
VS
ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)70.2→再計量
序盤、打撃の攻防。宮田はハイキックもスムーズに出て、進歩の跡をうかがわせる。しかしシャオリンは減量に相当苦しんだらしいのだが、どう見ても絶好調なのが不気味だ。打撃では若干宮田が手を出してる感じ。
しかし2ラウンド、テイクダウンしたシャオリンがサイドから電光石火の肩固め! 宮田タップ。
つ、強え〜。あっと思った時には極まっていた。これは手が付けられんよ。カルバン、ジダとの激突が早く見たいな。
▼第5試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)70.0kg
VS
ブラックマンバ(インド/フリー)69.8kg
フリーターを脱し専業ファイターになった所に対し、未だに本業と二足の草鞋を履くマンバが挑むという構図……あれ?
今やプチセレブとなった所に対するマンバの執念は凄まじいものがあった。
最初のタックルが中途半端な形になったのが逆に幸いし、毒蛇必殺の膝は空振り。足を取ってドサマギでテイクダウンする所。足関節を狙う。これは優勢かと思いきや、マンバは立ち上がろうとしつつも上になり、パウンドを落とす。さらにバックに回って、所の胴体を両足で完全にフック。所は身体を起こして背後からのパウンドを防ぐのが精いっぱい。なんとかガードに戻すも、上になったマンバはリーチを生かして所の顔面にパンチを延ばし、ボディにも肘を突き刺す。
顔を隠して横を向いた所は戦意を喪失したか、パウンドを浴び続ける。たまらずレフェリーが試合を止めた。
いやはや、去年はアンラッキーと言えたかもしれないが、今回は完全なる惨敗。スピードでもせいぜい互角で、パワー、リーチ、打撃のスキルで負けていて、おまけに寝技でここまで差を縮められていたら、もはや勝機はなかった。
谷Pが「あとちょっとでラウンド終了だったんですけど」と言っていたが、たっぷり10秒は残ってたぞ。あと10秒あの調子でもらってたら、えらいことになったと思うが……。
▼第6試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)70.0kg
VS
永田克彦(日本/新日本プロレス)69.8kg
テレビではこれがメイン。
打撃勝負に出る宇野が寝技に持ち込ませず完勝。永田は打撃での応戦は悪くなかったが、後が続かず。
最初は良かったが、あまりに同じ展開が続くんでだれた。宇野も決定力がないなあ。
▼セミファイナル 第7試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 87kg契約
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)85.9kg
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)86.2kg
これはアッカは殺されるね、と思ってた。マヌーフは過密スケジュールも何のその、絶好調。アッカは取りあえず組んで打撃戦を避ける作戦だが、ちょっとしたパンチの交錯でも、すでにマヌーフのクロスの正確さはやばすぎる。一発目に入ったあたりで勝負あり、その後の突き放してのラッシュでふっ飛ぶアッカ、追い打ちに行こうとしたマヌーフを和田レフェリーが弾丸タックルで止めて勝負あり!
いや〜PRIDEでは絶対にあり得ないナイスレフェリーストップに、鳥肌立った! アッカは頑張ったけど、相手が悪すぎたなあ。
▼メインイベント 第8試合 スーパーファイト HERO'Sルール1R10分・2R5分 85kg契約
田村潔司(日本/U-FILE CAMP)84.7kg
VS
金 泰泳(日本/正道会館)85.0kg
打撃の打ち合い、田村タックル、立つ金、この繰り返し。田村さんの総合用の打撃は決して金にも引けをとっていなかったが、技術はともかく重さは違ったか。ローはかなり効いてたし、逆に金は田村のローをカットもせずに平然と受けていた。もう少ししつこく寝技で攻められたら、田村ももっと優位に立てたと思うんだが……。大晦日のミノワマンいじめみたいな緊張感のない試合をしてたつけが、今回等身大の相手との接戦を通じてついに回ってきたということか。金の対応度もかなりのものだと思うが、それでも総合3戦目の選手に敗れてはPRIDEの田村の名が泣くぞ。
延長なんて時間短いんだから、上取った方が有利に決まってるんだが、田村さんはそんな余力もなかったか。
これで秋山戦も白紙かな?
実にリアリティの溢れる結末ばかりで、個人的には満足。ヘビー級のぐだぐだ試合がなかったことで、内容も締まったと思うし、良かったんじゃないか。サプライズは船木復帰だそうで、これは逆に予想もしてなかったわ(笑)。KIDぐらいは来るかと思ったんだけど。
ミドル級トーナメント、次戦はカルバンVSマンバ、シャオリンVS宇野が見たいなあ。秋山の相手はいなくなってしまったので、復帰はなしということで。
過去ログ HEROSその2
2007/10/28 HEROS韓国大会 試合感想
地方なんで、1時間だけの放送。KO、一本が続けば、これぐらいの放送でも十分だけど。
しかし深夜ということで、当日は早寝して、翌朝早めに起きて見た。SBとRISEの速報も見られなかったから、フラストレーション溜まったぜ。
SBはオガケン粉々、ビッグベン早くも幻想崩壊、シャバリもSBルールに飲み込まれ、RISEじゃ口だけ須藤が惨敗。いや〜大変な日でしたね。
そしてHEROSでは、それ以上の大アップセットが待ち受けていたのである。
▼HERO’Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
キム・ミンス(韓国/フリー)
キム・ミンスはザ・マウンテン!?
ただのデブだけでなく、ギルバート・アイブルみたいな選手にも勝ってるミノワマンだけに、さすがに勝つと思ったのだが、想像以上に劣化している。足関節とかあるのに、バカの一つ覚えのようなパンチ勝負。田村さんには一蹴されたスタイルだが、ミンスはK-1WGPアジア予選準優勝の打撃の使い手だぜ?(笑)
と言いながらも、やってることはおなじみ顎上がりまくりの連打なのだが、圧力をかけながらやや脇を絞ってコンパクトに打ってるせいか、ミノワマンが反撃できない。距離が詰まると膝を突き上げ、フックばかり狙ってるミノワマンは対応が遅れる。4点で膝をもらった時も、すでに効き始めてたし、だいたいPRIDE戦士が4点膝もらったらだめだわな。その後も滅多打ち。ストップはPRIDEだったら余裕で続けてたタイミングだったが、それこそ桜庭じゃないんだからさっさと止めて正解だろう。
しかし、HEROSヘビー級では最低ランクなミンスに対してこれでは、あとはもう、勝てる相手を特別に引っ張ってきてもらうしかないだろう。野球とかなんとか、自己鍛錬に熱心なのは結構だが、相手を見据えた戦術が決定的に足りない。カウンターのタイミングさえ合えば勝ち目も出たろうに、「本能」とか言ってるようでは……。
が、これでも大晦日出てきてしまうような気がするなあ。ボビーか柴田あたりならなんとか……。
▼第3試合 HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
ホ・ミンソク (韓国/CMA KOREA)
柴田勝頼 (日本/ARMS)
今や瀕死のPRIDEオフィシャルサイトにおいて、最後のニュースとなったミノワマンの対戦相手発表。PRIDEでも何でもない大会で相手を務めたのが、このホ・ミンソク。結果は一本負けということで、大した選手じゃねえだろう、と思ったのだが、それでも柴田より遥かに打撃上手いじゃん……。
きっちり頭を振ってくるので、コンビネーションがなく、単発か連打しかない柴田では捉えきれない。一度飛び膝がヒットしたあたりは良かったが、その後もミンソクが癖なのか頭を低く振り過ぎてるのに狙わなかったのは、作戦ではなく偶然だったからか。
グラウンドになった部分でも、足関節にこだわりすぎてパウンドをもらい続けるという、マンバ戦の所みたいなミス。スタンドに戻った時はもうヨロヨロ。
もう名前で出てられる期間はそろそろ終わりかな。唯一の白星であるヤマヨシ戦も、当のヤマヨシが惨めな負けを繰り返してるし……。
▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
金泰泳(正道会館)
VS
ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/シュートボクセアカデミー)
弁慶のハイキックはやっ! と思ったら終わった。アクシデントだが、勝負論的には完全に避けきれなかった金の完敗。またライトヘビートーナメントでも再戦したらいいんじゃないかな。あるいは、K-185キロに出陣というのも……。
▼HERO’Sルール 93kg契約 5分3R
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
VS
ポアイ菅沼(アメリカ/BJ PENN MMA ACADEMY)
素人の寝技能力が残酷なまでに明らかになってしまった試合。インディーズのトップとメジャーの素人を、安直にぶつけると、結局どちらの価値も落とすことになる……いや、ポアイは初めてテレビに出られて無問題なのか?
それにしてもゲストの天野はうるさかったな。ある意味、「一部ファン層」を代表しているあたりが余計にイヤというか……。
▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
デニス・カーン(カナダ/アメリカン・トップチーム)
VS
秋山成勲(フリー)
試合前の谷Pの話では、秋山にオーラなし、という話だったのだが、さすがに当日は全然違う。やる気満々だよ。対するカーンもいつもながらの鋭い目つき。見合ったシーンでは、やはり例の減量法か、カーンがひと回り大きい。得意の右ストレートのリーチ差も含め、こりゃ圧勝かな……と思ったのだが……。
鼻が切れたあたりで嫌な予感がしたが、そこらあたりから距離が詰まり、秋山の出入りが早くなってくる。ジャブも当たりはじめ、カーンの右ストレートが空を切る場面も。それでもまだまだわからんと思ってたのだが、左のフェイントにはまったカーン、まともにアッパーをもらって失神!
カーン、よえぇーっ! かつてガオグライに一発で沈められた時も、あのイケメンよえぇーっ!と思ったものだが、あれの再現。攻められるともろい、というのは本当だったのか……。カーンが一発KO、失神した秋山のグローブからこぼれでるメリケンサック……というのが、アンチヌルヌルの描いた最高のシナリオだったと思うが、そんな目論みが粉々にされたアッパー一発、これが格闘技ですな〜。
和田レフェリーの私怨のこもった執拗な手つきにも動じない、秋山の空気読まなさは、ある種の痛快ささえ放っている。恐るべし秋山、これはもうPRIDE最強のパウロ・フィリオがその鉄の法則を知らしめるしかない(もうWEC行っちゃったけど……)。
別にこれでみそぎが終わったとかそういうことはなく、秋山が「前科者」だという事実はずっと残る。ただ、前科者だから試合してはいけない、業界から抹殺されなければならないというのは、もはや差別でありファシズム。格闘技を冒涜する秋山から居場所を奪いたければ、選手が力と技でもって成し遂げるしかない。それができそうな選手が誰もいない、という事実に耐えられない脆弱な神経の持ち主には、さぞ腹立たしいことであろうが……。
さて、本当に秋山は悔い改めたのであろうか? 個人的にはどうでもいいことだが。
カーンを叩き潰した秋山の戦闘能力はますます高まり、それはもはや品性や良識などといった次元を超えつつあるのかもしれない。卑怯者だ、前科者だ、怪物だ、韓国人だ、と外野がいくらわめこうが、いっさい関係なく白星を積み上げていくのかもしれない。いくらスポンサーが離れようが、それが格闘家の個人的実力にどの程度影響を及ぼすというのか。怪物が人間に戻ることなく、誰からも愛されぬまま強さだけは絶対的な存在となる……それは亀田兄弟がなりえなかった姿だ。
怪物を倒せる勇者は、果たして現れるのか? それこそが真のHEROである……というのはいささか扇情的に過ぎるだろうが、HEROが現れない現実を突き付けることも、また格闘技のリアリズムである、ということだけは言明しておこう。
地方なんで、1時間だけの放送。KO、一本が続けば、これぐらいの放送でも十分だけど。
しかし深夜ということで、当日は早寝して、翌朝早めに起きて見た。SBとRISEの速報も見られなかったから、フラストレーション溜まったぜ。
SBはオガケン粉々、ビッグベン早くも幻想崩壊、シャバリもSBルールに飲み込まれ、RISEじゃ口だけ須藤が惨敗。いや〜大変な日でしたね。
そしてHEROSでは、それ以上の大アップセットが待ち受けていたのである。
▼HERO’Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
キム・ミンス(韓国/フリー)
キム・ミンスはザ・マウンテン!?
ただのデブだけでなく、ギルバート・アイブルみたいな選手にも勝ってるミノワマンだけに、さすがに勝つと思ったのだが、想像以上に劣化している。足関節とかあるのに、バカの一つ覚えのようなパンチ勝負。田村さんには一蹴されたスタイルだが、ミンスはK-1WGPアジア予選準優勝の打撃の使い手だぜ?(笑)
と言いながらも、やってることはおなじみ顎上がりまくりの連打なのだが、圧力をかけながらやや脇を絞ってコンパクトに打ってるせいか、ミノワマンが反撃できない。距離が詰まると膝を突き上げ、フックばかり狙ってるミノワマンは対応が遅れる。4点で膝をもらった時も、すでに効き始めてたし、だいたいPRIDE戦士が4点膝もらったらだめだわな。その後も滅多打ち。ストップはPRIDEだったら余裕で続けてたタイミングだったが、それこそ桜庭じゃないんだからさっさと止めて正解だろう。
しかし、HEROSヘビー級では最低ランクなミンスに対してこれでは、あとはもう、勝てる相手を特別に引っ張ってきてもらうしかないだろう。野球とかなんとか、自己鍛錬に熱心なのは結構だが、相手を見据えた戦術が決定的に足りない。カウンターのタイミングさえ合えば勝ち目も出たろうに、「本能」とか言ってるようでは……。
が、これでも大晦日出てきてしまうような気がするなあ。ボビーか柴田あたりならなんとか……。
▼第3試合 HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
ホ・ミンソク (韓国/CMA KOREA)
柴田勝頼 (日本/ARMS)
今や瀕死のPRIDEオフィシャルサイトにおいて、最後のニュースとなったミノワマンの対戦相手発表。PRIDEでも何でもない大会で相手を務めたのが、このホ・ミンソク。結果は一本負けということで、大した選手じゃねえだろう、と思ったのだが、それでも柴田より遥かに打撃上手いじゃん……。
きっちり頭を振ってくるので、コンビネーションがなく、単発か連打しかない柴田では捉えきれない。一度飛び膝がヒットしたあたりは良かったが、その後もミンソクが癖なのか頭を低く振り過ぎてるのに狙わなかったのは、作戦ではなく偶然だったからか。
グラウンドになった部分でも、足関節にこだわりすぎてパウンドをもらい続けるという、マンバ戦の所みたいなミス。スタンドに戻った時はもうヨロヨロ。
もう名前で出てられる期間はそろそろ終わりかな。唯一の白星であるヤマヨシ戦も、当のヤマヨシが惨めな負けを繰り返してるし……。
▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
金泰泳(正道会館)
VS
ゼルグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/シュートボクセアカデミー)
弁慶のハイキックはやっ! と思ったら終わった。アクシデントだが、勝負論的には完全に避けきれなかった金の完敗。またライトヘビートーナメントでも再戦したらいいんじゃないかな。あるいは、K-185キロに出陣というのも……。
▼HERO’Sルール 93kg契約 5分3R
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
VS
ポアイ菅沼(アメリカ/BJ PENN MMA ACADEMY)
素人の寝技能力が残酷なまでに明らかになってしまった試合。インディーズのトップとメジャーの素人を、安直にぶつけると、結局どちらの価値も落とすことになる……いや、ポアイは初めてテレビに出られて無問題なのか?
それにしてもゲストの天野はうるさかったな。ある意味、「一部ファン層」を代表しているあたりが余計にイヤというか……。
▼HERO’Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
デニス・カーン(カナダ/アメリカン・トップチーム)
VS
秋山成勲(フリー)
試合前の谷Pの話では、秋山にオーラなし、という話だったのだが、さすがに当日は全然違う。やる気満々だよ。対するカーンもいつもながらの鋭い目つき。見合ったシーンでは、やはり例の減量法か、カーンがひと回り大きい。得意の右ストレートのリーチ差も含め、こりゃ圧勝かな……と思ったのだが……。
鼻が切れたあたりで嫌な予感がしたが、そこらあたりから距離が詰まり、秋山の出入りが早くなってくる。ジャブも当たりはじめ、カーンの右ストレートが空を切る場面も。それでもまだまだわからんと思ってたのだが、左のフェイントにはまったカーン、まともにアッパーをもらって失神!
カーン、よえぇーっ! かつてガオグライに一発で沈められた時も、あのイケメンよえぇーっ!と思ったものだが、あれの再現。攻められるともろい、というのは本当だったのか……。カーンが一発KO、失神した秋山のグローブからこぼれでるメリケンサック……というのが、アンチヌルヌルの描いた最高のシナリオだったと思うが、そんな目論みが粉々にされたアッパー一発、これが格闘技ですな〜。
和田レフェリーの私怨のこもった執拗な手つきにも動じない、秋山の空気読まなさは、ある種の痛快ささえ放っている。恐るべし秋山、これはもうPRIDE最強のパウロ・フィリオがその鉄の法則を知らしめるしかない(もうWEC行っちゃったけど……)。
別にこれでみそぎが終わったとかそういうことはなく、秋山が「前科者」だという事実はずっと残る。ただ、前科者だから試合してはいけない、業界から抹殺されなければならないというのは、もはや差別でありファシズム。格闘技を冒涜する秋山から居場所を奪いたければ、選手が力と技でもって成し遂げるしかない。それができそうな選手が誰もいない、という事実に耐えられない脆弱な神経の持ち主には、さぞ腹立たしいことであろうが……。
さて、本当に秋山は悔い改めたのであろうか? 個人的にはどうでもいいことだが。
カーンを叩き潰した秋山の戦闘能力はますます高まり、それはもはや品性や良識などといった次元を超えつつあるのかもしれない。卑怯者だ、前科者だ、怪物だ、韓国人だ、と外野がいくらわめこうが、いっさい関係なく白星を積み上げていくのかもしれない。いくらスポンサーが離れようが、それが格闘家の個人的実力にどの程度影響を及ぼすというのか。怪物が人間に戻ることなく、誰からも愛されぬまま強さだけは絶対的な存在となる……それは亀田兄弟がなりえなかった姿だ。
怪物を倒せる勇者は、果たして現れるのか? それこそが真のHEROである……というのはいささか扇情的に過ぎるだろうが、HEROが現れない現実を突き付けることも、また格闘技のリアリズムである、ということだけは言明しておこう。
過去ログ HEROSその1
2007/12/31「やれんのかDynamite!! 」試合感想
皆さん、新年おめでとうございます。
昨日生観戦だった人も、テレビ観戦だった人も、録画してまだ見てない方も、今年も生暖かく格闘技を見守っていきましょう。
では、正月から仕事して研ぎ澄まされた?脳髄で書きます、「やれんのかDynamite!! 」感想。
ささっと飯食ってテレビ前を占拠したものの、煽りと過去Vだけで1時間が経過してしまった。こういう流れなのはわかってるけど、かといって何時に試合始まるかはわからんわけだからなあ。
順番後先になるが、この大晦日は本当に「中継」で、時間帯時間帯で視聴率を取ることしか考えておらず、「番組」としての完成度なんてはなから度外視なんですな。ひとまとまりとしての起承転結なんて考えておらず、ザッピングして見てる人に「お? あれそろそろかな?」と思わせてチャンネルを変えさせないことしか考えていない。だから、同じ煽り、同じCMをいくらでも挟む。通して見ている人間の苦痛など考えもしないわけだ。ん? 何を今さらわかりきったことをって? いや、大晦日のテレビ観戦なんて、曙VSサップ以来だし。
▼第1試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA(フリー/第5回世界キックボクシング選手権アジア大会54Kg級優勝/15歳) 59.7kg
VS
才賀紀左衛門(=さいが・きざえもん/大誠塾/18歳) 58.9kg
▼第2試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
久保賢司(立川キックボクシングアカデミー/NJKFフライ級王者、WPMO世界同級王者/18歳) 58.7kg
VS
雄大(=ゆうだい/治政館/16歳) 58.7kg
▼第7試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント決勝戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA
VS
雄大
さて、まずはK-1甲子園。3試合まとめて。才賀は一人だけキックの動きしてなくて面白かったが、その分安定度には欠けたか。ただ、あとの2試合が途中のラウンドカットされたことには、そういったわかりやすい派手さの有無も随分影響していたのではないか。
決勝ではまさかの「角田アグレッシブ」が炸裂! 出た〜! しかし倒しに行くプロ意識というのは、それが日頃から欠如しているジャパン勢に言うのはまあいいとして、デビュー戦のガキに言うもんじゃないよなあ。大人の選手でも、途端に打ち合う奴とかいて驚くが、この試合ではほぼペースは変わらず。
どうせいじめやしごきの蔓延してるだろうたこ壷みたいな野球部に、「さわやかさ」や「一生懸命さ」というカラーを塗りたくった高校野球という「商品」は嫌いだが、今回もまだまだプロのレベルじゃない試合に、そういった付加価値を与えてなんとか商品にしようとした作為がちらちら見えていらいらする。「横綱」とか「U」とか、役にも立たないよその権威を自ら名乗るのもテレビで名乗らせるのも、お互い大人なんだから勝手にすればいい。だが、子供にそういう看板をぶら下げてメディアに露出させるだけで充分に下衆なことなのに、さらに「プロ」として視聴率まで稼げというのは履き違えているとしか言い様がない。この場合こそ、角田にはこう言ってしまいたい。だったらおまえがプレデターとやれ!
魔裟斗や畑山からも「若さがない」との批判が飛び出したが、この「若さ」ってのは単に年齢じゃなく、精神的なもの、子供特有のある意味理性に欠けた感情のことだわな。
「無垢な者は無軌道なのではない……自由なのだ、心が」
だが、若者が心を解き放つのには、大晦日は雑音が多すぎる。
▼第3試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
宮田和幸(フリー) 69.9kg
VS
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー) 70.5kgで500gオーバー
テレビではメイン。アナウンサーの宇野に対するキラー発言の連発には笑ったなあ。かつてKIDも解説席に座ってる時に、「神の子を倒した男〜!」とザンビディスについて叫ばれて思わず苦笑いで突っ込んでいたが、これを失礼とか言うのはお門違いだろう。ザンビディスやハンセンの勝利は彼等自身の勲章であり、何人もそれを奪うことはできない。そして敗者にとってもその敗北は、財産としても傷としても、やはり一生背負っていかねばならないものなのだ。
「膝、よそ見してるともらいますよ」
と、内心、憤懣はあったかもしれないが自分しか持ち得ない体験を材料に解説してみせた宇野は、本当に立派である。そしてハンセンに敗れた宇野だからこそ実感をもって語れる解説を、非情に徹して引き出したアナウンサーはまさに「グッジョブ!」なのであった。……違うかなあ、単に無神経なだけかなあ、やっぱり。
ハンセンクラスには勝っておきたい、と大言した宮田だが、結果は非情。シャオリン戦の完敗と同じく、トップどころとの差をまたも証明。全局面で実力の差がはっきり見える試合だった。大連立が続けば、さらなるハンセンの活躍、宇野との再戦もあるだろう。
▼第4試合 HERO'Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム) 85.0kg
VS
西島洋介(高田道場)公開計量には不参加
魔裟斗さんの「パンチでも勝つ」はまさにホラだが、西島の「パンチなら勝てる」は単にびびってるだけですわなあ。マヌーフの蹴りを交えた打撃にずるずると後退し、首相撲の仕掛けからあっさりとテイクダウン。するするとパスガードして、マウントパンチで終了。
よええーっ! 大殴り合いを展開したハント戦の幻想を、未だに本人だけが追い求めているのがよくわかる。K-1ルールで出てもローキックだけで終わりだろう。ボクシングしたいんなら、また海外に行って試合すればいいだろう。記者会見では知名度で人集めていい気になっても、試合になればいつも同じ。曙とまったく同じだ。そろそろハッスルに行けばいい。もはやつり合う相手はいな……あ、総合ルールでレコさんとか……。
▼第5試合 HERO'Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
ズール(ブラジル/ルタ・リブレ)
サッカーではなくマラソンを見せられるとは思わなかった。ローを蹴りながら相手が疲れるのを待つ……という馬鹿でも思い付く作戦は、1ラウンド終盤に捕まってしまい大失敗。ミノワマンにとっても大誤算だったろうが、ズールは落ち着いて作戦を読んでいたか。2ラウンドはさらに早い段階で捕まり、ミノワマンは寝技のディフェンスだけで精いっぱい。もちろん体格差あってのことだろうが、しかしもしかしてスタミナや技術でも負けてるんじゃないか……と勘ぐりたくなる。
3ラウンド、パウンドを浴びてタオル投入。素直に所戦を受けておけば良かったのになあ。しかしこないだのミンス戦といい、HEROSに来てから急に無差別で勝てなくなった。体格差も考慮した上での潜在的な強さを計れない、マッチメイクのミス……ということにしておこうか。
▼第6試合 HERO'Sルール 5分3R
田村潔司(U-FILE CAMP) 83.9kg
VS
所英男(チームゼスト) 70.1kg
※15㎏以上の差がないため、試合は通常ルールで行われる
開始前に所がビンタ。ひ、ヒーリング!? うかつだ……あまりにうかつだよ所。試合前に一発食らわすという行為から、一昨年のあの事件を想起しない人間がいると思うかね。ゲイ疑惑で一世を風靡した中尾事件、も、もしかして田村さんも……!? 違う違う、別に田村さんはキスしてないよ。ということは、所の方が……!? な、なぜそういう思考になるという突っ込みも空しく、妄想は突き進み田村VS所という試合が、田村×所というカップリングになってしまった。いや、別に俺でなくてもこういう妄想をめぐらす腐女子はいるはず! 格闘技の多様な楽しみ方を推奨するワタクシでも、さすがにこれはいただけない。小柄でなよなよした所を、兄貴風吹かす田村が後輩の尊敬の感情を逆手に取って思うままにする……組み伏せてその欲望に滾った(以下自粛)。
バカなことを書くのはこれぐらいにしといて、自分よりはるかにちっちゃい相手に対して悠然と構えて見せる田村さんは、自分の価値の守り方をやっぱり知ってるなあ。それに立ち向かいつつも屈服する自分に酔っている所との関係は、やはりどこかSM的に見える……ってどうしてもそっち系の妄想から逃れられない!
田村
「ふっふっふ、どうしてほしいんだ? ちゃんとお願いしてみろ」
所
「ああっ、お願いです田村さん……あなたのUのテクニックでどうか僕をめちゃめちゃにしてください……!」
田村が涙のパンチで高田を粉砕した引退試合には、こんなホモ臭い妄想をかき立てられる要素は微塵も感じなかったんだが、何が違うんだろう。やっぱり否応なく役割分担を考えさせるこの体格差がいかんのだよ(無理矢理)。下になった所はなすすべなく……っていくらまじめに試合展開を書こうとしても、どうもふざけてしまうので、これぐらいにしておこう。
テレビではまったく放送されなかったんだが、試合後のトロフィー授与で前田が田村にトロフィーを投げ付け授与。誰だよ、この人選した奴。責任者出てこいよ。今まで所を手取り足取り自ら身体で指導してきた前田さんが、濃密な時間を過ごす二人の姿を見せつけられたんだぞ! 前田さんの嫉妬に狂った気持ちを考えてみろ!
あ〜俺の文章にしてはうまく落ちたじゃないか。
この後は真面目な試合が続き……続き……続かんなあ……。
昨日は、ホモネタで引いた人が多いんじゃないかなあ。まあやおいも人生と格闘技のスパイスということで……って昨日と全然言ってることが違うよ。
「KY」というのが去年ははやりましたが、まあ知ったこっちゃないですね。僕は常に「AKY」か「OOKY」です。「あえて空気読まない」「おまえらがオレの空気読め」。
▼第8試合 K-1ルール 3分3R延長2R
武蔵(正道会館)
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
なんか武蔵さんの髪が伸びて、顔も太くなって、微妙に出来損なった長州みたいだな〜と事前情報の段階でも思ってたのだが、リングインしてあらビックリ! なに、この緩みきったバディは!? 畑山さんも動き悪いですね〜とはっきり言ってしまっていたが、確かにひどいコンディション。こりゃあアッカを選ぶわけだわ。こんな身体じゃペタスや藤本にも殺されるよ。全然蹴りも出ず、相変わらずの手打ちパンチ。それでもアッカがラッシュしてる時も、ここで武蔵が負けてくれるなんて微塵も期待しなかったけれど。
バテバテになった芸人と打ち合って、カウンター入れて勝利。いや〜ひどかった。全然練習してないっしょ。これじゃ最近のセフォーだよ。オヘア戦とか、大晦日でも無駄に調子は良かったのが通例なんだが、いったいどうしたんだ? 逆に心配になる……というと嘘になるけれど、今年はまじで引退イヤーかもね。
▼第9試合 K-1ルール 3分3R延長2R
ニコラス・ペタス(デンマーク/チーム・スピリットAE)
VS
キム・ヨンヒョン(韓国/テウン会館)
昨年はハリVSペタスが追加で「わーい!」と言ってたのだが、今年は巨人かあ……。しかしテレビで見るまで忘れてたんだが、ヨンヒョンってうちの会社の係長に似てるんだよなあ。まったくの私怨ながら、痛い目に合いやがれという気持ちになり、序盤ペタスを応援。しかしローキックで段々くの字になってきたあたりで、なんか気の毒になってきた。T係長、頑張って下さい! しかしオレの声援もむなしく、完全に頭が下がったところでパンチを浴びてKO。
シュルト、ホンマンという二人が、いかに規格外の存在かがわかる、典型的なただの巨人でした。ペタスも久々の勝利なのはわかるが騒ぎ過ぎ。
翌日会社で、本人がいないところを見計らって、「あの巨人、Tさんに似てるよな〜」と言ってまわってたのだが、あまり賛同者は得られず、残念!?
▼第10試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R延長2R
魔裟斗(シルバーウルフ) 69.9kg
VS
チェ・ヨンス(韓国/KAHN GYM) 67.5kg
去年、一昨年と、ほんとはイヤないし怪我してて辛い状態での参戦だった魔裟斗さん。恒例のボクサーいじめと言いつつも、本人はまた脚痛めたらどうしようなあ、というリスクも背負っていたはず。しかし……しかし今年は……なに、このベストコンディション……。どういう理由か太り過ぎだからお笑い芸人を相手に選んだ武蔵さんと、去年よりは確実に強いであろう相手ながら自分も絶好調すぎる魔裟斗さん。どちらがよりイジメ度が高いかというと難しいなあ。が、二人の性格の違いが現れているのは間違いない。
しかし「パンチで打ち合う」と「ホースト仕込みのローキック」をどう織りまぜるかにばかり注目していたので、あのハイキックはまったく見えなかった。頭が下がって最短距離で当たったんだから当然だろうが……なに、この切れ……このコンディションだったら、せめてカラコダかドラゴとやろうよ……。
ヨンスもなかなか粘ったが、やはり無理があった感じ。でも韓国予選で出てくる分には面白そうかな。
▼第11試合 HERO'Sルール 5分3R
ボブ・サップ(アメリカ/チームビースト)
VS
ボビー・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)
わっ、またグラハムとペタスがサップのセコンドだよ。オランダじゃ赤っ恥かかされたのに、よく懲りないもんだ。しかしこうやってサップのバックアップすることで、自分達にも話題が集まりオファーが来やすくなるわけでしょうから、ギブアンドテイクなんですな。そういえば、魔裟斗ともサップともガオグライとも切れた伊原会長は、本当に最近見かけなくなった。
ズールよりも走れるサップは、ボビーもあっさり捕まえてしまい、基本どおりパスガード。体格差のある普通の総合の試合って、まあこうなっちゃうよねえ、ということで、もうボビーの使いどころもなくなってきたなあ。来年、まだ生き残ってたらアッカ戦かな?
マウントパンチで普通に終わり、実に予定調和。ここでミラクルを演出するサップの心の弱さに期待したんだが……。これでサップは心置きなくハッスルに出られるわけだ。さっさと行っちゃってください。
▼セミファイナル(第12試合) HERO'Sルール 135ポンド契約 5分3R
山本"KID"徳郁(KRAZY BEE/HERO'S2005ミドル級王者) 61.2kg
VS
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術/ADCC2007優勝) 62.7kgで約1.5kgオーバー
絶対グラウンドに行かないぞと決意を固めてるらしいKIDさんと、寝技行きたいヤヒーラ。減量も失敗したが、当日はやはりちょい体重差ありか? KIDさんは同階級でもやはり小さい。
しかしタイミング合わせてパンチ狙ったKIDさん、ついにいい一発当てたと思ったら、ヤヒーラの反撃を顎にもらいふらっとくる。さらにパンチが交錯! おおおおおおお! まあ、なんだ、いくら寝技師っつっても、金網でやってる選手がボクシング練習してないわけないよなあ。振り回しパンチながらわりと打点が正確なところにくるヤヒーラ。今日初めて予定調和が崩壊するか? とちょっと期待したんだが、やはり打ち合いではKIDさんの方が上だった。追い打ちパンチでへたり込んだ時に思わず反則キックを叩き込んだのは、KIDさん自身も相当テンパってた証拠だろう。後にイエローカードが出ているが、パンチで決まってたし、勝敗を覆すような問題ではない。
試合としてはそれなりに面白かったんだが、やっぱり同階級でやるKIDさんは、普通に面白い試合をしながらも、どこか物足りない。ハンデのある70キロという階級で、全てを引っくり返す「神の一撃」を狙っていた時の方が、緊張感があったなあ。で、ほんとに何度も何度も決めたからね。
▼メインイベント(第13試合) HERO'ルール 85kg契約 1R10分 2R5分 延長5分
船木誠勝(ARMS) 84.1kg
VS
桜庭和志(チーム桜畑) 83.1kg
うーん、花道でマスクを取り、澄み切った瞳でリングを見つめる船木さんには、確かに独特の色気のようなものがある。なんか……楽しそうで良かったですねえ。入場だけで「復帰して良かった!」という気持ちがありありと伺える。
対する下柳は……いやいや、ほんとは下柳はどうでもいいんだけど。でも去年は秋山にくっついてる清原に対するカウンターとしての下柳という存在に意味があったわけで、今回は野球関係では全然関係ない遥か前のオープニングファイトで立川だもんなあ。そういえばクロマティはどうなった……?
話が脱線し過ぎだが、上取った桜庭も、「ああ、これこのまま仕掛けてたら極まっちゃうなあ。メインとしては微妙かなあ。入場もあんまりうけてなかったかなあ。来年は下さんはもういいかなあ」とか多分考えてたと思うよ。
メインまで終わってしみじみと思うのが、「行かなくて良かった……」であるあたり、もう本当にネタ切れ。せめてHEROS本戦のストーリーぐらいはこっちにつなげてくれれば、それなりに見られるはずなんだが……。
さて、この後、ヒョードルVSホンマン。へえ〜、もうメインを放送するんだ。これは埼玉も意外と早く終わったのか……と思ってたら、「これよりファイナルマッチ」という煽りも台無しにして、試合順を入れ替えたとのこと。ひでえ〜。そりゃあ俺は見られた方がいいに決まってるが、現地のはへがわさんは怒っただろうねえ。
▼第8試合 1R10分、2R5分 ※4点ポジションでのヒザ蹴り禁止
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級王者)
VS
チェ・ホンマン(韓国/フリー/K-1 WORLD GP2007ベスト8)
テイクダウンを狙うヒョードルだが、腰の強さを発揮するホンマン、バランスもキープして倒れ込みつつ上に! あの巨体を崩すヒョードルの投げも強いんだが、さすがにでかかった。パウンドを落とすホンマンだが、ヒョードルはコールマンを葬った下からの十字「ロシアンデスクロス」、瞬殺かと思いきや、怪力でヒョードルの身体ごと浮かして強引に外すホンマン。一瞬、あのサップVSノゲイラの興奮が甦ったよ。立ち上がったヒョードルは顔面にフックを振ってまたも投げ、しかしリプレイを見るかのような展開でまたもホンマンが上に。そしてまたパウンド、腕十字……同じ技は通用しないかと思ったが、ヒョードルは体重を下に落とし身体全体をマットに引っ掛けるようにして、ホンマンに返させない。タップ……。
うーん、やはり強い。かつては社長に「金に汚い未熟な若者」と言われ、声援は小川ばっかり、煽りはミルコばっかり贔屓されていた寂しき王者だが、そんなことはまったく気にもしていないように、今日もファンに勝利をプレゼントしてみせる。本当に偉大な人だ。
▼第5試合 1R10分、2R5分
三崎和雄(GRABAKA/PRIDEウェルター級GP2006優勝)
VS
秋山成勲(フリー/HERO’S2006ライトへビー級トーナメント優勝)
会社で翌日、上司に「三崎って誰?」と聞かれたが、「テレビが逃げた後でチャンピオンになった選手ですよ。だから誰も知らないんです」とだけ説明。我ながらひどい説明だが、実に不遇だ……。そしてせっかくテレビが帰ってきた(笑)のに、アメリカ行っちゃってる郷野。
ちょっと関係ないが、ミルコさんのハッスル登場は、契約の問題で「やれんのか」の会場やましてやリング上には行けないので、ハッスルでお茶を濁した、という見方が有力だった。……だったら、郷野はどうなんだ? 同じUFCの選手なのに縛りはないの? 知名度が全然違うので、契約もそこまで厳しくないということかな? ここらへん、誰かインタビューしてほしいね。
さらに関係ない話が続くが、ミルコさんのハッスル登場はかつての「プロレスラーって普通の人と同じでしょ」という発言……違った、これはイグさんだよ。「スプーンも持てないんじゃないの?」……また違った、これはイグさんの武蔵のパワーに関する発言。そうそう、サップに2連敗したホーストがアーネスト・ビーストとしてプロレスでリベンジしたことを馬鹿にした発言を自ら裏切るもので、敗北のどん底に落ちた格闘家は、たまにはプロレスしたくなる、という事実を裏付けるものであった。その後、ホーストは緩やかに引退ロードを歩み出すわけだが、ミルコにとってもこれが「終わりの始まり」となるんだろうか。
このまま大連立が続けば、さらに数年してからハッスルで、ミルコ・タイガーとアーネスト・ビーストが四度目の対決をすることも、もしかしてあり得るかもなあ。そうなったら泣いちゃうかもなあ。
脱線しすぎたが、そんなオレの妄想をよそにヌル魔将軍秋山が、悪魔騎士を従えて入場! すげえブーイングだ。しかし本人は蛙の面に小便だ。
そして大声援をしょって三崎入場!
試合はパンチの応酬とローキックの攻防で幕を開ける。お互いにこつこつと当て合い、序盤は差が見えない。三崎おなじみの飛び膝フェイント、ダンヘンもバローニも踏み込ませなかったがパウロには出す間もなかったあれが、ここまでは機能している。だが、ローキックにタイミングを合わせた秋山、静かな集中力でワンツーをヒット! ダウンする三崎に、会場中の「静まり返った」と表現するのもまた違うような息を飲んだような空気が! 次の追い打ちで決まってたらほんとに静まり返ってただろうが、ここは三崎が凌いで立ち上がる。ダメージがないわけではないだろうが、なおも仕掛け続ける三崎。うーん、これは秋山かな〜と思ったのだが、どうも秋山もスタミナが厳しくなってきたようで、三崎の左が当たりはじめる。ははあ、長丁場やったことのない経験のなさがここで……とか思った直後、三崎の左フックが捉えて秋山が崩れ落ちる! すぐに立ち上がろうとした反応の早さがここで明暗を分けた。中途半端な態勢になった秋山に、会場中の怨念のこもった顔面蹴りが炸裂!
すぐさまレフェリーが割って入り、その後、一瞬映ったデニス・カーンと同じ血を流した虚ろな表情をさらした秋山の顔は、二度と地上波に乗ることはなかった……。
立ち上がりかけてたし、別に最後の蹴りは反則じゃないだろう。秋山が猪木アリ状態になろうとしてたら、まだ試合は続いたかもしれないが、立ちに固執したミスはやはり経験のなさゆえだったか。
その後の三崎の説教と、鼻折れてて息できないから口を閉じれず、早く病院に行きたそうな秋山の表情は動画で見て爆笑。
さてPPV買わなかったけど、川尻とマッハが順当、瀧本逆転勝利、石田大金星、青木思わぬ苦戦ということで、まあこれだったら買っても良かったか? 別の日にやってたら間違いなく買ってたと思うけどねえ。
大阪の方はひどかったが、埼玉の中継があってなんとか盛りかえした感じ。
しかし今年の年末は、大連立でいいから、どっちか一か所でやってください。中継がめちゃくちゃすぎて疲れました。ふ〜、それにしてもハプニングのない年明けはいいもんですねえ。
年明け早々、なかなかヘビーな感想文でしたが、またこんな調子でがんばっていきます。
皆さん、新年おめでとうございます。
昨日生観戦だった人も、テレビ観戦だった人も、録画してまだ見てない方も、今年も生暖かく格闘技を見守っていきましょう。
では、正月から仕事して研ぎ澄まされた?脳髄で書きます、「やれんのかDynamite!! 」感想。
ささっと飯食ってテレビ前を占拠したものの、煽りと過去Vだけで1時間が経過してしまった。こういう流れなのはわかってるけど、かといって何時に試合始まるかはわからんわけだからなあ。
順番後先になるが、この大晦日は本当に「中継」で、時間帯時間帯で視聴率を取ることしか考えておらず、「番組」としての完成度なんてはなから度外視なんですな。ひとまとまりとしての起承転結なんて考えておらず、ザッピングして見てる人に「お? あれそろそろかな?」と思わせてチャンネルを変えさせないことしか考えていない。だから、同じ煽り、同じCMをいくらでも挟む。通して見ている人間の苦痛など考えもしないわけだ。ん? 何を今さらわかりきったことをって? いや、大晦日のテレビ観戦なんて、曙VSサップ以来だし。
▼第1試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA(フリー/第5回世界キックボクシング選手権アジア大会54Kg級優勝/15歳) 59.7kg
VS
才賀紀左衛門(=さいが・きざえもん/大誠塾/18歳) 58.9kg
▼第2試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント1回戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
久保賢司(立川キックボクシングアカデミー/NJKFフライ級王者、WPMO世界同級王者/18歳) 58.7kg
VS
雄大(=ゆうだい/治政館/16歳) 58.7kg
▼第7試合 K-1甲子園 U-18日本一決定トーナメント決勝戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R
HIROYA
VS
雄大
さて、まずはK-1甲子園。3試合まとめて。才賀は一人だけキックの動きしてなくて面白かったが、その分安定度には欠けたか。ただ、あとの2試合が途中のラウンドカットされたことには、そういったわかりやすい派手さの有無も随分影響していたのではないか。
決勝ではまさかの「角田アグレッシブ」が炸裂! 出た〜! しかし倒しに行くプロ意識というのは、それが日頃から欠如しているジャパン勢に言うのはまあいいとして、デビュー戦のガキに言うもんじゃないよなあ。大人の選手でも、途端に打ち合う奴とかいて驚くが、この試合ではほぼペースは変わらず。
どうせいじめやしごきの蔓延してるだろうたこ壷みたいな野球部に、「さわやかさ」や「一生懸命さ」というカラーを塗りたくった高校野球という「商品」は嫌いだが、今回もまだまだプロのレベルじゃない試合に、そういった付加価値を与えてなんとか商品にしようとした作為がちらちら見えていらいらする。「横綱」とか「U」とか、役にも立たないよその権威を自ら名乗るのもテレビで名乗らせるのも、お互い大人なんだから勝手にすればいい。だが、子供にそういう看板をぶら下げてメディアに露出させるだけで充分に下衆なことなのに、さらに「プロ」として視聴率まで稼げというのは履き違えているとしか言い様がない。この場合こそ、角田にはこう言ってしまいたい。だったらおまえがプレデターとやれ!
魔裟斗や畑山からも「若さがない」との批判が飛び出したが、この「若さ」ってのは単に年齢じゃなく、精神的なもの、子供特有のある意味理性に欠けた感情のことだわな。
「無垢な者は無軌道なのではない……自由なのだ、心が」
だが、若者が心を解き放つのには、大晦日は雑音が多すぎる。
▼第3試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
宮田和幸(フリー) 69.9kg
VS
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー) 70.5kgで500gオーバー
テレビではメイン。アナウンサーの宇野に対するキラー発言の連発には笑ったなあ。かつてKIDも解説席に座ってる時に、「神の子を倒した男〜!」とザンビディスについて叫ばれて思わず苦笑いで突っ込んでいたが、これを失礼とか言うのはお門違いだろう。ザンビディスやハンセンの勝利は彼等自身の勲章であり、何人もそれを奪うことはできない。そして敗者にとってもその敗北は、財産としても傷としても、やはり一生背負っていかねばならないものなのだ。
「膝、よそ見してるともらいますよ」
と、内心、憤懣はあったかもしれないが自分しか持ち得ない体験を材料に解説してみせた宇野は、本当に立派である。そしてハンセンに敗れた宇野だからこそ実感をもって語れる解説を、非情に徹して引き出したアナウンサーはまさに「グッジョブ!」なのであった。……違うかなあ、単に無神経なだけかなあ、やっぱり。
ハンセンクラスには勝っておきたい、と大言した宮田だが、結果は非情。シャオリン戦の完敗と同じく、トップどころとの差をまたも証明。全局面で実力の差がはっきり見える試合だった。大連立が続けば、さらなるハンセンの活躍、宇野との再戦もあるだろう。
▼第4試合 HERO'Sルール 85kg契約 1R10分、2R5分、延長5分
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム) 85.0kg
VS
西島洋介(高田道場)公開計量には不参加
魔裟斗さんの「パンチでも勝つ」はまさにホラだが、西島の「パンチなら勝てる」は単にびびってるだけですわなあ。マヌーフの蹴りを交えた打撃にずるずると後退し、首相撲の仕掛けからあっさりとテイクダウン。するするとパスガードして、マウントパンチで終了。
よええーっ! 大殴り合いを展開したハント戦の幻想を、未だに本人だけが追い求めているのがよくわかる。K-1ルールで出てもローキックだけで終わりだろう。ボクシングしたいんなら、また海外に行って試合すればいいだろう。記者会見では知名度で人集めていい気になっても、試合になればいつも同じ。曙とまったく同じだ。そろそろハッスルに行けばいい。もはやつり合う相手はいな……あ、総合ルールでレコさんとか……。
▼第5試合 HERO'Sルール 5分3R
ミノワマン(フリー)
VS
ズール(ブラジル/ルタ・リブレ)
サッカーではなくマラソンを見せられるとは思わなかった。ローを蹴りながら相手が疲れるのを待つ……という馬鹿でも思い付く作戦は、1ラウンド終盤に捕まってしまい大失敗。ミノワマンにとっても大誤算だったろうが、ズールは落ち着いて作戦を読んでいたか。2ラウンドはさらに早い段階で捕まり、ミノワマンは寝技のディフェンスだけで精いっぱい。もちろん体格差あってのことだろうが、しかしもしかしてスタミナや技術でも負けてるんじゃないか……と勘ぐりたくなる。
3ラウンド、パウンドを浴びてタオル投入。素直に所戦を受けておけば良かったのになあ。しかしこないだのミンス戦といい、HEROSに来てから急に無差別で勝てなくなった。体格差も考慮した上での潜在的な強さを計れない、マッチメイクのミス……ということにしておこうか。
▼第6試合 HERO'Sルール 5分3R
田村潔司(U-FILE CAMP) 83.9kg
VS
所英男(チームゼスト) 70.1kg
※15㎏以上の差がないため、試合は通常ルールで行われる
開始前に所がビンタ。ひ、ヒーリング!? うかつだ……あまりにうかつだよ所。試合前に一発食らわすという行為から、一昨年のあの事件を想起しない人間がいると思うかね。ゲイ疑惑で一世を風靡した中尾事件、も、もしかして田村さんも……!? 違う違う、別に田村さんはキスしてないよ。ということは、所の方が……!? な、なぜそういう思考になるという突っ込みも空しく、妄想は突き進み田村VS所という試合が、田村×所というカップリングになってしまった。いや、別に俺でなくてもこういう妄想をめぐらす腐女子はいるはず! 格闘技の多様な楽しみ方を推奨するワタクシでも、さすがにこれはいただけない。小柄でなよなよした所を、兄貴風吹かす田村が後輩の尊敬の感情を逆手に取って思うままにする……組み伏せてその欲望に滾った(以下自粛)。
バカなことを書くのはこれぐらいにしといて、自分よりはるかにちっちゃい相手に対して悠然と構えて見せる田村さんは、自分の価値の守り方をやっぱり知ってるなあ。それに立ち向かいつつも屈服する自分に酔っている所との関係は、やはりどこかSM的に見える……ってどうしてもそっち系の妄想から逃れられない!
田村
「ふっふっふ、どうしてほしいんだ? ちゃんとお願いしてみろ」
所
「ああっ、お願いです田村さん……あなたのUのテクニックでどうか僕をめちゃめちゃにしてください……!」
田村が涙のパンチで高田を粉砕した引退試合には、こんなホモ臭い妄想をかき立てられる要素は微塵も感じなかったんだが、何が違うんだろう。やっぱり否応なく役割分担を考えさせるこの体格差がいかんのだよ(無理矢理)。下になった所はなすすべなく……っていくらまじめに試合展開を書こうとしても、どうもふざけてしまうので、これぐらいにしておこう。
テレビではまったく放送されなかったんだが、試合後のトロフィー授与で前田が田村にトロフィーを投げ付け授与。誰だよ、この人選した奴。責任者出てこいよ。今まで所を手取り足取り自ら身体で指導してきた前田さんが、濃密な時間を過ごす二人の姿を見せつけられたんだぞ! 前田さんの嫉妬に狂った気持ちを考えてみろ!
あ〜俺の文章にしてはうまく落ちたじゃないか。
この後は真面目な試合が続き……続き……続かんなあ……。
昨日は、ホモネタで引いた人が多いんじゃないかなあ。まあやおいも人生と格闘技のスパイスということで……って昨日と全然言ってることが違うよ。
「KY」というのが去年ははやりましたが、まあ知ったこっちゃないですね。僕は常に「AKY」か「OOKY」です。「あえて空気読まない」「おまえらがオレの空気読め」。
▼第8試合 K-1ルール 3分3R延長2R
武蔵(正道会館)
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
なんか武蔵さんの髪が伸びて、顔も太くなって、微妙に出来損なった長州みたいだな〜と事前情報の段階でも思ってたのだが、リングインしてあらビックリ! なに、この緩みきったバディは!? 畑山さんも動き悪いですね〜とはっきり言ってしまっていたが、確かにひどいコンディション。こりゃあアッカを選ぶわけだわ。こんな身体じゃペタスや藤本にも殺されるよ。全然蹴りも出ず、相変わらずの手打ちパンチ。それでもアッカがラッシュしてる時も、ここで武蔵が負けてくれるなんて微塵も期待しなかったけれど。
バテバテになった芸人と打ち合って、カウンター入れて勝利。いや〜ひどかった。全然練習してないっしょ。これじゃ最近のセフォーだよ。オヘア戦とか、大晦日でも無駄に調子は良かったのが通例なんだが、いったいどうしたんだ? 逆に心配になる……というと嘘になるけれど、今年はまじで引退イヤーかもね。
▼第9試合 K-1ルール 3分3R延長2R
ニコラス・ペタス(デンマーク/チーム・スピリットAE)
VS
キム・ヨンヒョン(韓国/テウン会館)
昨年はハリVSペタスが追加で「わーい!」と言ってたのだが、今年は巨人かあ……。しかしテレビで見るまで忘れてたんだが、ヨンヒョンってうちの会社の係長に似てるんだよなあ。まったくの私怨ながら、痛い目に合いやがれという気持ちになり、序盤ペタスを応援。しかしローキックで段々くの字になってきたあたりで、なんか気の毒になってきた。T係長、頑張って下さい! しかしオレの声援もむなしく、完全に頭が下がったところでパンチを浴びてKO。
シュルト、ホンマンという二人が、いかに規格外の存在かがわかる、典型的なただの巨人でした。ペタスも久々の勝利なのはわかるが騒ぎ過ぎ。
翌日会社で、本人がいないところを見計らって、「あの巨人、Tさんに似てるよな〜」と言ってまわってたのだが、あまり賛同者は得られず、残念!?
▼第10試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R延長2R
魔裟斗(シルバーウルフ) 69.9kg
VS
チェ・ヨンス(韓国/KAHN GYM) 67.5kg
去年、一昨年と、ほんとはイヤないし怪我してて辛い状態での参戦だった魔裟斗さん。恒例のボクサーいじめと言いつつも、本人はまた脚痛めたらどうしようなあ、というリスクも背負っていたはず。しかし……しかし今年は……なに、このベストコンディション……。どういう理由か太り過ぎだからお笑い芸人を相手に選んだ武蔵さんと、去年よりは確実に強いであろう相手ながら自分も絶好調すぎる魔裟斗さん。どちらがよりイジメ度が高いかというと難しいなあ。が、二人の性格の違いが現れているのは間違いない。
しかし「パンチで打ち合う」と「ホースト仕込みのローキック」をどう織りまぜるかにばかり注目していたので、あのハイキックはまったく見えなかった。頭が下がって最短距離で当たったんだから当然だろうが……なに、この切れ……このコンディションだったら、せめてカラコダかドラゴとやろうよ……。
ヨンスもなかなか粘ったが、やはり無理があった感じ。でも韓国予選で出てくる分には面白そうかな。
▼第11試合 HERO'Sルール 5分3R
ボブ・サップ(アメリカ/チームビースト)
VS
ボビー・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)
わっ、またグラハムとペタスがサップのセコンドだよ。オランダじゃ赤っ恥かかされたのに、よく懲りないもんだ。しかしこうやってサップのバックアップすることで、自分達にも話題が集まりオファーが来やすくなるわけでしょうから、ギブアンドテイクなんですな。そういえば、魔裟斗ともサップともガオグライとも切れた伊原会長は、本当に最近見かけなくなった。
ズールよりも走れるサップは、ボビーもあっさり捕まえてしまい、基本どおりパスガード。体格差のある普通の総合の試合って、まあこうなっちゃうよねえ、ということで、もうボビーの使いどころもなくなってきたなあ。来年、まだ生き残ってたらアッカ戦かな?
マウントパンチで普通に終わり、実に予定調和。ここでミラクルを演出するサップの心の弱さに期待したんだが……。これでサップは心置きなくハッスルに出られるわけだ。さっさと行っちゃってください。
▼セミファイナル(第12試合) HERO'Sルール 135ポンド契約 5分3R
山本"KID"徳郁(KRAZY BEE/HERO'S2005ミドル級王者) 61.2kg
VS
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル/アタイジジュニア柔術/ADCC2007優勝) 62.7kgで約1.5kgオーバー
絶対グラウンドに行かないぞと決意を固めてるらしいKIDさんと、寝技行きたいヤヒーラ。減量も失敗したが、当日はやはりちょい体重差ありか? KIDさんは同階級でもやはり小さい。
しかしタイミング合わせてパンチ狙ったKIDさん、ついにいい一発当てたと思ったら、ヤヒーラの反撃を顎にもらいふらっとくる。さらにパンチが交錯! おおおおおおお! まあ、なんだ、いくら寝技師っつっても、金網でやってる選手がボクシング練習してないわけないよなあ。振り回しパンチながらわりと打点が正確なところにくるヤヒーラ。今日初めて予定調和が崩壊するか? とちょっと期待したんだが、やはり打ち合いではKIDさんの方が上だった。追い打ちパンチでへたり込んだ時に思わず反則キックを叩き込んだのは、KIDさん自身も相当テンパってた証拠だろう。後にイエローカードが出ているが、パンチで決まってたし、勝敗を覆すような問題ではない。
試合としてはそれなりに面白かったんだが、やっぱり同階級でやるKIDさんは、普通に面白い試合をしながらも、どこか物足りない。ハンデのある70キロという階級で、全てを引っくり返す「神の一撃」を狙っていた時の方が、緊張感があったなあ。で、ほんとに何度も何度も決めたからね。
▼メインイベント(第13試合) HERO'ルール 85kg契約 1R10分 2R5分 延長5分
船木誠勝(ARMS) 84.1kg
VS
桜庭和志(チーム桜畑) 83.1kg
うーん、花道でマスクを取り、澄み切った瞳でリングを見つめる船木さんには、確かに独特の色気のようなものがある。なんか……楽しそうで良かったですねえ。入場だけで「復帰して良かった!」という気持ちがありありと伺える。
対する下柳は……いやいや、ほんとは下柳はどうでもいいんだけど。でも去年は秋山にくっついてる清原に対するカウンターとしての下柳という存在に意味があったわけで、今回は野球関係では全然関係ない遥か前のオープニングファイトで立川だもんなあ。そういえばクロマティはどうなった……?
話が脱線し過ぎだが、上取った桜庭も、「ああ、これこのまま仕掛けてたら極まっちゃうなあ。メインとしては微妙かなあ。入場もあんまりうけてなかったかなあ。来年は下さんはもういいかなあ」とか多分考えてたと思うよ。
メインまで終わってしみじみと思うのが、「行かなくて良かった……」であるあたり、もう本当にネタ切れ。せめてHEROS本戦のストーリーぐらいはこっちにつなげてくれれば、それなりに見られるはずなんだが……。
さて、この後、ヒョードルVSホンマン。へえ〜、もうメインを放送するんだ。これは埼玉も意外と早く終わったのか……と思ってたら、「これよりファイナルマッチ」という煽りも台無しにして、試合順を入れ替えたとのこと。ひでえ〜。そりゃあ俺は見られた方がいいに決まってるが、現地のはへがわさんは怒っただろうねえ。
▼第8試合 1R10分、2R5分 ※4点ポジションでのヒザ蹴り禁止
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級王者)
VS
チェ・ホンマン(韓国/フリー/K-1 WORLD GP2007ベスト8)
テイクダウンを狙うヒョードルだが、腰の強さを発揮するホンマン、バランスもキープして倒れ込みつつ上に! あの巨体を崩すヒョードルの投げも強いんだが、さすがにでかかった。パウンドを落とすホンマンだが、ヒョードルはコールマンを葬った下からの十字「ロシアンデスクロス」、瞬殺かと思いきや、怪力でヒョードルの身体ごと浮かして強引に外すホンマン。一瞬、あのサップVSノゲイラの興奮が甦ったよ。立ち上がったヒョードルは顔面にフックを振ってまたも投げ、しかしリプレイを見るかのような展開でまたもホンマンが上に。そしてまたパウンド、腕十字……同じ技は通用しないかと思ったが、ヒョードルは体重を下に落とし身体全体をマットに引っ掛けるようにして、ホンマンに返させない。タップ……。
うーん、やはり強い。かつては社長に「金に汚い未熟な若者」と言われ、声援は小川ばっかり、煽りはミルコばっかり贔屓されていた寂しき王者だが、そんなことはまったく気にもしていないように、今日もファンに勝利をプレゼントしてみせる。本当に偉大な人だ。
▼第5試合 1R10分、2R5分
三崎和雄(GRABAKA/PRIDEウェルター級GP2006優勝)
VS
秋山成勲(フリー/HERO’S2006ライトへビー級トーナメント優勝)
会社で翌日、上司に「三崎って誰?」と聞かれたが、「テレビが逃げた後でチャンピオンになった選手ですよ。だから誰も知らないんです」とだけ説明。我ながらひどい説明だが、実に不遇だ……。そしてせっかくテレビが帰ってきた(笑)のに、アメリカ行っちゃってる郷野。
ちょっと関係ないが、ミルコさんのハッスル登場は、契約の問題で「やれんのか」の会場やましてやリング上には行けないので、ハッスルでお茶を濁した、という見方が有力だった。……だったら、郷野はどうなんだ? 同じUFCの選手なのに縛りはないの? 知名度が全然違うので、契約もそこまで厳しくないということかな? ここらへん、誰かインタビューしてほしいね。
さらに関係ない話が続くが、ミルコさんのハッスル登場はかつての「プロレスラーって普通の人と同じでしょ」という発言……違った、これはイグさんだよ。「スプーンも持てないんじゃないの?」……また違った、これはイグさんの武蔵のパワーに関する発言。そうそう、サップに2連敗したホーストがアーネスト・ビーストとしてプロレスでリベンジしたことを馬鹿にした発言を自ら裏切るもので、敗北のどん底に落ちた格闘家は、たまにはプロレスしたくなる、という事実を裏付けるものであった。その後、ホーストは緩やかに引退ロードを歩み出すわけだが、ミルコにとってもこれが「終わりの始まり」となるんだろうか。
このまま大連立が続けば、さらに数年してからハッスルで、ミルコ・タイガーとアーネスト・ビーストが四度目の対決をすることも、もしかしてあり得るかもなあ。そうなったら泣いちゃうかもなあ。
脱線しすぎたが、そんなオレの妄想をよそにヌル魔将軍秋山が、悪魔騎士を従えて入場! すげえブーイングだ。しかし本人は蛙の面に小便だ。
そして大声援をしょって三崎入場!
試合はパンチの応酬とローキックの攻防で幕を開ける。お互いにこつこつと当て合い、序盤は差が見えない。三崎おなじみの飛び膝フェイント、ダンヘンもバローニも踏み込ませなかったがパウロには出す間もなかったあれが、ここまでは機能している。だが、ローキックにタイミングを合わせた秋山、静かな集中力でワンツーをヒット! ダウンする三崎に、会場中の「静まり返った」と表現するのもまた違うような息を飲んだような空気が! 次の追い打ちで決まってたらほんとに静まり返ってただろうが、ここは三崎が凌いで立ち上がる。ダメージがないわけではないだろうが、なおも仕掛け続ける三崎。うーん、これは秋山かな〜と思ったのだが、どうも秋山もスタミナが厳しくなってきたようで、三崎の左が当たりはじめる。ははあ、長丁場やったことのない経験のなさがここで……とか思った直後、三崎の左フックが捉えて秋山が崩れ落ちる! すぐに立ち上がろうとした反応の早さがここで明暗を分けた。中途半端な態勢になった秋山に、会場中の怨念のこもった顔面蹴りが炸裂!
すぐさまレフェリーが割って入り、その後、一瞬映ったデニス・カーンと同じ血を流した虚ろな表情をさらした秋山の顔は、二度と地上波に乗ることはなかった……。
立ち上がりかけてたし、別に最後の蹴りは反則じゃないだろう。秋山が猪木アリ状態になろうとしてたら、まだ試合は続いたかもしれないが、立ちに固執したミスはやはり経験のなさゆえだったか。
その後の三崎の説教と、鼻折れてて息できないから口を閉じれず、早く病院に行きたそうな秋山の表情は動画で見て爆笑。
さてPPV買わなかったけど、川尻とマッハが順当、瀧本逆転勝利、石田大金星、青木思わぬ苦戦ということで、まあこれだったら買っても良かったか? 別の日にやってたら間違いなく買ってたと思うけどねえ。
大阪の方はひどかったが、埼玉の中継があってなんとか盛りかえした感じ。
しかし今年の年末は、大連立でいいから、どっちか一か所でやってください。中継がめちゃくちゃすぎて疲れました。ふ〜、それにしてもハプニングのない年明けはいいもんですねえ。
年明け早々、なかなかヘビーな感想文でしたが、またこんな調子でがんばっていきます。
観戦記 過去ログ PRIDE編
2006/5/5 PRIDE無差別級GP一回戦 観戦記
今日も大阪は夏日、太陽がまぶしい……。
自転車をすっ飛ばして30分、今年も大阪ドームへ行って参りました。
スタンドSの6列目ということで、角度ばっちり距離まあまあ、赤コーナー側の選手退場口の真正面。しかし去年よりも席を取ったのはだいぶん遅かったのに、かなり前だよ。最終的には軽く埋まった感じだったが、やはりチケットの売れ行きは若干落ちていたのかな?
2000円のパンフレットを購入。銀ピカで豪華だが、相変わらず中身はゼロに等しいよ。だって全選手載ってないんだもんな。当たり前だが。そして、ケンドー・コバヤシと共に写真に出てる桜庭が痛々しい。マンガの登場人物紹介とかにもばっちり出てるし。
さて、高田本部長の挨拶でスタートだが、彼が登場するたびに「桜庭のことかな」とあちこちから聞こえる。いや〜罪深いね桜庭(笑)。
▼第1試合 スペシャルワンマッチ
ローマン・ゼンツォフ(ロシア/レッド・デビル)
VS
ギルバート・アイブル(オランダ/ボスジム)
「皇帝の影武者」ってのはゼンツォフのパーソナリティを考慮するにどうかと思うが、こういうジム内の関係を煽るのは割と好きだな。もっとアレキと共に、ヒョードルの首を狙う者を狩る役目に据えてあげてほしいのだが……。
打撃で攻勢をかけるアイブルをあっさりとテイクダウン。寝技地獄で追い込み、立ち上がり際に膝をもらうもパンチの応酬でKO! ばったりと倒れたアイブルに、追い打ちしようかためらいながら、チラリとレフェリーを見やりつつそーっとパンチを落とそうとするゼンツォフ……レフェリー、早く止めろ!
どうでもいいワンマッチだったので、早く終わってくれと思っていたが、まずまず早く終わった。アイブルはもう勝つイメージがまったくなくて気の毒。ゼンツォフももう少し手応えのある相手と当てて欲しい……と思っていたら、仰天のサプライズが!
「これにより、ローマン・ゼンツォフ選手のセカンドラウンド進出が決定しました!」
え!? いつそうなったの!?
「失礼しました、この試合はワンマッチでした」
やれやれ。
▼第2試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
VS
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)
さ〜て、お楽しみはこれからですよ。
並んでみるとファブリシオがでかい! 身長も同じぐらいですか。
ところで、今回は無差別級特別ルールということで、グラウンドでの蹴りは体重差が20キロ未満なら、体重の軽い方が有無を選択できるとのこと。つまり、たとえ1キロでも軽ければ、通常のルールを選択しなくとも良いわけだ。今回はアリスターの方が体重が軽いので、選択権。どっちを選んだかは〜え〜忘れました。すいませんね、でも試合にはあまり関係なかったんで。
パンチの応酬と、組んでの膝の打ち合い。当然アリスター有利の展開。ファブリシオは何度かテイクダウンを狙おうとするが、アリスターの腰が強い。逆にパワーで勝るアリスターが、軽々と抱えてボディスラム気味にテイクダウン。が、しばらくガードポジションだった後に、自ら離れる。ファブリシオもさっと立つが、そこで攻撃を仕掛けないアリスターは、スタンド勝負狙いか。打ち合いで若干優勢、テイクダウンという流れでアリスター有利のまま1ラウンド終了。ファブリシオは打撃は出すが、攻め手がない。
2ラウンド、ヒョードルVSノゲイラ三度目を彷佛とさせる展開で、アリスターがこのまま押し切るかと思ったのだが、そうはいかなかった。ついにテイクダウンを取ったファブリシオ、アリスターは弱点のスタミナ切れを起こしたかと思ったが、勢い余ってアリスター場外に飛び出る。ファブリシオはドントムーブを主張したが、レフェリーは無情のブレイク。ファブリシオは千載一遇のチャンスを逃し、再びアリスターがテイクダウン。が、ガードポジションでなにをぼーっとしていたのか、アリスターなんと腕を取られアームロックでタップ。
おいおいという結末、アリスターはやっぱりスタミナ切れ? サイドを取ろうとする様子もなく、スタンド勝負という作戦だったと思うのだが、アリスターは立つならさっさと立つべきだった。自滅臭い。でもファブリシオは粘り勝ちで良かったなあ。
▼第3試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
高阪 剛(日本/チーム・アライアンス)
VS
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)
これは体重差ありすぎで無差別ルール。
高阪は身体の仕上がりがすごいよ。相当気合いが入ってる感じ。で、いきなり打撃戦を仕掛ける! おもわずこっちがひえっとなってしまいそうな、無謀な挑戦。ハントにしてみれば望むところだろう。幾度か細かいパンチが当たるが、高阪は真っ向勝負で、逆にハントを後退させる。すげえすげえ、会場も大盛り上がり。ハントも一瞬棒立ちになり、頭を振るポーズ。そんなのK−1でもバンナやセフォーにしか見せた事ないぜ。グラウンドでバックを取り、さらには腕を取る……が、ハント、これは強引に抜いて決まらず。後になってみればこれが唯一最大のチャンスだった。
その後も、果敢にパンチ勝負をかける高阪だが、ここからグラウンドに行けない。パンチのヒット数は変わらないんだが、高阪は見る見るうちにダメージがたまる。ハントも右の大振りを控え、左ジャブを鼻っ柱にこつこつ当てるが、これが効いてしまうんだな。
2ラウンドに入っても、パンチの応酬が続くが、これがハントの必勝パターン。高阪はタックルもことごとく切られ、万事休す。ダメージが大きすぎるのか、タックルを切られたあとに土下座スタイルになる場面が増える。ルールで蹴れないためにハントは何もしないが、もはや限界は明らか。最後はパンチを受けてコーナーを拝んだところで、レフェリーが止めた。
高阪の気迫が凄かったが、体格差に全て潰された感じ。並の相手ならパンチで倒していたろうが、相手が悪かった。でも素晴らしい試合でした。お疲れ様です。
▼第4試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
ジョシュ・バーネット(アメリカ/AMC)
VS
エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル)
さ〜て、本日のメインイベント!
共に身体はばっちり絞り、グッドシェイプ。アレキサンダーが左のガードを下げ……おいおい、フリッカー? パンチは相当練習してきたようで、リーチの差もありジョシュの顔面にバシバシと当たる。しかしジョシュもそこはさすがの好調ぶり、頭を振って痛烈なダメージは受けずに済ます。
緊迫感はあるながら、静かな展開。しかしやはりヒット数で上回るアレキサンダ−が徐々にペースをつかむかと思えた。……が、やっぱり十分間ボクシングってありえないよね。スタミナのやや落ちたアレキに対し、ジョシュが徐々にプレッシャーをかけはじめる。
そして2ラウンド、バテバテのアレキをテイクダウンしたジョシュが、がっちりアームロックを極めタップアウト! なんでもアレキは右拳を脱臼してたそうだが、大阪は暑いしロシア人のスタミナはやはり落ちていたのか。ジョシュは逆に、打撃を凌いで得意のグラウンドに持ち込む、猪木祭りのシュルト戦でも見せた逆転パターン。打撃は結構ガンガンにもらったりしてひやひやしたんだが、最後はきっちり決めた。
▼第5試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
藤田和之(日本/フリー)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)
さてさて、藤田登場。実際のとこ、藤田の実力はこの3年の内にどう変わっているのか? そこのとこには要注目。
なぜかゴング&ダッシュを仕掛けないトンプソン、こういう冷静さが裏目にでることって多いよな……と思ったのだが、なんと藤田がここから何も出来ない。タックルをことごとく切られ、パンチの打ち合いでもリーチ差があるせいかクリーンヒットはトンプソン。そしてコーナーに詰め、身長差を生かした膝蹴りが顔面にグサリ!
もうオレの心の中では大トンプソンコール。トンさん、実に冷静。完璧なゲームプランではないですか。手が出ず、一方的にローキックを浴びる藤田。いいぞいいぞ、じっくり行こうじゃないか。とはいえトンプソンのガードも完全とは言えず、時折藤田のフックが当たる。そして1ラウンド終盤、強烈な膝を次々と当て、苦し紛れのタックルを切って上と取るトン。いいぞ、そのまま追い込むのだ! だが、ここは立ち上がった藤田が反撃のラッシュ、トンも受けて立ち、大振りのフックを振り回す! しかしここは回転の早さで勝る藤田のフックが当たり続け、ついにトンの意識を吹き飛ばした。
くそ〜惜しい! あとちょっとだったのに。トンプソン、優勢なんだから、何もノーガードでパンチ振り回さんでも。しかし想像以上に互角の闘いだったなあ。というか、テクニックではトンプソン?と思ってしまうほどだった。
逆転劇に会場は大盛り上がり。オレは一人ブーイング。
▼第6試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
美濃輪育久(日本/フリー)
VS
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
ぎゃーミルコだ! K−1の頃から好きな選手だったから、初めて生で見られて感慨深い。煽りVは、これが一番良かったかな。ミルコは入場曲も「WILD BOY」に戻して登場。しかしなんというか……オーラがないなあ。老け込んだ顔、力強さよりもスリムさの目立つ体つき。表情は険しいものの、それは獲物を狩ろうとする狩人のそれではなく、待ち受けた死の宿命に挑む戦士のような……どちらかと言えば高阪などに近い格闘家としての年輪の方をより強く感じさせた。かつてクロアチアの法のために警察官となった男は、犯罪者を「狩る」立場から、いつしか街を「守る」立場の男に変わって行ったのか。
そんなわけで燃え尽き症候群のミルコさんに、やる気だけは一人前のリアルプロレスラーが挑む!
試合が始まって、まずパンチを繰り出すミルコ。今回は引かずにプレッシャーをかけていく作戦の様子、当たり前か。美濃輪はパンチをぎりぎりで避けながら、下がって粘る。
後ろの方の席の奴が、連れに解説を入れている。「ミルコは、今回美濃輪を舐めてるから、全然練習してないで」「え? そうなん?」「せやからすぐスタミナ切れるで。3分たてば美濃輪に勝機ありやな」
しかし美濃輪のあびせ蹴り気味のタックルもあっさり潰したミルコ、コーナーに詰めた美濃輪をきっちり首相撲でホールドして強烈な膝蹴り、美濃輪がたまらず引き込もうとしたところを強烈なパウンド一閃。横を向いたところにパンチの雨を降らし、あっさりと試合を決めた。後ろの奴! 高田みたいな解説、得意顔して入れてるんじゃあない!
いや〜、ちょっとミルコ怒ってたかな。オーラゼロにも関わらず圧勝したが、変身した美濃輪でも変身してないミルコにまったく通用しないということですかな。つまらね〜。噛ませ犬当ててるんじゃあないよ。
オープニングの前の全選手入場の時に感じたのが、やっぱりリングにヒョードルがいて、ジョシュ、ハントという他団体のチャンプがいて、こちらはオーラ全開のノゲイラが出てきて、オーラは無いながらもヒョードルとノゲイラとタイトルを争ったミルコがいる。その首を狙うアレキ、ファブ、アリスターなどがずらりと並ぶわけだ。ここらへんの選手、特にTOP3と呼ばれる三人は、本当に正真正銘の王者とそれに次ぐ実力者で、最強を目指すPRIDEの世界観そのものと言っていい。今回はシウバやコールマン、ショーグンなど期待した選手が出てこなかったGPだが、それでも本当のトップ選手が何人も出ているわけで。
そんな中に、美濃輪やズール、西島が、GPの一回戦に彼等と同列で並んでいる、というのが、本当に滑稽に感じられた。可哀想なぐらいに場違いだった。いくら会場人気があろうが、試合をすれば見せ場なくぶざまに叩き潰されるしかない。そんな相手をトップ選手にぶつけることは、リスペクトを欠いた失礼なことだ。ミルコのマイクは短かったが、当然だろう。勝って誇れる相手ではないからだ。
で、負けたのにオイオイやってる美濃輪は本当に度しがたい。ジャイアント・シルバと一生イロモノファイトやってるのがお似合いだ。
▼第7試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
VS
ズール(ブラジル/B-TOUGH)
先も書いたが、ノゲイラ先生はオーラ全開。存在感も気合いの入りようも、どれを取っても他の選手より一枚上だ。対するズールはでかい。身体の大きさという意味では確かに存在感充分だ。
経過は書くまでもないが、あっさりとテイクダウンしたノゲイラが、じっくり腕を取って十字を極めてしまった。109キロに増量したノゲイラのパワーは、この相手を押さえ込むのには生きたなあ……というぐらいの感想しかない。くだらね〜デブは美濃輪とでもやってろよ。よりによってなんでこんな雑魚を呼んだんだろう。組み合わせ入れ替えて、ノゲイラVSゼンツォフ、ズールVSアイブルやった方が面白かったなあ。
▼第8試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
西島洋介(日本/高田道場)
吉田の牽制のハイキックを下がってかわす西島。タイミングを計った吉田はテイクダウンし、柔道着をつかんで耐える西島をじっくり捌くと、三角締めで極めた。
……これもひどい試合だったなあ。佐竹引退試合に次ぐつまらなさだった。西島が勝負にこだわり、ちゃんと練習している真面目な選手である、と。それはいい。だが、ここまで決定的に技術のない選手をメインで起用する意味はどこにあるのか。武士道の前座試合でもやらしてりゃ充分だろう。
前半は面白かったのだが、後半テンションだだ落ち。ま、こうやってけなすのも楽しいもんですから、それでチケット代の元は取れました。楽しかったよ。同じチケット代で東京もんが何倍も面白いカードを楽しむと思うとむかつきますがね。DSE的にはスターも全員残り、全試合一本勝ちで万々歳だろう。ぶっちゃけ、このカードでという条件付きなら、最高の大会でしたよ。でも、前提条件となるカードのメイン以下三試合がクソなわけで、どうしようもないよ。田村、横井、ランデルマンが素晴らしい選手だったように思えてしまった。
会場には五味も来ていたが、挨拶はなし。こりゃ次の武士道出ないかもな。で、桜庭関係も一切なし。まあ当然か。
帰りも自転車、熱を帯びた身体には、夜風が気持ち良かったですな。気分的にはミルコというか……これぐらいの興行では満足してやらんぞ(笑)。もっとオレを楽しませてくれよ!
今日も大阪は夏日、太陽がまぶしい……。
自転車をすっ飛ばして30分、今年も大阪ドームへ行って参りました。
スタンドSの6列目ということで、角度ばっちり距離まあまあ、赤コーナー側の選手退場口の真正面。しかし去年よりも席を取ったのはだいぶん遅かったのに、かなり前だよ。最終的には軽く埋まった感じだったが、やはりチケットの売れ行きは若干落ちていたのかな?
2000円のパンフレットを購入。銀ピカで豪華だが、相変わらず中身はゼロに等しいよ。だって全選手載ってないんだもんな。当たり前だが。そして、ケンドー・コバヤシと共に写真に出てる桜庭が痛々しい。マンガの登場人物紹介とかにもばっちり出てるし。
さて、高田本部長の挨拶でスタートだが、彼が登場するたびに「桜庭のことかな」とあちこちから聞こえる。いや〜罪深いね桜庭(笑)。
▼第1試合 スペシャルワンマッチ
ローマン・ゼンツォフ(ロシア/レッド・デビル)
VS
ギルバート・アイブル(オランダ/ボスジム)
「皇帝の影武者」ってのはゼンツォフのパーソナリティを考慮するにどうかと思うが、こういうジム内の関係を煽るのは割と好きだな。もっとアレキと共に、ヒョードルの首を狙う者を狩る役目に据えてあげてほしいのだが……。
打撃で攻勢をかけるアイブルをあっさりとテイクダウン。寝技地獄で追い込み、立ち上がり際に膝をもらうもパンチの応酬でKO! ばったりと倒れたアイブルに、追い打ちしようかためらいながら、チラリとレフェリーを見やりつつそーっとパンチを落とそうとするゼンツォフ……レフェリー、早く止めろ!
どうでもいいワンマッチだったので、早く終わってくれと思っていたが、まずまず早く終わった。アイブルはもう勝つイメージがまったくなくて気の毒。ゼンツォフももう少し手応えのある相手と当てて欲しい……と思っていたら、仰天のサプライズが!
「これにより、ローマン・ゼンツォフ選手のセカンドラウンド進出が決定しました!」
え!? いつそうなったの!?
「失礼しました、この試合はワンマッチでした」
やれやれ。
▼第2試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
VS
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ)
さ〜て、お楽しみはこれからですよ。
並んでみるとファブリシオがでかい! 身長も同じぐらいですか。
ところで、今回は無差別級特別ルールということで、グラウンドでの蹴りは体重差が20キロ未満なら、体重の軽い方が有無を選択できるとのこと。つまり、たとえ1キロでも軽ければ、通常のルールを選択しなくとも良いわけだ。今回はアリスターの方が体重が軽いので、選択権。どっちを選んだかは〜え〜忘れました。すいませんね、でも試合にはあまり関係なかったんで。
パンチの応酬と、組んでの膝の打ち合い。当然アリスター有利の展開。ファブリシオは何度かテイクダウンを狙おうとするが、アリスターの腰が強い。逆にパワーで勝るアリスターが、軽々と抱えてボディスラム気味にテイクダウン。が、しばらくガードポジションだった後に、自ら離れる。ファブリシオもさっと立つが、そこで攻撃を仕掛けないアリスターは、スタンド勝負狙いか。打ち合いで若干優勢、テイクダウンという流れでアリスター有利のまま1ラウンド終了。ファブリシオは打撃は出すが、攻め手がない。
2ラウンド、ヒョードルVSノゲイラ三度目を彷佛とさせる展開で、アリスターがこのまま押し切るかと思ったのだが、そうはいかなかった。ついにテイクダウンを取ったファブリシオ、アリスターは弱点のスタミナ切れを起こしたかと思ったが、勢い余ってアリスター場外に飛び出る。ファブリシオはドントムーブを主張したが、レフェリーは無情のブレイク。ファブリシオは千載一遇のチャンスを逃し、再びアリスターがテイクダウン。が、ガードポジションでなにをぼーっとしていたのか、アリスターなんと腕を取られアームロックでタップ。
おいおいという結末、アリスターはやっぱりスタミナ切れ? サイドを取ろうとする様子もなく、スタンド勝負という作戦だったと思うのだが、アリスターは立つならさっさと立つべきだった。自滅臭い。でもファブリシオは粘り勝ちで良かったなあ。
▼第3試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
高阪 剛(日本/チーム・アライアンス)
VS
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)
これは体重差ありすぎで無差別ルール。
高阪は身体の仕上がりがすごいよ。相当気合いが入ってる感じ。で、いきなり打撃戦を仕掛ける! おもわずこっちがひえっとなってしまいそうな、無謀な挑戦。ハントにしてみれば望むところだろう。幾度か細かいパンチが当たるが、高阪は真っ向勝負で、逆にハントを後退させる。すげえすげえ、会場も大盛り上がり。ハントも一瞬棒立ちになり、頭を振るポーズ。そんなのK−1でもバンナやセフォーにしか見せた事ないぜ。グラウンドでバックを取り、さらには腕を取る……が、ハント、これは強引に抜いて決まらず。後になってみればこれが唯一最大のチャンスだった。
その後も、果敢にパンチ勝負をかける高阪だが、ここからグラウンドに行けない。パンチのヒット数は変わらないんだが、高阪は見る見るうちにダメージがたまる。ハントも右の大振りを控え、左ジャブを鼻っ柱にこつこつ当てるが、これが効いてしまうんだな。
2ラウンドに入っても、パンチの応酬が続くが、これがハントの必勝パターン。高阪はタックルもことごとく切られ、万事休す。ダメージが大きすぎるのか、タックルを切られたあとに土下座スタイルになる場面が増える。ルールで蹴れないためにハントは何もしないが、もはや限界は明らか。最後はパンチを受けてコーナーを拝んだところで、レフェリーが止めた。
高阪の気迫が凄かったが、体格差に全て潰された感じ。並の相手ならパンチで倒していたろうが、相手が悪かった。でも素晴らしい試合でした。お疲れ様です。
▼第4試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
ジョシュ・バーネット(アメリカ/AMC)
VS
エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル)
さ〜て、本日のメインイベント!
共に身体はばっちり絞り、グッドシェイプ。アレキサンダーが左のガードを下げ……おいおい、フリッカー? パンチは相当練習してきたようで、リーチの差もありジョシュの顔面にバシバシと当たる。しかしジョシュもそこはさすがの好調ぶり、頭を振って痛烈なダメージは受けずに済ます。
緊迫感はあるながら、静かな展開。しかしやはりヒット数で上回るアレキサンダ−が徐々にペースをつかむかと思えた。……が、やっぱり十分間ボクシングってありえないよね。スタミナのやや落ちたアレキに対し、ジョシュが徐々にプレッシャーをかけはじめる。
そして2ラウンド、バテバテのアレキをテイクダウンしたジョシュが、がっちりアームロックを極めタップアウト! なんでもアレキは右拳を脱臼してたそうだが、大阪は暑いしロシア人のスタミナはやはり落ちていたのか。ジョシュは逆に、打撃を凌いで得意のグラウンドに持ち込む、猪木祭りのシュルト戦でも見せた逆転パターン。打撃は結構ガンガンにもらったりしてひやひやしたんだが、最後はきっちり決めた。
▼第5試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
藤田和之(日本/フリー)
VS
ジェームス・トンプソン(イギリス/チーム・トロジャン)
さてさて、藤田登場。実際のとこ、藤田の実力はこの3年の内にどう変わっているのか? そこのとこには要注目。
なぜかゴング&ダッシュを仕掛けないトンプソン、こういう冷静さが裏目にでることって多いよな……と思ったのだが、なんと藤田がここから何も出来ない。タックルをことごとく切られ、パンチの打ち合いでもリーチ差があるせいかクリーンヒットはトンプソン。そしてコーナーに詰め、身長差を生かした膝蹴りが顔面にグサリ!
もうオレの心の中では大トンプソンコール。トンさん、実に冷静。完璧なゲームプランではないですか。手が出ず、一方的にローキックを浴びる藤田。いいぞいいぞ、じっくり行こうじゃないか。とはいえトンプソンのガードも完全とは言えず、時折藤田のフックが当たる。そして1ラウンド終盤、強烈な膝を次々と当て、苦し紛れのタックルを切って上と取るトン。いいぞ、そのまま追い込むのだ! だが、ここは立ち上がった藤田が反撃のラッシュ、トンも受けて立ち、大振りのフックを振り回す! しかしここは回転の早さで勝る藤田のフックが当たり続け、ついにトンの意識を吹き飛ばした。
くそ〜惜しい! あとちょっとだったのに。トンプソン、優勢なんだから、何もノーガードでパンチ振り回さんでも。しかし想像以上に互角の闘いだったなあ。というか、テクニックではトンプソン?と思ってしまうほどだった。
逆転劇に会場は大盛り上がり。オレは一人ブーイング。
▼第6試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
美濃輪育久(日本/フリー)
VS
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
ぎゃーミルコだ! K−1の頃から好きな選手だったから、初めて生で見られて感慨深い。煽りVは、これが一番良かったかな。ミルコは入場曲も「WILD BOY」に戻して登場。しかしなんというか……オーラがないなあ。老け込んだ顔、力強さよりもスリムさの目立つ体つき。表情は険しいものの、それは獲物を狩ろうとする狩人のそれではなく、待ち受けた死の宿命に挑む戦士のような……どちらかと言えば高阪などに近い格闘家としての年輪の方をより強く感じさせた。かつてクロアチアの法のために警察官となった男は、犯罪者を「狩る」立場から、いつしか街を「守る」立場の男に変わって行ったのか。
そんなわけで燃え尽き症候群のミルコさんに、やる気だけは一人前のリアルプロレスラーが挑む!
試合が始まって、まずパンチを繰り出すミルコ。今回は引かずにプレッシャーをかけていく作戦の様子、当たり前か。美濃輪はパンチをぎりぎりで避けながら、下がって粘る。
後ろの方の席の奴が、連れに解説を入れている。「ミルコは、今回美濃輪を舐めてるから、全然練習してないで」「え? そうなん?」「せやからすぐスタミナ切れるで。3分たてば美濃輪に勝機ありやな」
しかし美濃輪のあびせ蹴り気味のタックルもあっさり潰したミルコ、コーナーに詰めた美濃輪をきっちり首相撲でホールドして強烈な膝蹴り、美濃輪がたまらず引き込もうとしたところを強烈なパウンド一閃。横を向いたところにパンチの雨を降らし、あっさりと試合を決めた。後ろの奴! 高田みたいな解説、得意顔して入れてるんじゃあない!
いや〜、ちょっとミルコ怒ってたかな。オーラゼロにも関わらず圧勝したが、変身した美濃輪でも変身してないミルコにまったく通用しないということですかな。つまらね〜。噛ませ犬当ててるんじゃあないよ。
オープニングの前の全選手入場の時に感じたのが、やっぱりリングにヒョードルがいて、ジョシュ、ハントという他団体のチャンプがいて、こちらはオーラ全開のノゲイラが出てきて、オーラは無いながらもヒョードルとノゲイラとタイトルを争ったミルコがいる。その首を狙うアレキ、ファブ、アリスターなどがずらりと並ぶわけだ。ここらへんの選手、特にTOP3と呼ばれる三人は、本当に正真正銘の王者とそれに次ぐ実力者で、最強を目指すPRIDEの世界観そのものと言っていい。今回はシウバやコールマン、ショーグンなど期待した選手が出てこなかったGPだが、それでも本当のトップ選手が何人も出ているわけで。
そんな中に、美濃輪やズール、西島が、GPの一回戦に彼等と同列で並んでいる、というのが、本当に滑稽に感じられた。可哀想なぐらいに場違いだった。いくら会場人気があろうが、試合をすれば見せ場なくぶざまに叩き潰されるしかない。そんな相手をトップ選手にぶつけることは、リスペクトを欠いた失礼なことだ。ミルコのマイクは短かったが、当然だろう。勝って誇れる相手ではないからだ。
で、負けたのにオイオイやってる美濃輪は本当に度しがたい。ジャイアント・シルバと一生イロモノファイトやってるのがお似合いだ。
▼第7試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
VS
ズール(ブラジル/B-TOUGH)
先も書いたが、ノゲイラ先生はオーラ全開。存在感も気合いの入りようも、どれを取っても他の選手より一枚上だ。対するズールはでかい。身体の大きさという意味では確かに存在感充分だ。
経過は書くまでもないが、あっさりとテイクダウンしたノゲイラが、じっくり腕を取って十字を極めてしまった。109キロに増量したノゲイラのパワーは、この相手を押さえ込むのには生きたなあ……というぐらいの感想しかない。くだらね〜デブは美濃輪とでもやってろよ。よりによってなんでこんな雑魚を呼んだんだろう。組み合わせ入れ替えて、ノゲイラVSゼンツォフ、ズールVSアイブルやった方が面白かったなあ。
▼第8試合 PRIDE無差別級GP2006 1回戦 1R10分・2、3R5分
吉田秀彦(日本/吉田道場)
VS
西島洋介(日本/高田道場)
吉田の牽制のハイキックを下がってかわす西島。タイミングを計った吉田はテイクダウンし、柔道着をつかんで耐える西島をじっくり捌くと、三角締めで極めた。
……これもひどい試合だったなあ。佐竹引退試合に次ぐつまらなさだった。西島が勝負にこだわり、ちゃんと練習している真面目な選手である、と。それはいい。だが、ここまで決定的に技術のない選手をメインで起用する意味はどこにあるのか。武士道の前座試合でもやらしてりゃ充分だろう。
前半は面白かったのだが、後半テンションだだ落ち。ま、こうやってけなすのも楽しいもんですから、それでチケット代の元は取れました。楽しかったよ。同じチケット代で東京もんが何倍も面白いカードを楽しむと思うとむかつきますがね。DSE的にはスターも全員残り、全試合一本勝ちで万々歳だろう。ぶっちゃけ、このカードでという条件付きなら、最高の大会でしたよ。でも、前提条件となるカードのメイン以下三試合がクソなわけで、どうしようもないよ。田村、横井、ランデルマンが素晴らしい選手だったように思えてしまった。
会場には五味も来ていたが、挨拶はなし。こりゃ次の武士道出ないかもな。で、桜庭関係も一切なし。まあ当然か。
帰りも自転車、熱を帯びた身体には、夜風が気持ち良かったですな。気分的にはミルコというか……これぐらいの興行では満足してやらんぞ(笑)。もっとオレを楽しませてくれよ!
Posted by ルシフ at 2008/06/16 Monday 00:09:07
Permalink | Comments (0) | Trackbacks ()
Category: DREAM
リラックマ
明日はきっと晴れますよ
カレンダー
カウンター
カテゴリー
最新記事
最新トラックバック
ブログ内検索
アクセス解析
twitter
プロフィール
リンク
AdminControlMenu: AdminMenu | NewEntry | EditComment | EditTrackback
忍者ブログ [PR]